千葉県・幕張メッセで9月21日~24日の期間に開催されている東京ゲームショウ2023(TGS2023)。そこで『荒野行動』や『IdentityV 第五人格』などの開発・運営を手掛けるNetEase Gamesがメディア向けの発表会を実施した。

 この記事では、2022年よりNetEase Gamesに加わったフランスのゲーム開発・パブリッシャー“Quantic Dream(クアンティック・ドリーム)”の新パブリッシングレーベル“Spotlight by Quantic Dream”のタイトルについてお届けしていく。

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“Spotlight by Quantic Dream”のおかげでセルフパブリッシングが可能に

 発表会のステージに登壇したのは共同代表取締役CEO兼出版部門長のギョーム・ド・フォンドーミエール氏。2022年にNetEase Gamesに加わったクアンティック・ドリームは“Spotlight by Quantic Dream”を立ち上げ、セルフパブリッシングができるようになったという。

 これによって、いままで出してきたタイトルをPC向けに発売することも可能になった。自分たちの作品だけでなく、さまざまなインディースタジオのタイトルを出していきたいとコメント。

 25年以上にわたる開発経験を持つクアンティック・ドリームの知識やノウハウなどを共有し、新たなコンセプトを持つインディースタジオを積極的にサポートしていくそうだ。

『デトロイト ビカム ヒューマン』などのQuantic Dreamによる新レーベルでは独自の世界観や新たなゲーム体験が楽しめるタイトルを提供【TGS2023】
ギョーム・ド・フォンドーミエール氏。

現実へのメッセージもこめられた『Under The Waves』

 『Under The Waves』は、悲しみを飲み込む力についての物語が展開されるアドベンチャーゲーム。1970年代のテクノフューチャーな北海の深海を舞台に、プロのダイバーであるスタンが、人生を変えるほどの喪失感を乗り越え、新たな未来を受け入れようと奮闘していく。

 人間の持つ悲しみというテーマが展開する作品。実際にプレイしたユーザーからも感動した声が多く届いたという。開発の段階からParallel Studioは尖ったグラフィックでモノづくりをしようとしていたようで、そこに関するさまざまな課題解決の支援をしていったという。

 海洋汚染に対する考えなど、現実に対するメッセージも含まれた作品。実際に外部の専門家を招いて開発を進め、プレイヤーにも正しい知識を伝える取り組みをしたそうだ。

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独自の世界観に惚れ込んだ『Lysfanga : The Time shift Warrior』

 少数のチームで作成されているという『Lysfanga : The Time shift Warrior
は、ハクスラ系のタイトルだ。もともとは卒業制作のプロジェクトとしてスタートしたもので、わずか5人のチームで開発していたとのこと。

 独自の世界観や自分の分身を使ったユニークなシステムなどがほかのハクスラとは違い、その部分が気に入ったこともあり、パブリッシングすることに決めたという。

 現状はまだ開発段階ではあるものの、2024年初頭には発売予定。

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ベテランが作る新たなゲームメカニックがある『Dustborn』

 『Dustborn』は、希望、愛、友情、ロボット、そして言葉の力をテーマにした、サードパーソン、シングルプレイヤー、ストーリードリブン、ロードトリップアクションアドベンチャー。分断されたアメリカの話が展開するようだ。

 制作はノルウェーのRed Thread Gamesで、経験豊かなベテラン揃いのスタジオだという。

 組もうと思った理由は、Red Thread Gamesがこれまで見たことのない新たなゲームメカニックを考えており、ユニークで独自の世界観を持っていたから。『Dustborn』には言葉の力を使って遊ぶゲームで、文字通り(ゲーム内のキャラクターが)発する言葉が武器となる。

 こちらも2024年初頭に発売予定とのこと。

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2024年以降も多くのタイトルを

 紹介したタイトルについて、どのゲームも非常にユニークで、そういうスタジオと組んで作品を送り出すことに誇りに思っていると語るギョーム氏。

 “Spotlight by Quantic Dream”は、開発者による開発者のためのパブリッシングレーベルであり、クアンティック・ドリームはアドバイスとサポートのみに徹しているそうだ。

 今後は、もっとたくさんのタイトルについて話せる機会がくると思う。2024年以降も楽しみにしていてくださいと発表を締めくくってくれた。