暗がりに怯えた幼少期を思い出すノスタルジックな雰囲気が秀逸。夜道を探索するワクワク感が上手に表現されている。心がゾワゾワする演出が多くて刺激的ではあるものの、若干投げっぱなしのゲーム展開や、説明不足によるしらみ潰し感など、ちょっとストレスに感じる部分も。ヒントが少なくて手探り状態が続いたり、移動可能な部分とできない部分がわかりづらく、手詰まりになると少しきびしい。
週刊ファミ通1403号より
かわいいキャラとリアルな街並のグラフィックのギャップが、独特の雰囲気を醸し出している。懐中電灯を頼りに薄暗い夜道を探索するのは、肝試しのようで、かなりのドキドキ感が味わえる。危険に近づくと心臓の音が脈打つ演出も、恐怖感を倍増させてくれる。だが、アイテムの効果的な使いかたがわかるまでは、頻繁に死んでセーブポイントからやり直すことになるため、そこで好みが分かれそう。
週刊ファミ通1403号より
夜の街の不気味な雰囲気がうまく表現されていて、お化けが近づいてきたときに聞こえる鼓動の音と相まって、プレイに緊張感が出る。怖いだけでなく、子どものころを思い出させてくれるような、ノスタルジックな雰囲気を持ち合わせているのも魅力のひとつ。敵に気をつけながら、アイテムを見つけて探索範囲を広げていくというゲーム性は、いたってシンプルなため、ちょっと物足りなさを感じる部分も。
週刊ファミ通1403号より
予想だにしなかった衝撃的な展開で、恐怖のドン底へ。主人公の少女はお化けへの対抗手段がなく、ダッシュも長くは続かないというのも怖さを煽るね。かわいい絵柄で、余計にジワジワきます。それでもただ怖いだけでなく、節目に少女のやさしさが救いとなる場面もあるのがよかった。ボス戦など、突破が難しい場面もあるけれど、リトライは早い。調べるポイントの判定が小さいのはちょっともどかしい。
週刊ファミ通1403号より
良かった点
シンプルゆえに画面と音で感じる恐怖が増幅され、世界観に没頭できる。
悪かった点
キャラクターが小さすぎて表情がわかりにくい。
お地蔵さんのセーブが簡易セーブなのと、バグでフリーズしやすいのが悪い意味で恐怖を増やす。
せっかくの平行移動というシステムが活きていない。
総評
粗削りながらすごくはまれましたが、逃げるか隠れるしか出来ないので難易度は少し高めに感じました。
ただ、バグが多く、私の場合エンディング直前から画面処理や音飛びのバグが出始め、エンディングで強制終了したおかげで、再度エンディング前のセーブポイントからやり直し(1時間分ほど)心が折れかけました。
良かった点
【可愛いグラフィックでホラー】
デフォルメしたキャラが動き回る中、イベントや手に入るアイテムなどは結構おどろおどろしかったりグロいのもある。
その辺りのギャップは素晴らしく、初めからリアル系やグロい系で進めるホラーとは印象が違う。
このデフォルメと世界観だけで購入を決意したほどです★
【世界観・町並み】
空き地やシャッター商店街など、ちょっと寂しい感じのする現代和風ホラー。
田舎過ぎず、都会過ぎずの町並みの中を歩き回れるのは楽しい。
基本的に歩き回れるのは夜だけなのだが、贅沢を言えば朝とか昼、夕方での町並みももっと隅々まで見たくなる。
最終的に夜廻でホラーがやりたいわけではなく、この夜廻世界観で『ぼくのなつやすみ』がやりたい(笑)
【1夜という限られた中にある的確なクリア時間】
プレイ時間は恐らく5~6時間もあればクリアできます。
クリア後も探索要素はあるものの、クリア時間が短くてこの値段では人によっては割りに合わないかも。
ただし1夜という限られた中に、お姉ちゃんを探しに行くのに何日も消費するのはおかしいし、仮に『1夜です』という設定の中でプレイ時間が20時間も30時間も必須になったら『こんな長い一晩ねーよ!』という、全体的なゲーム雰囲気のバランスを損なうことになる。
ゲーム内雰囲気と合わせて考えればこれくらいのプレイ時間で納得できるし、尚且つ高難易度なのでプレイ感は結構頑張った感はある。
悪かった点
【プレイ中に恐怖を感じなくなった】
ゲームをプレイしている中で、お化けに触れられると即死。タイミングもシビアなものや初見殺しが多くて難易度が高い。
救済措置としてなのか、拾ったアイテムなどはゲームオーバーになっても入手済になって先に進めるようになる。
結果、例えば中断セーブポイントの地蔵から左の地点にアイテムを取りに行く。
↓
取得。次はさっきの地蔵の所の所から右の所に行きたい!
↓
戻るのめんどうだからお化けに当たって移動時間短縮だ!!
という、ドラクエのタイムアタックであるようなデスルーラ作戦をしていました。
そんなことをしているとゲームオーバーになる恐怖感も薄れ、また初見殺しも多くて『何度も死んで敵の動きを覚える』という覚えゲー化してしまったのも、この作品がホラーなのに恐怖感が薄れてしまった要因でした。
総評
グラフィックなんかは結構好きで狙いもわかってはいるのだが、結果的には期待に届かなかったと感じた作品。
コンセプトが『子供の頃に感じた夜の闇の恐怖』ということだったが、そこまでには行き着かなかった。
プレイ前の思いとしては『もう大人になって夜中でも出歩くことがあるけど、このゲームをプレイしたらもう夜中に外に出れなくなるかもしれない!?』という風にハードルを上げてしまいましたが、実生活に影響を及ぼすような何かは残りませんでした。
ホラー要素で言えば、開始して最初の操作チュートリアルが一番驚いて、それを上回る驚きは本編の中にはなかったのも残念。
ちなみにその最初の操作チュートリアルでは、リアルに『うわぁっ!』を声をあげてしまいました(笑)
悪い部分の要因を挙げましたが、同じような即死系のゲームでもPS3のRainの方が恐怖感はありました。
あちらは雨に当たると主人公の姿が映る=怪物にも姿を認識させられるという側面のおかげで、『え。今見えてる?見えてんの!?いや。OKだセーフ~……』とか『こ、ここに隠れたけど……大丈夫だよね?バレないよね??』という緊張と緩和が絶妙ななポイントで調整されてました。
夜廻の方は『あー。敵いるね。じゃあ避けるか。逃げ切れるかどうかはタイミング次第だなぁ』『あ、死んだ。はいはい。こっちの道は敵が出て通れないのね。じゃあ違うところいきますか』など、常に緊張状態=もう邪魔くさいのばっかで疲れたわ、という呆れるような物に繋がりました。
いっそ即死系ではなく、HP系にしてお化けの攻撃でジワジワHPが減っていくのを逃げ延びながら、HP回復アイテムなどで回復ありーのにして進む方向か。
あるいはもっとお化けを少なくして、雰囲気の良さと広大な1マップを使って自由な探索要素を強めるような、moonみたいな作りの方向に特化させた方が面白かったんじゃないか。
タイトルに記名した通りで、全体的な雰囲気は良いのだが、ホラー感が薄れてしまって微妙な出来になってしまった作品でした。