CESに先駆けてプレスカンファレンスを開催したNVIDIA。携帯ゲーム機“Project SHIELD”を発表したことをすでにお伝えしているが、その他のニュースもまとめてお届けする。
●モバイル向け最新プロセッサ“Tegra 4”
まずはそのProject SHIELDのコアにもなっているモバイル向けプロセッサのTegra 4から。コードネーム“Wayne”として知られてきたTegra 4が、ついに正式発表された。
GeForce GPUの72のカスタムコアによりTegra 3と比較してGPU性能が6倍になり、4K解像度の動画も再生可能。さらに、ARM系の最新CPUであるCortex-A15のクアッドコア構成が組まれていて、ブラウジング速度も2.6倍に。カンファレンスでは多数のページを連続して開き終わるまでに何秒かかるかというデモも披露された。
オプションとして提供される第5世代のIcera i500プロセッサと組み合わせることで4G LTE通信にも対応。Icera i500は従来型のモデム用チップと比較してサイズが40%で、第4世代と比べると4倍の処理能力を持つという。
そのほかエネルギー効率の点でも改良されており、一般的な使用では、Tegra 3より最大で45%も消費電力が低く、携帯電話に搭載して、HDビデオを最大で14時間再生することもできるとのこと。
そして、Tegra 4のひとつの目玉として、“コンピュテーショナルフォトグラフィ・アーキテクチャ”も発表に。これは、Tegra 4の処理能力を使って、HDR(ハイダイナミックレンジ)の写真やビデオを生成できるという機能だ。携帯電話で写真を撮った時に、明るさを背景に合わせりゃ人が暗く潰れて消えてしまい、人に合わせりゃ背景が白くスッ飛んでしまうようなことはないだろうか? ああいった状況でもうまいこと合成して、人間が見ているとおりに近い写真/ビデオを作ってくれるというワケだ。
●クラウドゲーム時代の核を担う“NVIDIA GRID”
お次はNVIDIA GRIDについて。すでに何度かお伝えしているので詳細は省くが、こちらはクラウドゲームなどのストリーミングサービスを構築する会社が使う設備側のプラットフォーム。理論的には、現行の家庭用ゲーム機をテレビに繋いでプレイしているのと同等の遅延でサービスを提供できるとされている。
今回の発表では、米国Agawi、中国Cloud Union、中国Cyber Cloud Technologies、日本のG-cluster Global、イスラエルPlaycast Media Systems、台湾Ubitus(NTTドコモのXi向けに、NHN Japanと組んでジークラウドを提供していた)ら、各国のクラウドゲーム業者6社がNVIDIA GRIDを採用したことが発表された。
●面倒な設定の最適化をお任せ“GeForce Experience”
最後はGeForce Experienceについて。上海での発表時にご紹介しているが、これはPCゲームのキモである……がめんどくさくもあるグラフィック設定(NVIDIAいわく、最適化をちゃんと行うのは18%だけ)を、データから自動的に判断して最適化してくれるというツールだ。
実はコレ、自宅内のゲーミングPCからローカルでストリーミングを行なって前述のProject SHIELDで遊ぶために必要なのだ。GeForce Experienceで設定時の自動化を管理しているからこそ、Project SHIELDに流すためのストリーミング映像を生成する処理負荷を正確にコントロールできる論理はわかりやすい。