『DOL』史上最大の拡張! 新時代の世界はどうなる!?

 2012年9月20日より、プレイステーション3/PCでサービス中のオンラインRPG『大航海時代Online』において、新拡張パック『2nd Age』がサービススタートとなる。それに先駆けて行われたメディア向け試遊イベントにて、プロデューサーの竹田智一氏、運営ディレクターの木部高広氏にお話を聞くことができたので、その内容を紹介しよう。
 なお、試遊イベントは【コチラ】で詳細をリポートしているので、そちらも合わせてご覧いただきたい。

『大航海時代Online 2nd Age』気になる疑問を竹田P&木部Dに直撃インタビュー_01
プロデューサー・竹田智一氏(写真左)
運営ディレクター・木部高広氏(写真右)

“ワールドクロック”に秘められたヒミツ!?

――まず、『2nd Age』の中枢とも言えるワールドクロックについてお聞きします。プレイヤーみんなで時代が進むか戻るかを決める仕組みとのことですが、悪くすると、ひたすら同じ時代を行ったり来たりするだけになってしまいそうにも思います。そのあたりはいかがですか?

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竹田智一氏(以下、竹田) 当然、そういうご心配はあるかと思いますが、じつは、1回見た時代は、それ以降は出にくくなるようにしてあります。ですので、たとえば16世紀の前半ばかりが続くと、今度は先に進みやすくなり、後半が見られるように、という具合に、調整はかけています。

――では、続けてプレイしていれば、同じ時代ばかり……ということにはなりにくいということですね。

竹田 そうですね。絶対に同じ時代に行かない、というわけではないのですが、行きにくくなります。それに、もし同じ時代に行ったとしても、前回とは別の歴史的事件が起こったりもしますので、同じ事件を短期間に続けて、とはなりにくいですね。

木部高広氏(以下、木部) 発表しているもの以外にも、歴史的事件はいくつかありまして、そちらのほうが発生することもありますので。その場合は、ユーザーさんにしてみると、違うことが起きているように見えると思います。

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――となると……開発される側としてはたいへんそうですね。

竹田 ですので、今回は16世紀だけにさせていただいています。いきなり全部を実装するのは難しいので、時代を少しずつ再現するという形で進めていきます。

――2012年9月20日時点では、16世紀の歴史的事件はすべて実装済みでスタートするわけですよね?

竹田 そうですね。当然、今後追加していくことも考えられますが、とりあえずおもだったところは実装済みでスタートします。

――まずはチャプター1、“双頭の鷲”からスタートしますが、“2nd Age”全体ではどれくらいのチャプター数を想定されていますか? また、完結まではどれくらいかけて実装されるイメージなのでしょうか?

竹田 いままでと、それほど大きく変わるようなことはないと思います。ただ、実装ペースは、従来と変わるかもしれないです。

――それは、いままでよりも長い期間をかけるということですか?

竹田 逆ですね。早いスパンで実装していくイメージです。チャプターの数は、もしかしたら、いままでよりも増えるかもしれません。

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“プレイヤーが世界を変える”……その変化とは?

――歴史的事件の結末が変わった影響は、交易品などに影響するとのことですが、それはどんな形で現れるのでしょうか?

竹田 事件の性質によって、いろいろ変わります。たとえば、ポトシ銀山の歴史的事件で、航海者がエルドラドの噂を実話だったと証明できるような結末に至った場合、その影響で、世界の貴金属、銀の生産量が上がったりします。これは交易品という部分でわかりやすい例ですね。

――それによって、世界中の交易所で、銀を一度に取引できる量が増えたり、というわけですね?

竹田 それもひとつの形ですし、いろいろな影響があります。全体的に、世界に影響のあるものが多いですね。

――世界への影響という部分では、特定の時代限定で入手できる船があったりするということですが……?

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竹田 その時代に行かないと、間接的に手に入らない船というのはありますね。たとえば、その時代に行かないと挑戦できないガナドールがいて、そいつを倒さないと、その船の部品が手に入らないので、結果的にこの船が造れない……などというケースなどです。

――ということは、特定の時代でないと造船の発注、依頼ができないというわけではないんですね?

