ファミ通.com

ゾンビと戯れる夏。ひと味違う避暑地、魅惑のパラナイ島へようこそ!

 前作である『デッドアイランド』を知らないみなさんに、どんなお話なのかを軽く説明いたしましょう。舞台は南国の高級リゾート地、バノイ諸島。水着のお姉ちゃんや、お金持ちのセレブたちが集う、まさに楽園だったのですが、突如、謎のウイルス性感染症が発生し、瞬く間に観光客や住民たちが死にかけのゾンビに変貌! 島全体がゾンビたちの駆け回る、まさに“死の島”になってしまったのです。こんな絶望的なパンデミックの中、感染症に耐性を持っている4人の主人公の中からひとりを選び、ゾンビと死闘をくり広げながら島からの脱出を目指す……と、前作のストーリーはこんな感じです。

 最新作である『リップタイド』は、前作のエンディング直後、バノイを軍船で脱出したところから始まります。悪夢の島を脱出し、ほっと安堵の息をもらしたのもつかの間。運悪くモンスーンの影響で荒れ狂う波“リップタイド”に遭遇し、再びバノイ諸島の島のひとつ、ヨーロッパ風の高級別荘地が立ち並ぶパラナイ島へ流れ着いてしまうのです。軍船は完全に座礁し、再出港は不可能。さらにパラナイ島にもパンデミックが起きており、モンスーンの影響で町の一部が水没! 新種のゾンビまで出現しちゃって、前作以上の困難な状況の中、またもや生死を賭けた脱出劇が始まるのでした!!

↑荒波に流され、軍船は近隣の島、パラナイ島へ。風景は美しいのですが!?

↑町や村は嵐の影響で浸水が激しく、村全体が水没してしまっている地域も。浮いているように見える死体もゾンビである可能性があるので注意!

爽快感溢れるアクションも進化! 新キャラのジョンの能力は!?

 本作の魅力のひとつである多種多様なゾンビとの戦闘。それを彩るキャラクターたちの個性的なアクションも進化しています。刃物のエキスパートであるシアン、投擲が得意なローガン、銃火器の扱いが得意なプルナ、鈍器を振り回すサム・Bに加え、オーストラリア国防軍の兵士、ジョン・モーガンが新たに参入。どのキャラも前作のスキルツリーを踏襲しつつ、突進系のスキルやグループフューリー系(マルチプレイ用)のスキルが加えられています。

 さて、気になる新規キャラのジョンですが、兵士ということなので銃火器が得意? と、思いきや、格闘技を得意とした完全近接ガチ殴り野郎でした(笑)。特筆すべきは、攻撃力の低さが弱点のナックル系の武器が神がかり的な威力になる“アッパーカット”のスキル。その名の通り威力の高いアッパーカットを放つのですが、これが超便利! 高威力なうえに強力なノックバック&ノックダウン&吹き飛ばしの効果があり、吹き飛ばしで壁などに激突させると追加のダメージも期待できます。リーチが短い格闘系武器が苦手とする、ノックバックしにくいゾンビ“サグ”を高確率で怯ませることができるので、アッパーカット+バックステップで完封することも可能。ザコ戦でもインフェクテッドの突進に合わせれば一撃で葬れたり、ノックダウンした敵への素早いトドメにと、かなり使い勝手のいいスキルになっています。

 もうひとつ注目したいのが、サバイバルのツリーにある“ドラキュラ”。クリティカルヒット時に自動的に体力を回復するというスキルなのですが、コンバットのツリーに複数存在するクリティカル発生率アップ系スキルを同時に上げていくと、とんでもない回復力を実現!! 高レベルになってクリティカル率が最高値に近くなれば、ゾンビの群れだろうが、攻撃力の高いブッチャーやフローターだろうが、頻繁に回復しながらガチ殴りをすることができます。サグやブッチャーといった巨漢ゾンビと正面から殴り合う様はドン・フライVS高山善廣戦の殴り合いを彷彿とさせること間違いなし(笑)。また、どんな系統の武器を装備していても使えるキックは格闘扱いなので、倒れたゾンビを蹴っているだけでも体力をグングン回復させることができます(倒れた敵には100%クリティカルが発生するため)。

 これだけ書くと無敵のようにも見えますが、ドラキュラとクリティカルを両立させるには相当なレベルが必要になります。格闘が極まるまでは、ほかの武器も使いこなしていくことをオススメします。また、もうひとつ気がかりな点は、格闘系武器は耐久度の消耗が激しいため、修理費でどんどんお金がなくなっていくこと(笑)。調子に乗ってサグ相手にドン・フライごっこをしていると、修理費で赤字なんてこともよくあります! とはいえ多人数が相手の格闘の爽快感は格別なので、耐久度に気を付けつつ、ぜひ一度お試しあれ。

↑きれいに弧を描く車○正美風なアッパーカット。腕折りも頻繁に発生するため、サグキラーとして最適です。好きな必殺技名を叫ぶとなおよし。

↑ドラキュラのスキルは寝ているゾンビをキックするだけで体力を回復できます。回復が終わるまではトドメとなる頭を狙わないように!

