PS2だから実現できた花火の煌めき

 いまから24年前の2000年(平成12年)3月9日は、プレイステーション2(PS2)用『ファンタビジョン』が発売された日。

 『ファンタビジョン』は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)から発売されたパズルゲーム。打ち上げ花火をテーマにした作品で、題材の珍しさやポリゴンで再現された花火の美しさが当時話題を呼んでいた。

 最新作である『ファンタビジョン 202X』が昨年(2023年)プレイステーション5(プレイステーション VR2対応)やPC(Steam)向けに発売されたばかりなので知っている人も多いことだろう。

 本作がすごかったのは、花火の粒子(パーティクル)のひとつひとつまでポリゴンで再現されていたところ。説明されないと「キレイだなー」くらいしか思わないかもしれないが、それぞれの粒子が物理演算されて画面上に表示されていることもあってPS2のスペックだからこそ実現できた作品だった。

 数百個もの色とりどりな粒子が一斉に弾け飛ぶ光景は圧巻の出来栄え。夜空に煌めく多彩な花火の美しさに息を呑んだプレイヤーは多かったんじゃないだろうか。リプレイ画面では視点を動かしての鑑賞も可能。花火は現実同様に球状になっているため、どんな角度から見てもしっかりと鑑賞ができたのは、なかなかできない体験だったんじゃないかな。ちなみに初代プレイステーション(PS)で再現したとしても粒子を数粒程度しか同時に表示できなかったらしい。

『ファンタビジョン』が発売された日。物理演算で打ち上げ花火の粒子を再現した圧倒的な美しさが話題となった変わり種パズルゲーム【今日は何の日?】

 ゲームのルールは、打ち上げられる花火玉の中から同じ色を3つ以上“キャッチ”(捕捉)して“フラッシュ”(爆発)させていくというもの。プレイヤーはまずスティックを操作し、円形のマーカーから伸びているガイドラインを花火玉に合わせてキャッチを行う。続けて赤、青、緑の3色ある中から同じ色の花火玉を選んで再びキャッチしていく。

 3つ以上キャッチすれば花火玉を爆発させるフラッシュが可能となり、飛び散った花火の粒子が同じ色の花火玉に接触すると連鎖的に誘爆する。この一連のアクションをくり返すと、自然とキレイな花火が夜空に咲き乱れるというわけだ。

 どの色の代わりにもなる“ワイルド”の花火玉もあり、これを織り交ぜれば緑緑ワイルド赤赤赤のように大量の花火玉をキャッチでき、全部まとめてフラッシュさせられるのが気持ちよかった。これは“デイジーチェイン”と呼ばれるテクニックなのだが、慣れるまでなかなか難しい。

 また、まれに出現する“スターアイテム”を集めて“STARMINE”の単語を作り上げれば、同じ色の花火玉がつぎつぎと打ち上がる“スターマイン状態”となって大量のスコアを獲得できるチャンス。現実のスターマイン同様に連射連発で花火が夜空を彩る様子がじつにすばらしかった。

 2002年7月4日にはふたりでの対戦モードを追加し、お手ごろ価格となった『ふたりのファンタビジョン』が発売された。その後は携帯電話向けアプリとして移植されたほかにシリーズの動きはなかったのだが、前述した通り2023年2月22日にプレイステーション VR2のローンチに合わせてシリーズ最新作『ファンタビジョン 202X』が登場。

『ファンタビジョン』が発売された日。物理演算で打ち上げ花火の粒子を再現した圧倒的な美しさが話題となった変わり種パズルゲーム【今日は何の日?】
『ふたりのファンタビジョン』
『ファンタビジョン』が発売された日。物理演算で打ち上げ花火の粒子を再現した圧倒的な美しさが話題となった変わり種パズルゲーム【今日は何の日?】
『ファンタビジョン202X』

 花火や夜景の美しさは驚くほどにパワーアップしており、PS VR2での没入感も半端ではない。いま『ファンタビジョン』で遊ぶなら本作で間違いないだろう。

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