『デモンズソウル』、『ダークソウル』の宮崎氏が放つ新たなアクションRPGとは?

 既報の通り(→こちら)、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレスカンファレンスで発表され、世界に大きな驚きと期待を持って迎えられたフロム・ソフトウェアのプレイステーション4向け新アクション『Bloodborne(ブラッドボーン)』。本作はSCE JAPANスタジオがプロデュースし、フロム・ソフトウェアが開発するアクションRPGだ。

 E3(※)初日となる2014年6月10日、SCEブースにてメディアセッションが行われた。プレイデモが披露され、ディレクターの宮崎英高氏みずから本作の特徴を解説したこのメディアセッションの模様をお届けしよう。

※E3……例年、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大級のゲーム見本市。E3はエレクトロニック・エンターテインメント・エキスポの略。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』――テーマは未知なる敵、死闘、ユニークなオンライン【E3 2014】_16

本作のテーマは“未知の探索”、“死闘感”、そして“ユニークなオンライン要素”

 メディアセッション冒頭、宮崎氏は本作について、3つのテーマを紹介。その3つが“未知の探索”、“バトルの死闘感”、そして“ユニークなオンライン要素”だ。

・未知の探索
 世界観や物語も含め、謎が多い本作。宮崎氏は世界観・物語はもちろん、マップの攻略法や、強敵との戦いかた、武器の使いかたですら“手探り”で、未知のものを探索する楽しみ、見出す楽しみを用意したいと語る。ちなみに、“Bloodborne(ブラッドボーン)”というタイトルにも込めた想いも明かされず、それはゲームを進めるうちにわかってくるだろうとのこと。タイトルの意味すらも探索要素になっているのだ。

・バトル死闘感
 本作のバトルシステムは、カメラ位置がプレイヤーキャラクターの背後にあるアクションという点では『デモンズソウル』のイメージに近い。宮崎氏は、「敵と対峙したときには、絶望的な死闘を「ヤバイ……」と感じ、敵を倒したときには、死闘をくぐり抜けた快感を感じてほしい」とコメント。本作はかなりハードな戦闘になることは間違いなさそうだ。

・ユニークなオンライン要素

 『デモンズソウル』や『DARK SOULS(ダークソウル)』がそうであったように、本作にもオンライン要素、それも“ユニークな”ものが新たに用意されるという。こちらに関しては、今回、詳細は語られず。今後のアナウンスを楽しみに待ちたい。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』――テーマは未知なる敵、死闘、ユニークなオンライン【E3 2014】_10

舞台は古都“ヤーナム”

 本作の舞台はビクトリア時代をモチーフに、ゴシック調にデザインされた古都ヤーナム。山間にあるこの街には、奇妙な風土病“獣の病”に侵されており、病に侵された人は、次第に獣になっていく。その獣を倒す獣狩たちが存在し、何とか平和を保っているが、その獣狩たちも病にかかる者も多く、徐々に荒んだ世界になっていく。

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変形する武器と銃による新しい立ち回り、戦いは能動的に仕掛ける必要も

 公開されたデモでは、ヤーナムの街のある場所からスタート。古都ということもあり、かなり大きな街となっており、街中以外にもさまざまなシチュエーションが用意されているという。

 街は、“獣の病”に侵された“獣狩り”の群衆たちが跋扈しており、遭遇すると襲ってくる。それらを倒しつつ進めるわけだが、本作の特徴は両手に持つ武器だ。

 デモでは主人公は左手に銃、右手には変形するノコギリを握り、そのふたつの武器で斬りかかり、相手の攻撃にはステップバックして回避する、といったスタイルのバトルがお披露目された。

 変形ノコギリにはさまざまなギミックが仕込まれており、変形からの攻撃にはいろいろなパターンが用意されているという。デモでは2段階の変形が確認でき、ノコギリの刃を伸ばした状態だと、威力の高い攻撃がくり出せていたように見えた。一方の銃は、遠距離攻撃用というよりは、近接攻撃に組み込んで怯ませるなど、近距離で使ってこそ真価を発揮するようなイメージ。つまり、本作での戦闘は接近戦闘がメインになってくるようだ。

 武器にはいろいろなものが用意されているらしく、さまざまな組み合わせの攻撃とギミックが試せるとのこと。

 ステージの最後には巨大ボスが待ち構え、まさに“死闘”がくり広げられた。だが、ボスだけではなく道中にも獣化した者たちが複数で襲い掛かってきたり、獣化した犬などもおり、つねに死が臭いがしている印象。だが、そんな困難があるからこそ、乗り越えたときの爽快感は格別なものとなるのは、『デモンズソウル』や『ダークソウル』をプレイしたことのある人ならわかるはずだ。

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ディレクター業と社長業のどちらをサボるかと聞かれた社長業をサボる

 Q&Aでは、おそらく多くのメディアに聞かれているであろう、「なぜ『デモンズソウル』の続編ではないのか?」という質問も挙がった。これに対し、宮崎氏は、「開発の経緯として、もともとSCEさんからお声掛けいただいて、その際は「新しいハードで、また
新しいゲームを作りませんか」というものでした。我々にとっても、新しいハード(PS4)というのも魅力的でしたし、新しいゲームを作ってみたい希望もありました」とのことで、本作が『デモンズ2』として検討されたことすらなかったという。

 最後に、フロム・ソフトウェアの社長に就任したばかりの宮崎氏に、就任前と就任後で本作への関わりかたの変化を訊いた。すると、ディレクターを続けることを前提に社長をやることになっているので、変化はありません」とのこと。さらに、「社長業とディレクターのどちらをサボるかと言われたら、社長業のほうをサボりますので(笑)、もし私が社長になったことの本作への影響を心配される方がいれば、ご安心ください」と頼もしい(?)コメントが帰ってきた。

 本作の発売は2015年(海外向けの発表)。それまで新たな絶望に備え、メンタルを強くしておこう。

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