アクティヴィジョンブースでのデモプレイリポート――“トレイアーク”所長のインタビューも【E3情報まとめその4】

公開日時:2012-06-18 00:00:00

2012年6月5日~7日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催された世界最大のゲームの見本市、E3 2012。ここでは、本イベントのリポートとしてファミ通.comにて掲載したエクストリームエッジ関連のニュースをまとめて掲載しよう。ここでは、『コール オブ デューティ ブラックオプスII』をフィーチャー。

E3のアクティヴィジョンブースでは、国内ではスクウェア・エニックスが2012年冬に発売を予定しているプレイステーション3、Xbox 360、およびPC用ソフト『コール オブ デューティ ブラックオプスII』のデモプレイが披露された。

デモプレイが実施されたのは、アクティヴィジョンブースの奥にある、限られたメディアしか入れないというシアタールームの中。ファミ通.com取材班は、今回特別にシアタールームに入ることを許可され、まだ世界で誰も見たことがないというステージを堪能することができた。

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■近未来のロサンゼルス

デモプレイは2本立てとなっており、最初は2012年6月4日のマイクロソフトカンファレンスでも公開された、ロサンゼルス・ダウンタウンのステージ。無人機と中国の軍隊に占領されたダウンタウンの中でくり広げられる激闘で来場者のド肝を抜きまくったあのステージである。


まずはゲームがスタートし、無人の飛行機がロスのフリーウェイをぶっ壊して主人公たちが徒歩での移動を余儀なくされるシーンを見て、「なんだ、MSカンファレンスで見た映像と同じか……」と、ちょっとガッカリしていたら、まさかの未公開シーンあり! その内容はと言うと、主人公たちの部隊が、ダウンタウンのメインストリートで中国軍と無人機と正面から交戦するというもの。メインストリートでは、クルマの残骸や横倒しになった電車の中を通って、敵の攻撃を避けながら進んでいくシーンが。四方八方から現れる中国軍の兵士も厄介だが、それ以上にヤバいのが敵の四足型戦車だ。サイズは軽自動車程度なので、見た目のインパクトはそれほどでもないが、とにかく固く、火力が高い! 通常のアサルトライフルの銃撃は弾かれてしまうほどで、デモでは貫通力の高い強力な弾丸で対抗していた。本作では、敵の兵士だけではなく、こうした無人兵器との戦いがキーポイントとなる模様。場面に合った装備品選びが重要になりそうだ。

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■本邦初公開のシンガポール!

そしてロサンゼルスのデモが終わると、いよいよ初公開のデモがスタート。新ステージの“シンガポール”では、主人公をリーダーとする数名の特殊部隊隊員がヘリからラペリングで降下し、コンテナが積まれた港で敵と戦う。始めは単なる新ステージ紹介だと思ってこちらもボーッと見ていたのだが、そのうちにふだんのステージとの違いに気付いてビックリ。



「もしかして、広いエリアを自由に動き回ってたりする?」



そう、じつはこのステージは『ブラックオプスII』の新要素のひとつ“ストライクフォース”というミッション。『コール オブ デューティ』と言えば、ある程度一本道な作りで、その中で映画的なゲーム体験が楽しむというのがお決まりだったが、ストライクフォースでは、エリアの中で自分なりの戦略を立てて自由に動きまわり、敵を倒していく。シリーズのファンには、感覚的に『モダン・ウォーフェア3』のスペシャルオプスのようなゲームが、キャンペーンモードでも楽しめるようになったものと言えばわかりやすいだろうか。



ただ、『モダン・ウォーフェア3』のスペシャルオプスと決定的に違う点は、主人公がハイテク兵器を駆使して敵と戦うところだ。ゲーム中はいつでも戦場の上をプカプカ漂う無人のドローンに視点を切り替えることが可能なので、フィールドの地形を即座に把握できるのがポイント。ストライクフォースでは、プレイヤーはおもにドローンで敵の位置や建物の構造を把握してから戦略を立て、兵士の操作に切り換えて敵を撃退していくことになる。さらに好きなポイントにタレットや無人の戦車などを設置したり、仲間に移動目標や攻撃目標などの指示を飛ばしたりもできるので、シューティングゲームというよりも、ちょっとしたRTSっぽいプレイが楽しめるというわけだ。デモプレイでは、歩兵が敵に足止めされたら無人の戦車に裏側から攻撃させ、敵の陣形を崩したりもしていた。ストライクフォースは、いままでのシリーズ作品には、ありそうでなかった要素。デモプレイを実演していたスタッフによると、ストライクフォースでは、ステージの目標に失敗してもそのままゲームが進行し、その結果が以降のステージの内容を変えるらしい。『ブラックオプスII』新要素のひとつである“ストーリーの分岐”のトリガーとなっているのだろうか。いずれにせよ、ストライクフォースは本作の中でかなり重要なポイントとなりそうだ。

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■トレイアークのトップのインタビュー!

