インディーゲームへの間口を広げるID@Xbox
2014年4月7日と8日の両日、Unity最大の公式カンファレンスイベント“Unite Japan 2014”が東京・お台場にあるホテル日航東京で開催された。開催2日目にあたる4月8日には、日本マイクロソフトによるセッション“Unity×Microsoft が提供するゲームのためのプラットフォーム”行われた。本セッションは、Xbox One、Windows 8、Windows phoneなど、マイクロソフトの持つプラットフォームのUnityへの取り組みを紹介するもの。プレゼンは、日本マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 クライアントテクノロジー推進部 エバンジェリスト 大西彰氏とインタラクティブ エンターテインメント ビジネス デベロッパー エコシステム ID@Xbox リード プログラム マネージャー 松山秀勝氏が務めた。ここでは、そのセッションの模様をリポートしよう。
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昨年より“デバイス&サービス”への変革をテーマとして掲げているマイクロソフト(→関連記事はこちら)その中核となるのが3つのデバイス。Windows 8、Windows Phone、そしてXbox Oneだ。ご存じのとおり、3つのデバイスはWindowsテクノロジーで動いており、ひとつのソースでほかのデバイスに展開できる。セッションでは、Unityで作ったアプリをWindows PhoneやXbox Oneに展開するといったデモが披露された。もちろん、作ったアプリは、Windows ストアアプリで販売することも可能で、インディーゲームユーザーにとっても、相当間口が広いとの印象だ。「タイトルをお持ちであれば、移植などご検討してみてください」と大西氏。
とはいえ、Xbox One専用のソフトは、Xbox Oneの開発キットがないと作れない。そこでインディーゲームデベロッパーにとって見逃せないのが、ID@Xboxだ。ID@Xboxは、Xbox One向けに制作されたゲームをデベロッパーが独自にデジタル配信を行える新しいプログラムのこと。松山氏が挙げるID@Xboxのメリットは4つだ。
(1)Unity Pro for Xbox Oneが無償で提供される
(2)Xbox Oneの開発機材が無償で2台提供される
(3)Xbox Oneの機能をすべて実装できる
(4)配信されるゲームの取り扱いに差異はない
ID@Xboxの存在はXbox Oneの発売前から発表されていたが、「登録することで、Xbox Oneの開発機材やUnityが無償で提供される」というコメントを改めて聞くと、マイクロソフトがID@Xboxをいかに重視しているかと、インディーゲームに対する期待値の高さをうかがうことができる。(4)の“配信されるゲームの取り扱いに差異はない”にある通り、Xbox Oneでは、大手パブリッシャーの提供するゲームやインディーゲームの区別はなく、フラットに配信するとのことで、インディーゲームデベロッパーにとっては、さらにモチベーションの上がる方針と言えるだろう。国内における発売時期が9月に決まったXbox Oneであるが、ID@Xboxから生まれたゲームがどのような成果を結ぶか、注目したい。
なお、日本マイクロソフトのUnityでの取り組みは、順次専用サイトで公開されていくとのことなので(→サイトはこちら)、気になる方はご確認を。
(取材・文 編集部・Ful)