まもなく開幕! 『大航海時代Online』は新たな時代へ!
2012年9月20日より、プレイステーション3/PCでサービス中のオンラインRPG『大航海時代Online』において、新拡張パック『2nd Age』がサービススタートとなる。それに先駆けて、横浜・コーエーテクモゲームス本社において、本作のメディア向け試遊イベントが開催されたので、その模様をリポートしよう。イベントには、本作のプロデューサー・竹田智一氏と、運営ディレクター・木部高広氏が登場し、『2nd Age』で新たに実装される要素について、試遊を交えながらプレゼンテーションを行った。
なお体験会終了後には、竹田氏&木部氏にインタビューを行った。極めて興味深いお話を伺うことができたので、【コチラ】もぜひチェックしてほしい。
まず竹田氏がステージに登壇。『2nd Age』のオープニングムービーを上映した。
「冒頭から、何のゲームが始まるんだ? という感じですが(笑)」(竹田氏)という通り、いままでのオープニングムービーとはガラリと様相が異なる映像となっている。これを見ただけでも、『2nd Age』が従来の拡張パックとは次元が違う、大がかりな新展開をもたらすものであることがうかがえるだろう。
竹田氏は、『大航海時代Online』の基本概要を解説したうえで、世界各地でのユーザー登録数が累計330万人を突破するなど、順調にサービスが展開されていることを説明。そして『2nd Age』は、“時間”という拡張軸を柱に、7年間続いてきた本作の歴史において「最大のターニングポイントとなります」(竹田氏)という、大規模な拡張となることを強調した。
新時代がもたらす新しい遊びとは!?
そして、2012年9月20日よりいよいよサービスインする、『2nd Age』のチャプター1、“双頭の鷲”について、大きく5つの要素に分けて、試遊を交えながらプレゼンテーションが行われた。
エイリアス
ヨーロッパを旅する占い師。占星術やタロット占いを得意とし、興味のある人物の未来を占うこともある。様々な場所や時代で目撃証言があるが、いつ見ても容姿が変わらないという謎に包まれた女性だ。
【1】プレイヤーの行動が歴史を動かす“ワールドクロック”
“ワールドクロック”は世界の時を司る存在で、まさに“2nd Age”の象徴とも言えるもっとも重要な要素だ。ワールドクロックの針は航海者の行動次第で、月に一度、未来か過去に前後し、それにより、様々な歴史的事件が発生したり、諸国の趨勢に影響を及ぼしたりすることになる。
ワールドクロックの作動後、出航所に入ると“エイリアス”と名乗る女性が出現。彼女はヨーロッパを旅するロマ(かつてジプシーと呼ばれていた集団の一つで、中東欧を中心に移動していた民族)の占い師で、プレイヤーのことを占ってくれる。
彼女の占いにより、プレイヤーの、時の流れに対する“スタンス”が決まる。スタンスとは、時を“進める側になる”のか、“戻す側になる”のか、ということ。たとえば、スタンスが“進める側”になった場合、航海者の取る行動は、時を未来に進める行動としてワールドクロックに蓄積されていく。そして、ワールドクロックに蓄積されたプレイヤーの行動が、年代がどう動くかを左右するわけだ。
【2】16世紀のさまざまな出来事が体験できる“歴史的事件”
年代が動くと、それに対応した歴史的事件が起こる。Chapter 1では16世紀(1501年~1600年)に発生した出来事が、歴史的事件として再現される。歴史的事件は、史実通りに進めることも、また“if”の方向に進めることも可能だ。
1588年 【アルマダの海戦】
悪化していたイスパニアとイングランドの関係は、イングランド私掠船によるイスパニア船への略奪行為をイングランド宮廷が黙認したことによって修復不可能となっていく。屈辱に耐えかねたイスパニアはついに艦隊をイングランドへ出航させたのだった。
1580年 【ドレイクの世界周航】