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デモプレイ後、アクティヴィジョンブースで、『コール オブ デューティ ブラックオプスII』の開発を務めるゲーム開発会社“トレイアーク”の所長であるマーク・ラミア氏を直撃。インタビューができたのはわずかな時間だったが、シリーズ最新作の気になる新要素を語ってくれた。

――物語の舞台を2025年に設定した理由は?

マーク・ラミア氏(以下、マーク) 私たちは、より壮大なストーリーを語るために2025年という時代を選択しました。前作『ブラックオプス』では1970年代を描きましたが、今回は、アメリカと中国による新しい冷戦という、完全なフィクションの戦いを描くことで、誰も見たことがない、いろいろな可能性が見えてきます。“2025年の冷戦”という体験は、いままでゲームをプレイしていた人は経験したことがないでしょう? これまで私たちトレイアークが作ってきた『コール オブ デューティ』シリーズというのは、実際の歴史を振り返って、その時代に生きていたエキスパートになり、歴史に介入するというストーリーを作ってきました。しかし、今回はまったく違う戦いが描かれるのです。また、前作のファンに人気があるメイソンやウッズなどがいますよね。彼らと深い因縁がある新しい悪役のキャラクターも登場します。悪の元凶は1980年にいるのです。その人物が2025年にどうなっているのか注目してください。人形使いがを人形を使うように、悪役が戦争に火を注いでいるのです。彼はアメリカと中国、どちらの味方ではなく、どちらが勝とうと構わないと思っています。悪役はロサンゼルスにも中国にもドローンを送り込んでいるのです。プレイヤーがゲームを進め、悪役の正体を突き止めたと思っても、状況は意外性のある方向に変わっていきます。ダイナミックなうねりを見せるストーリーがおもしろいのです。



――本シリーズのマルチプレイヤーは、『モダン・ウォーフェア3』でキルストリークの仕様が変わり、大きく生まれ変わりました。『ブラックオプスII』でも同じような改革がなされるのでしょうか?



マーク マルチプレイヤーに関しては、いまのところ詳細を決めていません。現在、マルチプレイヤーの新しい可能性についてあらゆる面で検討しているところなので、E3で発表したキャンペーンのゲームシステムなどから想像して、マルチプレイヤーが同じような内容になるとは思わないでください。オンラインゲームのマルチ対戦ががゲーム市場的にどういうポジションにあるのか、そしてソーシャルの要素や、eスポーツでの盛り上がり、あらゆる面から検討中です。『コール オブ デューティ』シリーズのファンは、ハードコアの上級者から新しいプレイヤーまで非常に幅広いので、それぞれが違ったゲーム体験をするわけです。そのため、皆さんが楽しめる方法を検討しています。

――キャンペーンモードの新要素“ストライクフォース”はどんな楽しみかたができるのでしょうか?



マーク ストライクフォースはプレイヤーにとって、すごく魅力的なものになります。『コール オブ デューティ』シリーズで磨き上げたシネマティックなゲーム体験。そのいいところを残しつつ、ゲームのレールを取り外したのがストライクフォースです。このステージでは、一本道ではなく一定のエリアを自由に動き回って戦うことになります。『コール オブ デューティ』のキャンペーンのなかで、サンドボックス形式でゲームを遊べるようになるのです。広大な戦場にさまざまな武器を持って行って遊ぶことができます。その自由度の高さに加えて、。すべてオープンなところで。そこに先ほど説明したシネマティックなゲーム体験が加わるのです。E3 2012では、ロサンゼルスとシンガポールのステージをお見せしましたが、両方ともキャンペーンの1ステージですが、まったく異なる魅力を持っているのです。

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コール オブ デューティ ブラックオプスII - ファミ通エクストリームエッジ

タイトル:コール オブ デューティ ブラックオプスII
対応機種:プレイステーション3、Xbox 360、Wii U、PC
字幕版発売日:2012年11月22日発売予定
Wii U版と吹き替え版発売日:2012年12月20日発売予定
ジャンル:FPS
プレイ人数:未定
価格:7980円[税込]
(C) 2012 Activision Publishing, Inc. Activision and Call of Duty are registered trademarks and Black Ops is a trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.
※画面は開発中のものです。