新ジャンルの地獄と人気声優――艦船のかわいさをプレゼンする【前編】

Wargamingさんから「東京ゲームショウ2015のステージでネタを披露してほしい」と頼まれた。安請け合いしたらたいへんなことになりました。

公開日時:2015-10-26 17:00:00

●TGS2015のステージに立った理由

 こんにちは。ファミ通.comのミス・ユースケです。ファミ通.comでPCオンラインゲーム担当やってます。

 そんな僕が、東京ゲームショウ2015のWargamingブースで行われたステージイベントに出演した。ある日、Wargamingさんから「ステージに出演してもらえませんか?」と相談されたのだ。

 「いいですよ」と即答したのだが、この安請け合いが後々たいへんな事態を引き起こすことになる。

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▲人気声優のみなさんを差し置いてメインでしゃべることになるとは思わなかった。左端が僕です。


 やりきった。とにかくやりきった。ことの顛末を書き連ねておこうと思う。

●きっかけは白石稔さんに『World of Tanks』をプレゼンしたこと


 以前、“声優の白石稔さんに『World of Tanks』(以下、WoT)と戦車の魅力をプレゼンする”という内容の記事を書いた。『WoT』は『WoWs』の兄弟的な存在のオンラインゲームだ。リアルな戦車戦が楽しめる。

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▲直接的な方法以外で『WoT』をアピールするのが企画の趣旨だった。


 記事内ではプレゼン内容をネタ寄りにしている。「戦車は強い!」とか「歴史的な背景が興味深い」とか、そういうのが好きな人はすでに『WoT』に興味を持っていると思ったからだ。

 できれば戦車好き以外にも『WoT』を知ってほしい。記憶の片隅に『WoT』を引っかけたい。そんな思いから、戦車で家紋を作ったり、戦車に恋をするコツを盛り込んだりした。

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▲「あいつにあんな一面があったなんて・・・」と思わせるラブコメみたいな手法である。

 3本のプレゼンの結果、白石稔さんは『WoT』プレイヤーになった。戦車に恋をしたかどうかは分からない。
【関連記事】白石稔さんに『World of Tanks』と戦車の魅力をプレゼンしてみた

●Wargamingさんの正気を疑う


 Wargamingさんは上記のプレゼンネタを気に入ってくれたようで、これの『WoWs』版を東京ゲームショウ2015のステージでやってほしいのだという。まずは打ち合わせだ。

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▲僕の視点で『WoWs』を紹介してほしいのだそうだ。


Wargamingさん
「19、20日の一般公開日にやってほしいんですよ」

 いきなりの2DAYS宣言。当初は4DAYS、つまり毎日という案もあったそうだ。それはやりすぎだろう。

Wargamingさん
「19日は『WoWs』の日、20日が『WoT』の日になっていまして・・・」

 ということは『WoWs』と『WoT』でネタを1本ずつ作るのか。まぁ『WoT』のほうは白石さん用のネタをベースにすれば手間はかからないから、何とかなるかな。

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▲僕以外のゲストがまた豪華なんだ。


Wargamingさん
「声優さんたちにレクチャーする感じで」

 『WoWs』は“蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-”、『WoT』は“ガールズ&パンツァー”という人気アニメとコラボをしていて、声優さんやプロデューサーさんもステージに登壇するとのこと。

Wargamingさん
「時間は30~45分くらいを予定しています」

 この時点では、声優さんたちメインでアニメや『WoWs』などのトークをして、僕は10分くらいネタを披露するものだと思っていたのだが、そうではないらしい。雲行きが怪しくなってきた。

 Wargamingさんは僕のネタをメインにしたいようなのだ。正気か。そういうチャレンジ精神は別の機会に発揮してほしい。

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▲千早群像役 興津和幸さん。

▲イオナ役 渕上舞さん。

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▲ヒエイ役 M・A・Oさん。

▲プロデューサー 南健さん。


 プレゼンネタはピン芸人のフリップ芸みたいなもの。来場者のみなさんが声優さんたちによるトークやゲーム情報を期待して足を運んだら、知らない派手なおじさん(僕)がしゃべり続けている。それはきっと新ジャンルの地獄だ。

 来場者の地獄気分を軽減させるためには、声優さんたちにたくさん話を振るべきだろう。とはいえ、プレゼンネタはテンポが重要なので、ツッコミやフリートークが挟まることを想定するのは難しい。そもそも僕は司会進行が苦手なのだ。

 また、これまでの経験上、ネタ1本あたりの尺が10分を超えると間延びする。ネタの密度をキープしつつ、3倍以上の時間を持たせる必要があるのだ。それって芸人さんでも難しいんじゃないか。ごくり・・・。

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▲みなさんに助けてもらう気満々でした。


 その後の打ち合わせやメールで「声優さんたちのトークをメインにして、僕はおまけみたいな扱いがいいと思うんですけど」と誘導したのだが、思うようにいかなかった。覚悟を決めてネタ作りに入った。

●Wargamingさんとは異なる方法でアプローチしたい


 『WoT』記事みたいなネタをやってほしいというオーダーなので、『WoWs』ネタもテイストを合わせることにした。艦船が好きな人へのアピールはWargamingさんに任せ、僕はそうじゃない人へのアプローチを考える。

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▲「艦船のグラフィックがリアル」とか「戦略性が高く、対戦ゲームとしてのクオリティが高い」とか、そういう部分をメインにしないプレゼンを考える。

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▲『WoT』ではビジネスプレゼン風のネタも用意した。これは意識高い系セミナーみたいなイベントがあったら披露したい。


 艦船好きには男性が多い。女子にも艦船に興味を持ってもらえば、単純計算でファン数は倍増する。自分の感性に合うものを総じて「かわいい~」と評価する女子は多いので、“艦船=かわいい”と思わせることが肝要なのではないか。

 物事を好きになるのに明確な理由は不要だ。まずは「何となくおもしろい」、「何となくかわいい」くらいのライトな気持ちで艦船に興味を持ってもらい、『WoWs』で沼に引きずり込めればベストである。

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▲ステージでは本題に入る前にネタを見る際の心構えを解説した。自分で前説もやる。

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▲そして、ステージ前にはこれだけの人が集まった。

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▲みなさんの写真を見る限り楽しそう。

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▲ただし、僕の目はうつろ。

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▲見方を変えてもおもしろいよ、と言いたかったんです。


 プレゼンの中身は後編の記事をご覧ください。

【後編はこちら】
白石稔さんの力で地獄気分は軽減できるのか? 『WoWs』ステージリポート――艦船のかわいさをプレゼンする【後編】

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