セガとColorful Paletteが贈るiOS/Android向けリズム&アドベンチャーゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(プロセカ)が、2023年9月30日をもってサービス開始から3周年を迎えようとしている。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 音楽ゲームとしても、そして練りに練られた物語を堪能するノベルゲームとしても評価が高い『プロセカ』は、この3年の間に膨大な数のシナリオを各ユニットごとに配信してきた。

 “Leo/need”、“MORE MORE JUMP!”、“Vivid BAD SQUAD”、“ワンダーランズ×ショウタイム”、“25時、ナイトコードで。”。

 個性豊かなキャラクターたちの人となりと、その歩みを掘り下げるシナリオは、メインストーリー以外にも“キーストーリー”という形で各ユニットそれぞれ20本(!)も実装。それが、3周年を目前に控えた2023年夏の提供を持ってひと区切りとなり、いよいよ10月からは各キャラが“進級”となって“キーストーリー・第二幕”が始まるのである。

 そんなタイミングだからこそ、このとてつもない量の『プロセカ』のシナリオをここで一度収束し、歴史を整理しようと思った。

 全メインストーリーと、全キーストーリーのあらすじをまとめ、それぞれについての筆者の考察と感想を交えて、ずっと『プロセカ』を追いかけてきた熱い読者にも、進級を機に改めてこのセカイに入ってこようと思っているルーキーにも刺さる永久保存版の記事をここに刻もう。

 この、“【プロセカ3周年記念特集】ユニットごとの全シナリオまとめ!”を読めば、『プロセカ』が歩んできた道筋がすべてわかる。

 それでは……Leo/need(レオニ)編(後編)を堪能してほしい!

※この記事はセガ/Colorful Paletteの提供でお送りいたします。

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』関連商品の購入はこちら (Amazon.co.jp)

キーストーリー:“揺るがぬ想い、今言葉にして”

あらすじ

 2回目のライブを成功させ、意気上がるレオニの4人。しかし志歩はつぎのライブに向けて、これまで厚意で免除してもらっていた“チケットノルマ”を課してほしいとライブハウスの店長にお願いする。演奏の練習と新曲の制作作業に集中してほしいからと、他の3人には黙って――。

 志歩の浮かない様子に気が付いたのは、穂波だった。「何かあったのなら相談してほしい」と訴える穂波に押され、志歩は「一歌たちには絶対にナイショで」と念を押したうえでチケットノルマの件を告白する。「みんなでやらない?」と提案する穂波。それでも志歩は頑なに、「私ひとりに任せてほしい」と穂波を突き放してしまう。そして……!

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 ぶつかってしまう、穂波と志歩。互いが互いを思うからこそ生じてしまった“必要なケンカ”だった。そして最後は、穂波の心からの説得に志歩が折れ、今回だけはふたりでチケットノルマをこなすことになったのだった。

キーストーリー:“揺るがぬ想い、今言葉にして”を読んで

 穂波の芯の強さと、仲間の機微にいち早く気づく視野の広さが際立つストーリー。このあたりから、穂波がレオニになくてはならない支柱であることが顕在化してくる(と、筆者は感じた)。

 それにしても、レオニの4人のなんて不器用なことだろう……。

 それぞれが仲間のためを思っての行動だからこそ責め切れないし、かといって放っておくこともできなくて、プレイヤーは言い知れぬドキドキとハラハラを抱えたまま画面を見続けることになるのである。

 「もっと違う言い方があるのに……!」

 「打ち明けちゃえばいいのに!!」

 この“揺るがぬ想い、今言葉にして”を読みながら、何度そう思ったことか……。でも、最終的に穂波は心を決めて、

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 抱えていた想いを志歩にぶつける。もっとも控えめでおとなしいと思っていた穂波の涙ながらの主張に、心揺さぶられた人は少なくないはずだ。

揺るがぬ想い、今言葉にして【プロセカ公式】

キーストーリー:“あの日、空は遠かった”

あらすじ

 志歩が一歌たちと距離を置き、孤独に身を置くようになった理由が語られる中学時代のストーリー。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 文化祭のバンドメンバーに誘われるも、不真面目な先輩たちとぶつかってわずかな期間で追い出されてしまった志歩。そんな志歩の前に現れた転校生、未羽との交流が語られる。

 転校続きのため友だち作りに臆病になっていた未羽は、志歩の影響で始めたギターを通じて心境に変化が生じ、「前に進んでいくしかないんだな」と寂しそうな笑顔で吐露するのである。