トレハン大好き! 新武器&改造・設計図も多数追加!

 さてさて、本シリーズのもうひとつの魅力である強力な武器集め&改造も、もちろん強化されております。新規のカテゴリーの武器は、自分が確認できただけでもチャイニーズ・ソードや各種の地雷などなど、かなりの量を発見することができました。とくに銃火器は数がかなり多く、クギを撃ち出すネイルガン、着弾すると敵が燃えるフレアガン、電撃を与えるテーザーガン、強力なスパイクを発射し回収も可能なハープーンなど、かなり多彩。なかでもハープーンは弾を回収できるので、節約好きには超オススメ。威力も高いので近づくと自爆するスーサイダーをあしらうのに最適。銃火器の扱いが得意なプルナなら最大限に活用できそうです。

 改造・設計図も新規のものが増え、とくにサンダーストームやリキッドファイアなどの“範囲攻撃”を武器に与えるものがド派手で高威力。敵に電撃や炎のエフェクトを与えて、さらにそのエフェクトが周りのゾンビにもダメージを与えるという乱戦に強いタイプの改造です。ただし、うかつに近寄ると自分もダメージを食らうので注意が必要ですが(笑)。これらの設計図は各地に隠されているので、マップの隅々まで探索してみたくなりますな。

↑ハープーンを使えば厄介者のスーサイダーをひと捻り。弾も回収できるので経済的です。エコが気になる奥様にもよさそうですね(※個人の感想です)。

↑カタナをサンダーストームに改造して使ってみるとこんな感じ。バリバリビリビリブシャー、ブシュー、スポーン! と、なんだかタイヘンなことに(笑)。

強化されたのは自分たちだけではない! 新種のゾンビも参戦!!

 これまでは味方側の強化について語ってきましたが、敵側のゾンビたちも超元気。なんだかパラナイ島のゾンビたちは、とある理由で新種が多数出現しており超厄介なのです。見たこともない攻撃方法を披露してくれるので初見はあっさりブチのめされることに……超くやしい! 超撫で斬りにしてやりたい!! そんな新しいお友だち(?)を紹介します。

【ドラウナー】

 川や水没地域に出現するインフェクテッドに似たゾンビ。普段は水死体のフリをしており、ゾンビのくせに知能犯。水場は足が遅くなるのですがドラウナーは適用外らしく、おかまいなしの全力疾走であっという間に囲まれてしまいます。複数出現したら注意したいですね。死体だけに。……えー、水死体を見たら先制攻撃をするか、ボートで加速突撃をしてしまうといいですよ。

←浮いている死体には要注意。ドラウナーかどうか確認するため攻撃するか、密集地帯に爆発物を投げ込むのがオススメ。

→ボートにしがみついて乗り込んでくることも! タイミングを合わせて攻撃するか、加速コマンドで振り落とせ!!

【グレネーダー】

 見た目はハズマットスーツを着込んだ研究員だが、お腹の肉をブン投げてくるダイエット志向の強い(?)ゾンビ。この投げられたお肉は爆発するうえに毒性もあるという危険な代物。気付かないうちにダメージを食らっているな〜と思ったら、遠くにグレネーダーがいることが多いです。背中のタンクを攻撃すると爆発するので、ぜひ狙っていこう。

→遠距離からダメージを与えてくる小憎らしいゾンビ。耐久力もかなりあるので、背中のタンクを狙うべし。

←接近戦を仕掛けるとサグばりに殴り掛かってくる。正面からは挑まずに、回り込みながら攻撃するのがオススメ。

【レスラー】

 ゲーム中盤の舞台、水没した別荘街ヘンダーソンに出没するゾンビ。恐ろしくタフで、ノックダウンを受け付けない! 動き自体は遅いので、後ろに回って攻撃をするのが有効です。ただし、右腕を振り下ろすストンプ攻撃の衝撃波は後ろまで届くことがあるので、腕を上げたら離れるようにしましょう。爆発物のダメージはよく通るので、苦戦したら迷わず使用!

←接近戦を挑むときは周りのゾンビにも注意したいですね。攻撃に夢中になると後ろから襲われちゃいますよ!

