男は仮面を被り、栄光を捨てて暗殺者となる

 混沌が渦巻く時代。金や権力を持つ一部の人間のためだけに、世界は存在していた。暴虐と背徳、裏切りの嵐が街に吹き荒れている。
 本作の舞台となるのは、そんな世界の片隅にある“ダンウォール”本作の舞台となる都市。“ジ・アイルズ”と呼ばれる諸島の中で最大のグリストル島にあり、政府が置かれている。女王殺害により混乱が続き、ネズミの媒介による疫病も蔓延。市街は深刻な状況に陥っている。の街だ。主人公のコルヴォコルヴォ・アッターノ。本作の主人公。女王暗殺の濡れ衣を着せられ、極刑を宣告されるも、牢獄から脱出することに成功。謎の存在“アウトサイダー”により超常能力を与えられ、仮面の暗殺者となる。は、女王ジェサミン・コールドウィン女王。周辺諸国との関係維持に努めるべく、信頼の置ける護衛コルヴォを派遣していたが、彼が帰国し状況報告を受けているその時、陰謀により殺害されてしまう。のボディーガードを務める、職務に忠実な男だった。しかし、平穏な日々の終わりは、突如訪れる。ある日、彼の目前で女王が暗殺されてしまったのだ。
 コルヴォコルヴォ・アッターノ。本作の主人公。女王暗殺の濡れ衣を着せられ、極刑を宣告されるも、牢獄から脱出することに成功。謎の存在“アウトサイダー”により超常能力を与えられ、仮面の暗殺者となる。は暗殺犯として拘束され、極刑を課せられる。何者かの手助けによって牢獄から逃げ出したものの、彼は指名手配犯として命を狙われる立場になってしまった。謎の存在“アウトサイダー”この世界から超越した謎の存在。コルヴォの前に出現し、彼に人智を超えた超常能力を与えた元凶だが、その目論見が何なのかは不明。危機的状況にある人々の前に突如現れ、超常能力を与えていくという。により超常能力アウトサイダーによってもたらされる超人的な力。時を止めたり、動物はおろか人間にまで憑依したり、敵の位置と視界を透視したり、砲弾をもはね返す疾風を放ったりと、さまざまな能力がある。を手に入れ、彼はみずからの顔を隠し、過去と感情を封印するべく“仮面”過去を捨て去り復讐に燃える暗殺者となったコルヴォが身に着けている仮面。もちろん、ただ顔を隠しているのでなく、暗殺を助ける強力な能力も有しているようだ……。を身につけた……。

▲闇に息を潜め、守衛をやり過ごす。闇はコルヴォの味方をしてくれる。油断は大敵だが、焦りは禁物だ。

闇とともに深く潜入せよ

 コルヴォの目的は、ミッションごとに設定された標的の元に辿り着き、暗殺を遂行すること。だが、多くの護衛の目をくぐり抜けて標的の元へと辿り着くのは容易なことではない。暗闇に身を隠して潜入するために、コルヴォコルヴォ・アッターノ。本作の主人公。女王暗殺の濡れ衣を着せられ、極刑を宣告されるも、牢獄から脱出することに成功。謎の存在“アウトサイダー”により超常能力を与えられ、仮面の暗殺者となる。にはさまざまなアクションが用意されている。
 たとえばリーン動作上体を曲げる、体を乗り出すといった意味の“Lean”という英単語から来ている。FPS(一人称視点シューティング)などで採用されていることが多い。。これは物陰から上半身を傾けてこっそり乗り出し、先の状況を覗く動作だ。曲がり角から先の通路の様子を確認したりするのに役立つだろう。そのほか、鍵穴から部屋の様子を覗いたり、不用意な護衛の背後からこっそり鍵を拝借するといったアクションも可能となっている。
 こういった基礎アクションをきちんと習得した上で、超常能力アウトサイダーによってもたらされる超人的な力。時を止めたり、動物はおろか人間にまで憑依したり、敵の位置と視界を透視したり、砲弾をもはね返す疾風を放ったりと、さまざまな能力がある。とガジェットの使い方をマスターすれば、いかなる厳重な砦も自分の庭のように出入りする至高の暗殺者となれるだろう。