コロンの新大陸発見・インド航路確立・マゼランの世界周航――人々は未踏地への希望を胸に、競って航海に出るようになった。その一人がイングランドの海賊フランシス・ドレイクである。彼は各地で略奪行為を行いながら航海し、国庫の数倍もの財宝を積んで帰港した。
【3】世界に残された謎を解き明かせ!“トレジャーハント”
トレジャーハントとは、航海者自身がテーマを決め、世界各地で語り継がれている伝承を調査し、その伝承が指し示す遺物(レリック)の発見を目指す新たな冒険スタイルだ。
手順としては、まず各地の酒場を訪れて、トレジャーハントのテーマを決める。テーマの最終目的はレリックを発見すること。ひとつのテーマで、複数のレリックを発見できるものもある。
トレジャーハントに必要なレリックピースはさまざまなシーンで入手可能。冒険で発見した発見物を著名人に報告したときや酒場で報告したときなどにも、レリックピースを入手できることがある。
歴史的事件の発生により、貴重なレリックが登場することもある。どのようなレリックが登場するのかは、ワールドクロックを動かすプレイヤーの行動に託されているというわけだ。また、トレジャーハントを進めてトレジャーアイテムを入手すると、それがキーとなって、新たなトレジャーハントが発生する、というケースもあり、「有名な伝説を巡る長編ストーリーの展開も予定しています」(竹田氏)とのことだった。
カール5世
ハプスブルク家に生まれたイスパニア王。10代で即位し、宗教革命やオスマン帝国との戦いなど、困難な時期ながら“太陽の沈まぬ帝国”の礎を作り上げた。温厚で気さくな性格は政務にもよく現れている。
【4】莫大な資金で神聖ローマ帝国に介入!“皇帝選挙”
西欧諸国に多大な影響を及ぼす神聖ローマ帝国。その皇帝を決めるのが皇帝選挙だ。航海者は皇帝選挙に介入し、自らに有益な政策を掲げる候補者の当選を目指すことができる。
皇帝選挙は公示期間(候補者が公示される期間)、選挙機関(候補者や選帝侯を支援する期間)、選任期間(皇帝が選ばれてから政策が実施される期間)の3つに分けられる。
皇帝選挙では、ユーザーは直接候補者に投票することはできず、皇帝を選ぶことのできる7人の選帝侯を支援することで、自分が援助したい候補者が当選できるように働きかけることになる。
皇帝選挙で勝利を収めた候補者は、皇帝に選出される。そして選任期間中、その候補者が掲げていた公約が政策として実施され、西欧諸国を始めとする世界の各地域や航海者は様々な影響を受ける。
【5】洋上の超難敵に立ち向かえ!“ガナドール(覇者)”
大航海時代に名を馳せた洋上の覇者“ガナドール”たちに挑戦して、特別な海戦を楽しむPvEのコンテンツだ。“ガナドール”には、赤ひげが特徴のオスマントルコのハイレディンや、私掠海賊として名を轟かせたイングランドの“フランシス・ドレイク”など、名だたる海賊や名提督たちが名を連ねている。とくに、長く本作をプレイしてきた人にとっては、非常に胸躍るコンテンツと言えるだろう。
なお今回の体験会では、その場で即興で編成した、記者たちによる艦隊で、下級のガナドールとの対戦を体験することができた。相手は、イングランドのストーリーイベントで登場したライザの部下ゴードン。はたして強さのほどは……?
……と意気込んだものの、今回は、用意してもらったプレイヤー船が極めて強力な新型船だったうえ、スタッフの方々が修理やマグステ連打をしてくれていたらしく、ゴードンがかわいそうなくらいの楽な戦いに。どちらかというと、取り巻きの敵船のほうが厄介だった印象だった。実戦では、先に部下を片付けてからガナドールを狙うか、それとも全員でひたすらガナドールを集中攻撃するか……戦略と、艦隊の練度が問われる戦いになりそうだ。
また、竹田氏によると、ゴードンはガナドールの中でも最下級ランクなのだそうだが、耐久力はかなり高く、頻繁に修理を実行するため、極めてタフな相手に感じられた。弾薬などの物資を十分に用意してから挑んだほうがよさそうだ。
新規船! 新国家! 新規要素はまだまだある!!
