2024年1月10日よりシーズン2が放送中の『ゲームゲノム』。テレビゲームを“文化”として捉え、古今東西の名作の魅力を深掘りするNHK初のゲーム教養番組だ。

 2月21日放送の第7回では、スクウェア・エニックスより発売中の『ニーア オートマタ』が特集される。“番組史上最大のネタバレ要注意”と予告されており、“罪と罰”をキーワードに同作の特徴である周回プレイ要素やストーリー、とあるエンディングの仕掛けについても紹介。それらについて、MCの三浦大知さんに加えて、同作で2Bを演じる声優の石川由依さん、ディレクターのヨコオタロウ氏、シニアゲームデザイナーの田浦貴久氏が熱いトークをくり広げる。

 本記事では、そんな番組収録を終えた直後の石川さん、ヨコオ氏、田浦氏を直撃。今回の収録で「発見があった」と『ゲームゲノム』の魅力などを語る石川さんと田浦氏に対して、ヨコオ節全開の受け答えをするヨコオ氏による3人のインタビューは必見!

 なお、インタビューの後には番組スタッフのこだわりが詰まったスタジオセットの写真も掲載しているので、実際に放送される番組ともどもぜひチェックしてほしい。

※スタジオセットなどのこだわりについては以下の記事をチェック。

ヨコオタロウ氏、田浦貴久氏、石川由依さんにインタビュー

ヨコオタロウ

ディレクター

田浦貴久

プラチナゲームズ/シニア・ゲームデザイナー

石川由依

2B役・ 声優

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写真左から田浦貴久氏、石川由依さん、ヨコオタロウ氏。

――収録を終えての感想をお聞かせください。

ヨコオテレビに映ると、ふつうの人はふつうの画になるんじゃないかなと思ってたんですけど、田浦さんがひたすらイケメンに映っていました。

田浦信じられないくらい緊張しました。でも、発売から7年も経つのに、こうして取り扱っていただけてうれしいですね。それもこれも、プレイしていただいた方々やメディアの方々に支えてもらったおかげです。そんな感謝の気持ちを抱きながら、収録に臨みました。

――さすが、コメントもイケメン……。石川さんはいかがですか?

石川『ゲームゲノム』を作っているスタッフさんのゲームに対する愛がすごく深くて、打ち合わせも、皆さん『ニーア オートマタ』を遊んでくださったうえで、いろいろとお話ししてくださるので、“罪と罰”という重いテーマで、最初は「そんな話できないよ……」と尻込みをしていたんですけど、いろいろと導いてくださって。ゲストのひとりが私でいいんだろうかと思いつつ、収録では私の知らない裏話なども聞けて、ただのファン代表みたいな感じで楽しい収録でした(笑)。

――NHKの番組で『ニーア オートマタ』が取り上げられた、という点に関しての感想は?

ヨコオ何とかふざけたいと思ったんですけど、ふざけると蒸発しそうな空気を感じました。でも、三浦さんのMCがお上手で、話がしやすかったです。ただ、出ちゃいけない場所に出てきた感がすごくて。人生も終わりに差し掛かっているので、いい経験として味わわせてもらいました。

石川あまり深く考えずに、もちろんゲームとしてただ楽しいという気持ちでもプレイできますが、「こういう視点があるんだ」という発見はありました。7年経って新しい気持ちも芽生えたりして……。新しい機会をいただけたような気がしました。

――作り手のおふたりは、新しい気持ちや改めての発見などはありましたか?

田浦NHKの番組に映っていいゲームだったんだと改めて思いました(笑)。

ヨコオまだ放送されるまでわからないよ?

田浦個人的には、「ここはこうだったんじゃないですか?」と聞かれても、とくにそんな意図はなかったりするんです。でも、言われてみればそうだな、と気づかされることもありましたね。

ヨコオ今回、収録の前に考えていたんですけど、ある地域で戦争が勃発して、状況も悪化しています。そういう世界のひどい情勢をテレビなどで見るにつけ、「人間は本当にダメなんじゃないか」と、すごく絶望するんです。ゲームでいい未来につながる可能性が何かないかと考えるんですけど、それはもう僕にはわからなくて。ただ、新しい世代、田浦さんとかの世代が、そういう問題を解決してくれるといいなと、痛切に思いますね。

――『ニーア オートマタ』も不毛な争いについての絶望とそこから生まれる希望を描いていますし、“罪と罰”という今回のテーマはいろいろ考えさせられますね。では、最後に『ゲームゲノム』はどんなところが魅力の番組だと思いますか?

田浦原作者すらもわからなかったような再発見がある番組というのが魅力のひとつだと思います。『ニーア オートマタ』についても、これまでプレイされた方でも楽しめる内容になっていますし、ネタバレも含んでいますけど放送されたネタバレがすべてではないので、プレイされたことがない人は実際に手に取ってもらえたらうれしいですね。

石川『ニーア オートマタ』について、ここまでガッツリと真面目にお話しする機会はいままであまりなかったかなと思います。きっと、ちょっと遊んでみたくなったりとか、いままで何度も遊んでるけど、またちょっと、番組での話を踏まえて遊びたいなと思ってくださる方がいるんじゃないかなという気がしているので、まずはぜひご覧いただけたらなと思っています。

ヨコオ収録の直前に田浦さんが画面に映っていて、「すごいイケメンに映ってるよ」と言ったら、後ろからメイクさんが半ギレで「元がいいからね!」って言ってたのがいちばん印象に残ってます。ありがとうございました!

※見逃し配信があります。配信期限は『ゲームゲノム』公式サイトなどで確認してください。

「NHKさん、ついにやってしまったな……と」(齊藤陽介プロデューサー)

 『ニーア オートマタ』プロデューサーの齊藤陽介氏はスタジオから収録を見守った。「ヨコオさんもNHK番組だと、真っ当な人間になるんだなと感じました(笑)。『ゲームゲノム』はゲームの“教養”番組ということですが、その番組で『ニーア オートマタ』が扱われることに狂気を感じますね。NHKさん、ついにやってしまったな……と」

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齊藤陽介プロデューサー(写真左)の横には、『風ノ旅ビト』の回の収録を終えたばかりの結さん(写真中央。『ニーア オートマタ』もお好き)も見学。

イクラ弾幕の映像も! 番組スタッフこだわりのスタジオセットを紹介

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『ニーア オートマタ』の雰囲気にピッタリな歯車などのアート。よく見ると、アルファベットで「GAME GENOME」になっている。
【ゲームゲノム】『ニーア オートマタ』特集回は原作者すらもわからなかったような再発見があった!? 収録後の石川由依さん、ヨコオタロウ氏、田浦貴久氏にインタビュー
こちらはカタカナバージョン。
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収録中のヨコオタロウ氏。後ろのモニターには、『ニーア』シリーズでおなじみのイクラ弾幕の映像も。