実際にプレイしてみたレビューも掲載

 2013年5月18日(土)、19日(日)、中国・上海で開催されたNVIDIA主催のゲームフェスティバル“GeForce e-Sports”。2日目の19日に、Androidベースの携帯ゲーム機“SHIELD”のブリーフィングが行われたので、詳細をふわっとお届けする。

■“SHIELD”とは
 と、その前に改めて“SHIELD”を説明すると、本機は、NVIDIAの最新モバイル用プロセッサーTegra 4(スマートフォン用のとりあえずスゴイヤツ)を搭載したAndroidベースの携帯ゲーム機。Google Playで配信されているアプリと、PCからのストリーミングで、『NFS: Most Wanted』や『The Elder Scrolls V: Skyrim』と言ったPC用ゲームが遊べるという、世界中で注目を集めているなんだかスゴイゲーム機のこと。操作やUIはAndroidをそのまま残しているため、普段使っているスマートフォンやタブレットと同じ要領で使えるのだ。以前発表されたスペックなどについては、下記をチェック。

[関連記事]話題のAndroidデバイス”Project SHIELD”の実機を激写
[関連記事]Project SHIELDでAndroidはハードコアゲームマシンとなるか?
[関連記事][海外ゲームニュース]NVIDIAの変態マシン“Project Shield”でPC版『NFS: Most Wanted』をプレイする動画が公開

■単語がよくわからないっていう人は最後のまとめだけ見るとイイ感じです
 ブリーフィングには、NVIDIAのプロダクトマネージャーJason Paul(ジェイソン・ポール)氏が登場。改めて、SHIELDは最高のゲーム体験を実現するために、コントローラ部分や液晶画面にとくに重点を置いて作ったと説明したほか、前面についたスピーカーで音楽とムービーも楽しめることを説明した。音質については、Androidで音楽を再生した状態を想像してもらえれば大体オーケー。高級スピーカなどで用いられるバスレフ型の構造を用いているため、ヘッドフォンを使用した際には、モバイルデバイスとしては抜群の音質を楽しめるとのこと。背面には、ヘッドセット対応ヘッドフォンジャックやMicro USBポート(データ転送・充電に対応)、マイクロSDスロットポートがひとつついてストレージが拡張できるほか、ミニHDMI出力端子でテレビに接続することも可能だ。

▲アンテナは、MIMO(multiple-input and multiple-output。無線通信において、送信機と受信機の両方で複数のアンテナを使い、通信品質を向上させること)を使用。MiracastとBluetoothも対応しているため、映像をワイヤレス通信で送信できるのだ。

 また、注目されるPC用ゲームをストリーミングで遊ぶ機能だが、これは当初はベータ版として提供されるとのこと。気になる画質や遅延についても問題ないということで、これは、GeForceグラフィックスカード用アプリケーション“GeForce Experience”が、PCの性能に合わせた映像設定を自動で最適化して送ってくれるので、ストリーミングでは目標の60~80fpsを達成できているからだ。ただし、Wi-Fiの通信速度によっては、エンコーディングに影響が出ることも。その場合はビットレートが下がるため、画質が悪く見えるそうだ。

▲PC版『The Elder Scrolls V: Skyrim』をプレイした際、SHIELD側ではやや引っかかりも? プレイには問題ない程度だ。

<まとめ>
 ざっくりまとめると、このような感じ!

・音楽・映画ももちろん再生可能(音質はAndroid)
・ヘッドセット対応ヘッドフォンジャック、Micro USBポート(データ転送・充電に対応)、マイクロSDスロットポートがひとつついてストレージの拡張も可能
・ミニHDMI出力端子でテレビ接続も可能
・Miracast対応のため映像をワイヤレスで送信可能
・PCゲームを遊ぶときは、“GeForce Experience”が勝手に一番いい設定をしてくれるため遅延は大丈夫
・Wi-Fiの通信速度などなどが悪いと、画質がチョット下がる

■遊んでみた
 実際に触って見たところ、コントローラーのボタンやスティックの配置は少し独特。大きさは少々厚みがあり、カバンの中ではごろっとしてスペースを取るように思える。重さも現存の携帯ゲーム機と比べるとややずっしりとしており、手に沈み込むようだった。持ち運びの点では、スマートフォンやタブレットと比べると不利な印象だ。アプリに関しては、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4』や『グランド・セフト・オート バイスシティ』のようなアクションゲーム、FPSゲームとは抜群の相性を誇り、逆に、『パズル&ドラゴンズ』のように、タッチだけの方が快適なゲームはあまり相性がよくない気がした。この辺りは個人の好みに左右されるため、実際に触って確かめるのが一番だと思われる。誰にとっても魅力的な点を挙げるなら、やはりPC用ゲームをベッドなどで遊べるところ。また、オープンプラットフォームで開発の垣根が低く、いろいろな会社ががつがつアプリを出してくれるため、数が豊富なのも間違いなしとなるだろう。気になるお値段は349ドル(日本円で大体3万5千円ぐらい)と、携帯ゲーム機にしてはお高め。先日からアメリカやカナダでのプリオーダーがスタートしており、出荷は2013年6月末が目標。日本を含むほかの地域での販売については、“できるだけ早く”何かしらの答えを出したいとのこと。

▲『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4』のゲーム選択画面(左)と実際のプレイ画面(右)。画質も綺麗なので、完全にゲーム機。

■気になる次世代“SHIELD”も発売予定
 イベントで実際にプレイヤーが遊んでいる姿を見たJason Paul氏は、「おもしろい体験だった」とコメント。「SHIELDは機能が多いため、ユーザーになかなか理解してもらえないのではないかと思っていたが、今回のイベントでは概ね楽しんでいる様子でした。フィードバックが楽しみです」と感想を述べた。また、“SHIELDは単発の商品? それとも今後も発売される予定?”という質問に対しては、「継続的に出る」とはっきりと回答。毎年新製品を発表しているTegraシリーズに応じて、SHIELDも出していくとのことで、かなり早いスパンで発売されるようだ。ただし、日本での発売は不明。

 最後に、ブリーフィングを終えてPaul氏がSHIELDをいじったところ、蓋の部分がポロッと取れた。一瞬、「ヒッ! 壊れた!」とヒヤッとしてしまったのだが、じつはこれも立派な仕様。シルバーの部分を差し替えることで、着せ替えが楽しめるようになっているのだ。どんなものが登場するのかは触れられなかったが、そういうシステムは大好きなので、今後に期待したい。

▲閉じた状態。シルバーの部分がパカッととれて、着せ替えられるらしい。