キーストーリー:“あの日、空は遠かった”を読んで

 志歩の中学時代のエピソードだが、彼女の“いま”を形作るためには絶対に必要なターニングポイントだったんだな……と読んでいて確信した。

 不思議な転校生・未羽との出会がなければ、もしかしたらレオニが結成されることもなかったのかもしれない。そんな“たられば”を考えてしまうほど、未羽がもたらした影響は大きいのである。

 個人的な感想を言ってしまうと、『プロセカ』に登場する数々のサブキャラの中でもこの未羽は、飛び抜けて魅力的だと思う。パッと見、不思議ちゃんなイメージを纏っているように見えてしまうのだが、転校をくり返してきたことがどこか大人びた思考を育てる後押しとなったのか、発言は理知的で的を射ているし、それでいて決して押しつけがましくない距離感をキープしていて好感が持てる。

 なので、第8話で未羽が言うこのセリフ……!

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】
【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 少しずつ、進みたい道を歩み始めた志歩と未羽のこれからに期待してやまない。

あの日、空は遠かった【プロセカ公式】

キーストーリー:“Live with memories”

あらすじ

 ライブのたびに、最前列で盛り上がってくれている男女がいることに気が付いたレオニの4人。「初めてのファンかも!」と盛り上がるも、じつはこのふたりには複雑な事情があって……。

 葉太と花乃は仲のいい兄妹だが両親の離婚により離れ離れになり、レオニのライブに来るときだけともに行動ができるのだという。

 しかし、そうすることで花乃はいつまで経っても兄を頼り、新しい家族と距離を縮めようとしない。これを憂いた葉太は心を鬼にし、「もう花乃とは会わない」と宣言してしまう。仲がいいのに悲しい選択をしなければならないふたりのために、レオニの面々は新曲を作って贈ることを決める。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

キーストーリー:“Live with memories”を読んで

 つねに仲間のこと、まわりの人々のこと、そしてファンのことを大切に考える、非常にレオニらしい物語が展開する。

 大好きな人といっしょにいられない……という切ない経験をしてきたからこそレオニの4人は葉太、花乃に寄り添うことができ、そのふたりの心に響く新曲を完成させることができたのだ。

 個人的に、この“Live with memories”というキーストーリーの中でもっとも印象的だったのは、ふたりのために新曲を披露するライブのシーン……ではなく、歌詞作りに難航していたとき、ルカが放った「みんなと離れ離れになっていたとき、一歌はミクの曲を聴きながら何を考えていたの?」という質問に対して、一歌が返したつぎのセリフたちだ。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】
【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】
Live with memories【プロセカ公式】 51-31 screenshot

 ああ……。

 一歌は……いやレオニの4人は、本当に仲間のことが大好きで、何よりも大事なんだなぁ……。

 そんな、当たり前すぎる事実を改めて突きつけられて、思わず涙してしまったのであった。

Live with memories【プロセカ公式】

キーストーリー:“No seek No find”

あらすじ

 バンドとして一定の自信を付けてきたレオニの4人は、ホームとしているライブハウスではなく、武者修行として別の場所でライブを行う。しかし、まったく客層が違うアウェイな空気は決して軽いものではなく、レオニの4人はこれ以上ないほど打ちのめされてしまうのだ。

 さらに、同世代のバンド“anemone”のボーカル・朔に「かわいいだけで、私の心に響くものはなかった」と痛いところを突かれて……!

 朔の言葉をきっかけに、レオニで作曲を担当する咲希は、自分の中に封じ込めていた入院時代の記憶を紐解く決意をする。咲希の記憶の奥底にあったもの……。それは、

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

「ひとりぼっちにしないでよ……!」

 という、孤独な叫び――。自分でも触りたくなかったこの記憶に気づいたとき、咲希の中で何かが変わり、渾身の新曲を完成させるのである。

キーストーリー:“No seek No find”を読んで

 これまであまり掘り下げられることがなかった、入院時代の咲希の気持ちに踏み込んでいくイベントストーリーである。それは、底抜けに明るく、天真爛漫で、レオニのムードメーカーを務めるふだんの咲希のイメージとは、あまりにもかけ離れた内容だった。

 正直、ライブで失敗し、さらにanemoneの朔という空気を読まないライバル(ここ、重要)の歯に衣着せぬ論評を見たときは、シナリオの先を読み続けるのが厳しいかなと思った。それくらい、このイベントストーリーではむき出しの感情と相対することになるから。

 しかし、『プロセカ』と……いや、 Leo/needというバンドとしっかりと向き合うならば、このイベントストーリーから決して目をそらしてはいけない。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 口に出すとみんなを悲しませてしまうから……という理由で、心の奥底に封印してしまった辛い記憶。しかし、レオニのために、聴いてくれるファンのために心に響く曲を書こうと、咲希はあの日の感情に手を伸ばすのである。

「……置いてかないで……」

「アタシどうしてこうなんだろ?」

「ひとりぼっちにしないでよ……!」

 それはもう、セリフではない“叫び”――。

 でも、逃げることなく踏み込めたからこそ、咲希はレオニの作曲担当としてひと皮むけたんだろうなと思う。

No seek No find【プロセカ公式】

キーストーリー:“Don’t lose faith!”