主要な5要素のほかにも、まだまだ追加要素が用意されているので、まとめて紹介していこう。
◆新規船、新国家、新オプションスキル、新BGM、etc
まず何と言っても気になる新規船については、「今回は歴史がテーマと言うことで、サンタ・マリア号やゴールデン・ハインドなど、歴史上の有名な船、各国の主力になった船などを再現しています」(竹田氏)とのこと。また新国家については、まずチャプター1で新たなNPC国家として神聖ローマ帝国が登場するが、今後のチャプターでも、各時代を代表する新しいNPC国家が続々と登場するとのことだった。
1637年に建造された全長110メートル、100門以上の大砲を備えた1等戦列艦。建造時はソブリン・オブ・ザ・シーズ(「海の君主」という意味)という船名であったが、1651年にソブリン、1685年にロイヤル・ソブリンと改名された。当時最も豪華に装飾された軍艦で、金箔を用いた精巧な装飾が施された船であり、その姿からオランダ海軍から「黄金の悪魔」と恐れられた。
1577に建造されたイングランドのガレオン船。当初はペリカンという名称だったが改名された。フランシス・ドレイクが世界周航を行った際の乗艦であり、航海中にイスパニアの貨物船を襲撃したため私略船としても有名。
1565年にリューベックにて建造された当時世界最大の軍艦であるハンザ同盟に所属するリューベックが北方七年戦争による被害を防ぐため商船団の護衛用に建造されたが、完成時には既に和平交渉に入っていた。なお、本来の名称は「アドラー・フォン・リューベック」である。
1636年に建造されたフランス軍の一等戦列艦。当時、造船技術に遅れを取っていたため、オランダから造船技師を招きフランスの国威を賭けて建造された。外見はガレオンやフリゲートに近いが、砲72門搭載の一等戦列艦である。
船体構造などを再設計し、より洗練された形状となったクリッパータイプの商船。最高レベルの航海者にふさわしい性能を持ち、最新の機能(オプションスキル)を施すことも可能となっている。船体が後のガレオンに比して低いのが特徴。
かの高名なクリストバル・コロン提督が大西洋を横断した際の乗艦「サンタ・マリア」を復元した船。ゲーム中では独自のオプションスキルを付与可能となっている。なお、現在のところ『2nd Age』トレジャーボックスの特典でしか入手できない。
◆ビジュアルの強化(陸上の時間経過、キャラクターモデル強化、etc)
陸上では、時間経過とともに、天候も変化するようになる。竹田氏いわく、「港町で夕日を眺めたり、雪の荒野を探検したり、といった楽しみかたもできます」とのこと。今回試遊しているあいだにも、街の中に滞在しているだけで、昼から夜、晴れから雨……などと風景が移り変わるのを確認することができた。ヴェネツィア名物の夕焼けも、ついに移り変わる日が来るわけだが……ヴェネツィア民にとってはうれしくもあり、寂しくもあり、といったところかもしれない。
◆バランスの改定(交易バランス変更、一部領地の中立化、etc)
従来通りの要素についても、一部バランスが調整される。とくに今回、歴史が過去に遡る可能性があるということで、いくつかの領地が中立港に変更される。「国家の勢力争いが、かなり加熱することが予想されます」(竹田氏)。
◆初心者歓迎(チャレンジミッション、学校クエスト改善、etc)
プレイステーション3版のサービスインを第二のロンチとするなら、史上最大規模の拡張となる“2nd Age”は、第三のロンチともいうべきもの。それだけに、新規プレイヤーを獲得するための施策も実施される。ただしチャレンジミッションは、特定の条件を達成するとご褒美がもらえるという、初級・中級プレイヤーに直近の目標を提示することを目的としたものだが、もちろん新規プレイヤーに限らず、全プレイヤーがチャレンジできる。長らくプレイしている人なら達成済みの項目も多く、なかには緊急造船依頼書などのうれしいご褒美もあるので、9月20日になったら、チャレンジミッションの項目をチェックしてみるといいだろう。
特典山盛り、ロマン満載の『トレジャーBOX』!
続いては、木部氏が登壇し、2012年9月20日発売されるパッケージと、現在実施中のキャンペーンについての説明が行われた。
パッケージは、PS3用とPC用、それぞれに『大航海時代 Online 2nd AgeトレジャーBOX』と『大航海時代 Online 2nd Age』(通常版)の2種類が発売される。内容は公式サイトなどですでに公開されているが、この日は『トレジャーBOX』のみの特典、“サンタマリア号ペーパークラフト”の実物が披露された。組み立てに1時間を要する本格的なもので、船好きにとってはたまらない逸品と言えそうだ。また、同じく『トレジャーBOX』のみの特典となる“『2nd Age』オリジナルサウンドトラック(CD)”には、新規追加されるフランクフルトの街やガナドール戦のBGMなどが収録されるとのこと。公式サイトで視聴することができるので、チェックしてみるといいだろう。
また、現在はサービスイン時の開始年代を決定するユーザー投票を実施しているが(詳細は【コチラ】)、2012年9月20日からは、新たなキャンペーンが開始される予定だとのことなので、公式サイトで最新情報をこまめに確認しよう。
最後に、再び竹田氏が登壇し、まとめの挨拶を行った。
竹田氏 「“2nd Age”ということで、『大航海時代Online』は新しいステージに突入し、今後の可能性も広がっていると感じています。いままではクエストの中だけで語られていた過去や、未来の世界が、いつか皆さんのもとに訪れるかもしれません。開発スタッフとしても、夢が広がっています。サービス開始は、東京ゲームショウ2012のの初日にあたる9月20日です。お楽しみに、お待ちいただければと思います。今後ともよろしくお願い致します」