竹田 プレイを縛るような形のものではないです。“2nd Age”は全般的に、時代が動くことで新たに出てくる……という再現方法になっている、とお考えください。

――つぎにトレジャーハントについてですが、これは基本的に冒険者がチャレンジするものと考えてよいのでしょうか。

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木部 そうですね。冒険者の方が楽しめるコンテンツとして用意させていただいています。

――ということは、冒険者経験や冒険者名声が入手できるコンテンツということでしょうか。

竹田 はい。進行の途中で、レリックピースを合成することでも経験値が入ったりします。

木部 レリックピースは、通常の行動の中で入手できる機会があります。通常プレイをしているうちに、勝手に集まってくるようなイメージですね。

――まさに沈没船の地図のような。

竹田 そのニュアンスに近いですね。テーマを決めると、それに関するレリックピースが手に入りやすくなる仕組みです。

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――そのレリックピースを合成して、★の数が多いピースを合成できると、そこで新しい展開が生まれるわけですね。

竹田 はい。そこから、クエストを自分で発動することができます。自分で情報を集めることで、クエストを独自に手に入れるという感覚ですね。それで、最終的にレリックを発見することになります。

――レリックピースの合成では、一度に、同じピースを複数まとめて合成したりできますが、これにはどんな意味があるのでしょうか?

竹田 たくさんの情報を分析したほうが、情報の精度は上がりますよね。いろいろな情報を総合して、“これが正解だな”と導きやすくなるということです。そのためには、たくさん集めたほうがいいわけです。

――ちなみに、レリックピースは取引できるのでしょうか?

竹田 できません。自力で集めるしかないですね。

――トレジャーハントも、ワールドクロックの影響を受けるのですよね?

竹田 テーマを決めるときに、その時代に行かないと選べないテーマ、というのがありますね。

――テーマを選択した後に、ワールドクロックが動いた場合は……?

竹田 大丈夫です。継続して進められます。

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――皇帝選挙は、お金でいずれかの候補者を支援する、というものと考えてよいのでしょうか?

木部 お金で物資を買って、それで支援するという形ですね。

――効果的な支援を選ぶ目とともに、やはり資金力がものを言うわけですよね。その資金をかけた見返りは、何になるのでしょうか? たとえば大投資戦でいうところの国家貢献勲記のような見返りはあるのでしょうか?

竹田 メリットは物ではなくて、政策にあります。その政策が、投入する資金に見合っていると皆さんが思えば、選挙戦は加熱して、相場は高くなっていくでしょうね。逆に、皆さんが“あんまりそうでもないよね”と思ったら、低い水準で勝敗が決まると思います。

――なるほど。公約として提示された政策そのものが見返りで、それが投資に値すると思った人が支援する、ということですね。

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竹田 ただ、どんどん支援していくと、その候補者の政治力が上がって、公約が増えていくんですよ。その結果、投資に見合った効果が得られるようになるかもしれないので、そこは探り合いになるでしょうね。見返りがお金で買えないものだったりすると、値段が付けられない価値があるので、そこはプレイヤーの皆さんの判断ですね。

――政策による効果は、プレイヤー全員が受けられるのでしょうか?

木部 基本的には、勝った候補者を支援していたプレイヤーだけですね。とりあえず最低額でも、支援に参加しておけば、勝った場合には政策の恩恵を受けられます。

――とくに貢献した支援者は、宮廷顧問の地位を得られるそうですが。

木部 上位10人が、地位を得ることができます。

――トップ10をめぐって熾烈な争いになりそうですね。支援額のランキングは確認できるのでしょうか?

竹田 見えるようになっています。

――では、選挙戦終盤は熱い戦いになりそうですね。

竹田 上位10人に入るか入らないかは大きいと思いますよ。職によるとは思いますが、職に合った効果の場合、相当大きな見返りに値するはずです。

最初に撃破するのは誰だ!? 超強力“ガナドール”!

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――ガナドールは、大規模な対NPC戦になるわけですよね?

竹田 実際にはインスタンスバトルなので、それぞれのプレイヤーに対して出現している形になりますね。

――艦隊ごとに対戦する、ということですね。

竹田 そうですね。

――対戦は何度でもできるのでしょうか?

竹田 はい。ただ、国家貢献勲記を使わないといけないので、無限にチャレンジできるわけではありません。国家に貢献したプレイヤーしか挑戦できない相手、ということですね。

――必要な国家貢献勲記は何枚くらいになるのでしょうか?

竹田 相手によりますね。上級のガナドールになると、より多くの勲記が必要になります。ただ、参加者全員ではなく、艦隊の誰かが払えば大丈夫です。

――なるほど。では、たとえば参加者がひとり1枚ずつ出して……ということもできるわけですね。

竹田 そうですね。それでも大丈夫です。

――挑戦できる相手は、ワールドクロックの状態によって変わるのでしょうか?