あらすじ

 咲希が作った渾身の曲に一歌の歌詞が乗り、ついに完成したレオニの3曲目のオリジナル楽曲。これを引っ提げ、anemoneの朔が待つアウェイのライブ会場に乗り込むことになった。

 しかし、まだまだ実力が追いついてきていないメンバーにひと皮剥けてもらうために、志歩はミクやMEIKOたちを先生にした合宿をやろうと提案する。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 志歩の思惑通りこの特訓は見事にハマり、一歌たちは劇的に演奏の技術を上げていく。しかし、それでも最高レベルには達しておらず、合宿3週目の合わせのときに、志歩は他の3人に合わせて手を抜いた演奏をしてしまう。

 それに気づき、「全力を出してほしい!」と迫る3人。涙ながらに訴える一歌たちの顔を見て、志歩は改めて思い出す。「こういうみんなだから、このメンバーでプロになりたいって思ったんだ」と。

 そして迎えたライブ当日。レオニの4人は、ついに殻を破るのだ……!

キーストーリー:“Don’t lose faith!”を読んで

 アマチュアの粋から出られずに足掻いていた一歌たちが、ライバルの出現と、志歩のレベルに追いつきたいという想いからいままで以上の努力を重ね、ついに殻を破るというストーリー。

 若くてかわいいだけのガールズバンドではなく、しっかりと自分たちの音を届けたいという“アーティストとして”の願いに突き動かされて、レオニの4人はまたひとつ階段を上るのである。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 この“Don’t lose faith!”というキーストーリーを読んで改めて思い知らされたのは、全力でぶつかることができるライバルの重要性だ。

 もしもanemoneの朔と出会うことがなければレオニの成長が加速することはなかったし、3曲目のオリジナル楽曲も生まれていない。いや、いつかはそこにたどり着けたのだとしても、間違いなく数年レベルのタイムラグが生じていたはずだ。“切磋琢磨”と言う言葉は、レオニと朔のような関係にこそふさわしいのだと思う。

 そして、

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 志歩が初めて全力を出すことができたこのライブが、彼女たちが夢見るプロへの道を照らし始めるのである。

Don't lose faith!【プロセカ公式】

  • 書き下ろし楽曲:『Voices』(作詞・作曲:ゆよゆっぺ)

キーストーリー:“Echo my melody”

あらすじ

 咲希の作曲に感化され、DTM(ボーカロイドソフトの『初音ミク』などを使用するパソコン上での音楽制作)を始めた一歌。しかし慣れない作業のためか、なかなか形にならない。

 そんなとき、たまたま作りかけの曲を聴いた穂波から、「宵崎さんがDTMをやっているから、話を聞いてもらえるかも」と提案される。宵崎とはもちろん、“ニーゴ”の奏のこと。さっそく一歌は奏にアポイントを取り、DTMでの楽曲制作のコツを教わりに行くのだった。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 それと並行して、レオニの4人は演奏風景を動画で撮影して、広く一般に自分たちの存在をアピールしていく。そしてこの行動が、夢に近づく貴重な1歩になるのであった。

キーストーリー:“Echo my melody”を読んで

 DTMでの作曲に目覚めた一歌が、その道の先達である奏にノウハウを伝授してもらう……という話だが、これを読むと、『プロセカ』の主要人物たちがいかに個性豊かなのかを再認識させられると思う。

 それぞれが独自の世界観を持ち、キャラ設定もしっかりと確立されているからこそ、これだけ柔軟にユニットを越えた絡みができるんだよなぁ~……と、ふだんゲームのシナリオを書いている筆者も感心が止まらなくなる。レオニの4人に限らず、『プロセカ』の登場人物たちは本当によく動く(動かせる)と思うわ……!

 この“Echo my melody”は、レオニのほかのイベントストーリーと比べると波乱が少ないかもしれない。いや、不穏な起伏に富むことが多い他のストーリーと比べてしまうと……という意味で、決して平板な物語ではないのだが、それでも(レオニのイベントストーリーの中では)心穏やかに読めるほうだと思う。

 ……最後の、このシーンまでは。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 波乱万丈なレオニの歩みの中では、箸休め的なお話なのかと思いきや……! ここから4人は、プロという夢に通じる急流に身を投じることになるのである。

Echo my melody【プロセカ公式】

キーストーリー:“Little Bravers!”