→爆発物が弱点らしく、グレネード、デオボムがよく効きます。また、真っ直ぐプレイヤーに向かってくるため、新武器の地雷もかなり有効。いわゆる脳筋というやつですな(笑)。

【スクリーマー】

 レスラーと同じくヘンダーソンによく出現する特殊なゾンビ。ときおり放つ広い範囲に効果がある“絶叫”は、ダメージこそありませんが数秒間プレイヤーの動きを封じてしまいます。攻撃はおろか、回復行動なども不可能なので、ひたすら逃げるハメに。幸い体力は低いので、怯ませる攻撃や高威力の武器で一気にカタをつけてしまおう。

→じつは今回のプレイでいちばん苦戦した相手。決定的な弱点を見つけることができず……。サグのように特徴的な叫び声をつねに出しているので、聞こえたら警戒&奇襲の準備を。

←絶叫だけのゾンビかと思いきや、突進してきての殴りも痛い。これがけこうキツかったです。絶叫からの殴りコンボで倒されること十数回……。

【???】

 パラナイ島の各地には、まだ新種のゾンビが……。インフェクテッドをサグ並みにタフにしたゾンビや、名前付きレアゾンビなども出現。これらは後述するハブディフェンスや、“デッドゾーン”などに出現します。自分の目で確認してみよう!

↑ハブディフェンス中に強敵ゾンビが出現! 異常にタフだったり、攻撃が強力だったりと、かなり手強い相手。

↑とあるデッドゾーン内で出会ったゾンビ。そう、名前が付いたネームドのゾンビなのだ! 高確率でいい武器を落とすので捜してチャレンジしよう!!

力を合わせてサバイバル! 新システム“ハブディフェンス”

 注目されていた新システム、“ハブディフェンス”。簡単に説明すると、拠点を襲うゾンビをチームメンバーで撃退する、イベント戦闘のことです。ハブディフェンスはメインのストーリーが進むことで発生し、さまざまな場所やシチュエーションで戦うことになります。チームのメンバーはパラナイ島の難民たちで、チームクエストによってメンバーの装備を強化することも可能。ハブディフェンス中は尋常じゃない数のゾンビがなだれ込んでくるので、チームの強化は優先的にしておくと安心ですよ。もちろん、自分の強化も忘れずに!

↑燃えさかる拠点を守る場面も。拠点はつぎつぎと変わり、毎回新鮮な戦いを楽しむことができます。

↑拠点の防御の要はフェンス。破壊されても張り直せるので、ゾンビの侵攻が弱まったときに張っておこう。また、とあるクエストをクリアーすると電流を流すこともできます。

↑任意の場所に設置できるガトリングガンなども登場。ゾンビの群れにブッ放すと爽快! ただし、夢中になっていると後ろから……?

↑ゾンビの侵攻を阻むには地雷が有効。フェンスの前後や狭い通路などに仕掛けると、ゾンビをまとめて吹き飛ばしてくれる。

ここもあそこも怪しいところだらけ! “デッドゾーン”ってナニ!?

 パラナイ島は本来、神秘的な大自然が広がる高級別荘地。たまにはゾンビを忘れて美しい風景や旧日本軍の遺跡などを散策するのも、また変わった楽しみとして味わうことができます。もちろん、ゾンビたちはプレイヤーのお肉を狙うことを忘れたりはしないので、きっちり装備を調えてから探索に向かうことをオススメしますが(笑)。

 各地を探索していると頻繁に洞窟や廃屋などを見つけることができます。これらは“デッドゾーン”と呼ばれ、中には凶悪なゾンビたちがギッシリ詰まっているという恐ろしい場所なんですな。彦○呂風に言うと「パンデミックの宝石箱やぁ〜」的な。……まあ、それはさておき、デッドゾーンには名前付きのゾンビがいることがあり、このゾンビからはレアな武器を手に入れられることが多いのです。また、メニューにある“CASEBOOK”に記載されるので、コレクター的な要素にもなっています。CASEBOOKの記述では弱点や特殊な能力も記載され、生前の話なども読むことができるので、たまには強敵に想いをはせるのも一興かと。彦麻○風に言うと……やっぱやめます。

↑パラナイ島のビーチ付近の風景。ゾンビがいなければ格別のリゾート。ああ、実際にこんな場所でくつろぎたい。ゾンビ抜きで。

↑デッドゾーンは洞窟や廃屋、一見ただの民家など、さまざまなタイプが存在。マップと睨めっこして、しらみつぶしに突撃!

●ゾンビはなぜ生み出されたのか? 楽園の真実に迫れ!!

 さてさて、長々とプレイリポートを書いてしまいましたが、レベル57まで上げても、まだまだ探索する場所がいっぱい! デッドゾーンはヘンダーソンの街の分が、まるまる残っているほどです。書ききれないほど気になる場所があるのですが、残りは皆さんの手でプレイして味わってください! ひと夏の思い出作りに、パラナイ島への片道切符を手にしてはいかがでしょうか。

■著者紹介:山本ペンキ

夏の日差しにめっきり弱くなった、おっさんフリーライター。おかしいなぁ? 昔はこんなんでは……お腹も出てきたし(笑)。パラナイ島の元気なゾンビっ子たちを見習ってビーチをおもいっきり走り回ってみるかな!

(C) Copyright 2013 and Published by Deep Silver, a division of Koch Media GmbH, Gewerbegebiet 1, 6604 Hofen, Austria. Developed 2013, Techland Sp. z o.o., Poland. All rights reserved. Chrome Engine(C) Copyright 2013, Techland Sp. z o.o.