竹田 はい。特定の時代に行かないと出てこないガナドールもいます。

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――上級のガナドールは相当強いとのことですが……?

木部 相当強いというか、体力が尋常じゃないというか……。

竹田 船の耐久力がなかなか削れないね。

木部 攻撃も強いですしね。

竹田 まあ、そのあたりは、実際に見て驚いてください(笑)。

――楽しみです(笑)。ガナドールは専用スキルを持っているとか……?

竹田 ありますね。卑怯なスキルを持っています。

――よくわからないけどなんだか全然撃沈できないぞ、とか?(笑)

竹田 我々も楽しみにしています。どういう風に倒されるだろう、って。

木部 最初に倒されるのはいつになりますかねぇ。

――そこまで強いのですか!?

竹田 強いですねぇ。開発チームが本気で挑んでも手強い相手ですね。

新規追加の船は高レベル向けの“末永く使える”船!

――今回、新しい船が登場するというのも、気になるところですが、全部で何種類追加されるのでしょうか?

竹田 種類でいうと、9種類ですね。

木部 ただし、パッケージ特典だったり、特定のガナドールを倒すなどの条件があるものもあります。

竹田 けっこう厳しい条件もありますので、いきなり一気に造れるようになるというわけではないです。

――では今回実装される船は、船を手に入れることそのものが、手応えのある遊びになるようなイメージでしょうか。

竹田 それは、一部の船だけですね。やはり新しい船には皆さん早く乗りたいと思いますので、たいていはいままで通りの方法で入手可能です。そして、どれもかなり使える船ですのでご期待ください。

――高レベル向けの船が揃っているということですか?

竹田 高レベル向けが多いですね。末永く使っていただける船だと思います。

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公約完遂! 南蛮一択の時代は終焉へ!?

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――そのほか“2nd Age”では、2月に開催された“ネットエンターテインメントフェスタ in 秋葉原”などで公約されていた要素がいくつか実装されていますよね(詳細は【コチラ】)。その公約について確認させていただきたいのですが、まず楽器は、今回4種類追加されますね。

竹田 バグパイプと、ホルン、テオルボ、ハーディ・ガーディの4種類ですね。テオルボは、リュートの親玉のような、低い音を出す楽器。ハーディ・ガーディは、ホイールをグルグル回して鳴らす楽器です。

――これらは、中世に実際にあった楽器なのですよね?

竹田 はい。ホルンも、当時は吹き分けだけで音を出し分ける楽器だったのですが、それを再現しています。

――ペットの追加ということも公約されていましたが、これはすでに実装済みということでしょうか?

竹田 これまでのアップデートでいくつか追加しましたので、今回の追加はありませんが、当然、今後も追加を検討していきます。

――インフレ抑制と、南蛮貿易の調整についてはいかがですか? すでに、ある程度の調整はなされていますし、すでに解決済みということでしょうか?

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竹田 いえ、今回“交易調整”ということで発表していますが、そこで実施する部分ですね。従来よりも、通常交易でお金を稼げるようにバランスを調整しています。いままでは南蛮貿易とかなりの差がありましたが、南蛮貿易の利益を下げて、通常交易の利益を上げる方向の調整で、両者の差が小さくなります。

――それは南蛮貿易の回数制限などではなく、価格の調整を行うということですか?

竹田 はい、実際の相場的な部分を調整します。

――それは9月20日に一斉に変更されるわけですか?

竹田 そうなります。

――“多額のドゥカートの取引を気軽にできるようにする”という部分はいかがでしょうか?

竹田 いままで、小切手の手数料が高くて使いにくいという話がありましたので、現在5%の手数料を、2%に引き下げる変更を行います。


――最後に、読者にメッセージをお願いします。

竹田 “2nd Age”になって、今後、やりたいことがいっぱいあるんですよ。まだすべては実現できていませんが、続々と皆様に提供していきたいと考えていますので、今後の展開にご期待いただきたいと思います。そして、まだプレイされたことがない方にも、この機会に始めていただいて、『大航海時代Online』の楽しさを味わっていただきたいな、と思います。

木部 すでに遊んでくださっている方に対しましては、“2nd Age”で、いままでとはちょっと違ったテイスト、変わった感じを味わっていただければと思います。そしてまだプレイされていない方には、このゲームはひとりでものんびりと遊べるゲームですので。大航海時代のロマンを感じたいと思われる方には、ぜひプレイしていただければと思います。よろしくお願いいたします。