あらすじ

 ライブ活動や演奏動画の公開など、コツコツと積み上げてきたことが徐々に実を結び、ファンが増え始めたLeo/need。そしてついに、インディーレーベルの音楽ディレクター・真堂から、「将来、いっしょに仕事をしたい」と話し掛けられる。

 レオニの4人が夢に見続けてきた、スカウトからの声掛けであった。心沸き立つ4人。そんな4人に向かって、真堂は言う。

「今度のワンマン、楽しみにしてます」

 プロへの道を切り拓くために、4人はワンマンライブ開催の決意をする。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

キーストーリー:“Little Bravers!”を読んで

 名作が続出するレオニのイベントストーリーの中でも、個人的に1、2を争うくらい好きなのが“Little Bravers!”だ。このタイトルにもある“小さな勇者”が、Leo/needの矜持を守る鉄壁の盾になる物語である。

 そもそもこのイベントストーリーは、前半から見せ場が山盛りなのだ。インディーレーベルからのスカウト、ワンマンライブへの始動、その準備、他のユニットからの心強い援助。そして……!

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

「売れなければ元も子もない。ならば、若さという武器も使っていったほうがいい」

 という、大人な真堂ならではのアドバイスに戸惑う一歌、咲希、志歩の3人。そんなとき、4人の中ではもっとも控えめで優しい穂波が、決意のこもった表情で真堂に相対するのである。そこから展開する穂波の“一大演説”は、レオニの物語を語る上では絶対に外せない名シーンである。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 ぜひとも、『プロセカ』の画面ですべてを見てほしい。心奮えること、間違いないから。

Little Bravers!【プロセカ公式】

  • 書き下ろし楽曲:『Flyway』(作詞・作曲:halyosy)

キーストーリー:“交響する街の片隅で”

あらすじ

 着々とワンマンライブへの準備を進めるレオニの4人。そんなある日、志歩が所要でビビッドストリートを歩いていると、どこからか力強い歌声が……。路上ライブをしていたのは、ビビバスの白石杏。鬼気迫るその歌声に圧倒される志歩。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

「私も、あれくらい心に響く演奏がしたい!」

 杏の歌声に影響された志歩は、これまで以上に演奏に力がこもる。

キーストーリー:“交響する街の片隅で”を読んで

 “交響する街の片隅で”というタイトル通り、違うユニット、違うジャンルでがんばるキャラクターたちが、これでもかとクロスオーバーするストーリー。とくに、レオニの屋台骨である志歩とビビバスの杏の絡みは出色で、どの台詞も見逃せないものとなっている。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 このイベントストーリーを読んで思うのが、『プロセカ』の巧みなまでのキャラの描き分けである。

 ……同じようなこと、何度も書いているけど。5ユニット20キャラ、バーチャル・シンガーたちも含めると26キャラも登場人物がいるというのに被っている要素がほとんどなく、しっかりとしたアイデンティティを持ってこの世界に存在している。

 だからこそ、ユニットの垣根を越えた接触でも齟齬や戸惑いが生まれることはなく、しっかりとしたシナジーを生んで新たな展開に導くカギになったりする。しかも、“交響する街の片隅で”で吐露される杏の心情はビビバスのストーリーとも密接な絡みを見せ、どちらの物語もさらに深めることに成功しているのである。

 レオニがプロに向かう道程にある、何気ない日常を切り取ったようなストーリーだが、じつはあらゆる方面に重要な意味があったんだな……ということを、ビビバスやニーゴの物語を進めたときに気づかされることになる。

交響する街の片隅で【プロセカ公式】

キーストーリー:“Get over it.”

あらすじ

 念願のワンマンライブを迎えたレオニの4人。ここまで支えてくれた人たち、自分たちの音楽を好きと言ってくれた人たち、そして何より……仲間のために最高の演奏をすることを誓うのだった。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 そして初のワンマンライブは、これ以上ないほどの大成功で幕を閉じる。レオニの4人が伝えたかったことは聴いた人すべてに響き、レコード会社のディレクター、真堂の心も揺り動かす。そしてLeo/needはついに、インディーレーベルながらプロとしての契約を果たすのである。

キーストーリー:“Get over it.”を読んで

 名作ぞろいのレオニのイベントストーリーの中でも、間違いなくくり返し読んでしまうTOP3に入る作品。読むたびに、インディーズとはいえプロになるという夢を叶えたレオニの4人に心からの拍手を贈りたくなる。