超常能力とガジェットで生まれる新たな暗殺アクション

 暗殺ゲームやスニーキングアクションは数あれど、本作の体験は一際ユニークなものだ。たとえば一人称アクションであることひとつを取ってもそう。本質的に“隠れるゲーム”には周囲を確認できる三人称視点の方が向いている。隠れているつもりでも、「頭隠して尻隠さず」な事態になってしまうようでは台無しだ。
 だが、一人称視点はプレイへの没入感を高める。これは悩ましい問題だ。可能ならば没入感を高めたいが、ゲームとして不便になってしまうのは避けたい。そこで本作では、コルヴォコルヴォ・アッターノ。本作の主人公。女王暗殺の濡れ衣を着せられ、極刑を宣告されるも、牢獄から脱出することに成功。謎の存在“アウトサイダー”により超常能力を与えられ、仮面の暗殺者となる。を超人的な暗殺者にすることで、この壁を乗り越えようと挑戦している。

 本作の超常能力アウトサイダーによってもたらされる超人的な力。時を止めたり、動物はおろか人間にまで憑依したり、敵の位置と視界を透視したり、砲弾をもはね返す疾風を放ったりと、さまざまな能力がある。やガジェットは、そういったほかのゲームとの“違い”を出す上で非常に重要な要素だ。普通ありえないような超人的な戦術を可能にすることで、攻略方法がより幅広く刺激的になり、プレイを積極的なものへと活性化する。もちろん、そうそう意に反して発見されることのないよう、画面上に“現在どれだけ隠れられているか”も表示されるのだが、たとえ発見されてしまっても、反則級のパワーで事態を解決できてしまえばいいのだ。視野が限定されていることによる不安感も、要は不便じゃなければ新たなスパイスになる。

 例えば敵の巡回具合を把握したいなら“Dark Vision(ダークビジョン)”という能力を使えば一発でまるわかり。誰がどこにいて、どういう視野を持っているかが透視できる。敵の注意をひかずにササッと高所や少し離れたところに移動したいなら“Blink(ブリンク)”だ。この能力は短距離の瞬間移動を可能にする。姿を見られずに移動するという意味では、“Possession(ポゼッション)”もいい。動物や人間に憑依できるので、普通なら通れないような場所にも行けるだろう。

 組み合わせることでさらに可能性は広がる。時間を遅くしたり止めたりする“Time Bend(タイムベンド)”を使いつつ、クロスボウを複数の敵に発射すれば、時間が元に戻るとともにすべての標的を一瞬のうちに葬り去るだろう。
 あとはお好きなように。煙爆弾で煙幕を張ってからBlinkしたいこともあるだろうし、床などに設置し、近づいたものを切り刻むトラップアイテム“Spring Razor(スプリング・レーザー)”で殺した相手を“Devouring Swarm(デボアリング・スワーム)”という能力でネズミを呼び出して跡形も残らないよう片付けてしまうといったこともできる。

 プレイヤーがコルヴォコルヴォ・アッターノ。本作の主人公。女王暗殺の濡れ衣を着せられ、極刑を宣告されるも、牢獄から脱出することに成功。謎の存在“アウトサイダー”により超常能力を与えられ、仮面の暗殺者となる。となって降り立つ街ダンウォールは、こういったプレイヤーの発想を思うがままに活かせる構造が入念に用意された、いい“遊び場”となっている。ダンウォール本作の舞台となる都市。“ジ・アイルズ”と呼ばれる諸島の中で最大のグリストル島にあり、政府が置かれている。女王殺害により混乱が続き、ネズミの媒介による疫病も蔓延。市街は深刻な状況に陥っている。については、次項をご覧頂きたい。

>>スチームパンク風都市“ダンウォール”を巡る