 それにしても、『プロセカ』に登場するキャラクターたちのなんて魅力的なことか……。ここで際立つのも、言ってみれば脇役のイオリと朔なのだが、

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 ライバルになるであろうレオニの面々に、先輩アーティストとして惜しげもなく今後のアドバイスや心構えを伝えてくれようとする。

 彼女らの存在がなければレオニの歩みのスピードは確実に鈍っていたはずなので、そういう意味でも絶対に必要なピースのひとつ。

 でも、このようなライバルはともするとイヤな奴だったり、目の上のたん瘤になったりしがちだけど、決してそうはさせずに素晴らしいバランスと距離感のキャラを作るところに、『プロセカ』制作陣の“すべてのキャラに対する愛”を感じずにはいられないのだ。

 そんな、たくさんの人の助けを借りながらレオニの4人は着実に成長し、

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 ついに“プロのアーティスト”としてインディーレーベルとの契約を果たす。これが……奮えずにいられぬものか。

Get over it.【プロセカ公式】

  • 書き下ろし楽曲:『相生』(作詞・作曲:やいり)

キーストーリー:“つなぐ、星の歌”

あらすじ

 3年に及ぶLeo/needのサクセスストーリーの節目となる物語。一歌、咲希、穂波、志歩の4人はそれぞれ契約書にサインをし、ソリス・レコード所属の“プロアーティスト”としての歩みを始める。

 そんなとき、ペルセウス座流星群の到来がニュース速報で流れてくる。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

 流星群は、レオニの4人の心に刻み込まれている幼き日の共通の思い出。そのときはしし座流星群だったが、一歌は、「またみんなで星を見たいな」と仲間に提案する。

 さらにレオニの4人は、これまで応援してくれた友だちや関係者に感謝を伝えるライブの開催を計画。会場は、4人が初めて人前で演奏した思い出の場所だ。決意を固めた“誓いの地”で、レオニはプロとしての船出をすることになったのだ。

 ライブは大成功に終わり、4人は余韻をまとった帰り道で「またいっしょに見よう」と約束していたペルセウス座流星群に出会う。そして、幼きあの日と同じように、流れる流星たちに向かって新たな誓いを立てるのだ。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

「これからも、4人で一緒にいられますように!」

キーストーリー:“つなぐ、星の歌”を読んで

 まさに、Leo/need物語のひとつの帰結。支えてくれたすべての人に捧げるライブを成功させた4人の前で煌めいたのは、思い出の流星群だった。

 幼いころに交わしたたったひとつの約束、「ずっとみんなでいっしょにいられますように!」を馬鹿正直に守り、同じ道を歩き始めた4人。不器用だけど真っすぐで、泣き虫だけど誰よりも仲間想いな一歌、咲希、穂波、志歩の集大成のストーリーは、涙なく読み切ることは不可能だったよ……。

【プロセカ3周年記念シナリオまとめ】不器用だけど真っ直ぐなレオニの物語を振り返る。転んでもつまずいても、4人だから果たせた純粋で美しい星夜の約束【後編】

つなぐ、星の歌【プロセカ公式】

Leo/needの物語を読んで

 レオニの4人の共通点として挙げられるのが、絵に描いたかのような“不器用さ”である。

 ゆえにプレイヤーは、あるときはハラハラし、あるときは歯痒さで胸が締め付けられ、またあるときはイライラすら覚えて画面を睨みつけたりしていたはず。

 もっと、別の言葉があるのに……!

 もっと、踏み込んでもいいのに……!!

 見つめるだけで何もできない自分にすら苛立ちながら、プレイヤーは4人の行く末を見守ってきた。そんな、どうにもできないやるせなさを感じていた人々でさえ、レオニの4人に向けて出てくるリアルな言葉は、いつも同じだったはずだ。

 それは――。

 「がんばれ」

 みんな、彼女たち4人を放っておけなくなる。ボタンを押すだけで何もできないとわかっているのに、「応援してあげなきゃ!」という気持ちにさせられるのである。

 なぜなのか? その答えも、皆おぼろげながら気づいている。

 思っていることを表現できない不器用さも、踏み込めない勇気のなさも、言葉にできない歯がゆさも、誰もが通過してきた道だから――。

 気が付けば、ある人は一歌に、ある人は咲希に、ある人は穂波に、そしてある人は志歩に自分を重ね合わせて、“あの時の自分”に叫ぶのである。

 「がんばれ」

 って。

 そんな、あまたの苦難と葛藤を乗り越えて、プロとして歩き始めたLeo/needの4人。その先で待っているのは、どんな未来なのだろうか……?

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』関連商品の購入はこちら (Amazon.co.jp)