2023年7月23日にTOKYO MXほかにてアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』の第9話~第12話が一挙に放送される。

 視聴者の中には、ゲームから『NieR:Automata』(ニーア オートマタ)や『NieR』(ニーア)シリーズを知ってどっぷりと世界に浸かっている方々も多いと思う。その逆にアニメで『NieR:Automata』を知った方もいるだろう。なかには2Bや9S(本作の主要キャラクター)の美しさに魅せられて興味を持った人もいるかもしれない。

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アニメ『ニーアオートマタ』放送再開前にゲーム版をプレイしてみよう。ゲームをクリアーしてアニメを観ていない方に一見の価値ありの理由を説く

 そんな多方面の方々に向けて、アニメ・ゲーム『NieR:Automata』に関する情報をお届けしていく。

『NieR:Automata』とは

 そもそも『NieR:Automata』とは、2017年2月23日に発売されたゲームタイトルである。スクウェア・エニックスが展開し、開発はプラチナゲームズが担当した。2023年4月には全世界累計出荷&ダウンロード販売本数が750万本を突破したロングセラータイトルでもある。

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 独特な世界観でファンを魅了するヨコオタロウ氏をはじめ、アクションゲームの雄プラチナゲームズ、『NieR Replicant(ニーア レプリカント)』『NieR Gestalt(ニーア ゲシュタルト)』(※)に続いて美しい音楽を作り出す岡部啓一氏、シリーズ初参加となるイラストレーター・吉田明彦氏を迎え、『NieR:Automata』は作られた。

※国内ではPS3版は『NieR Replicant』として兄妹、Xbox 360版は『NieR Gestalt』として父娘の物語が描かれた。海外版は『NIER』というタイトルで『NieR Gestalt』の内容で発売された。両作で主人公であるニーアのビジュアルも違う。

 遠い未来、侵略してきた異星人がくり出す兵器・機械生命体を前に、人類はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。膠着した戦況を打破するために新型アンドロイド“ヨルハ”を投入する。

 人のいない不毛の地でくり広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦いの行方とは……。

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 ゲームとアニメでは主要キャラクターとして、ヨルハ部隊の2Bと9Sがいる。

 簡単に作品を紹介するなら、このようなところ。ゲームには、さまざまな条件下でたどり着ける複数のエンディングがあり、そのエンディング名はアニメでは各話のサブタイトルに採用されている。

 また、先に述べたようにゲームには複数のエンディングがあるため、ゲームファンのなかにはアニメがどのような着地をするのか気にしている人も多い。ここも見どころのひとつだろう。

まだまだ遅くない。いまから楽しめる『ニーア』まとめ

 2017年2月23日の発売から約6年が経過している『NieR:Automata』。とはいえ、現行ハードでもしっかり遊べる。そこで本項では、現在楽しめる『NieR』関連のタイトルを簡単に紹介しよう。

『NieR:Automata Game of the YoRHa Edition』(プレイステーション4、Steam)

 2017年2月23日に発売されたプレイステーション4(PS4)版の『NieR:Automata』。じつは、その後にダウンロードコンテンツ(DLC)などが追加された『NieR:Automata Game of the YoRHa Edition』が2019年2月21日に発売されている。

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発売当初の通常版パッケージ(左)と『GOTY』版のパッケージ(右)。

 いまからPS4(プレイステーション5でもプレイ可)、Steam(PC)でプレイしてみたいという方は、この通称『GOTY』版を購入してみるのがおすすめ。季節ごとのセール対象タイトルになることも多いので、ぜひ各プラットフォームでお気に入り作品などに登録しておくといいだろう。

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『NieR:Automata BECOME AS GODS Edition』(Xbox One、Xbox Series X|S、PC)

 2018年6月26日に発売されたXboxハード向けの『NieR:Automata』も存在している。内容としては、前述した『GOTY』版と変わりないので、Xboxハードで遊んでみたい方には、こちらをおすすめする。

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 なお、パッケージ版は存在しておらず、遊ぶためにはダウンロードで購入する必要があるので注意してほしい。

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『NieR:Automata The End of YoRHa Edition』(Nintendo Switch)

 2022年10月6日には満を持してSwitchでも『NieR:Automata』が遊べるように。上記の2タイトルには同梱されていないDLC“6C2P4A118680823”(6種のコスチュームと4種のアクセサリー)も入っている。

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 なお、1点だけ注意してほしいのは解像度がSwitchのTVモードで1920x1080、テーブルモード/携帯モードで1280x720となり、フレームレートは30fpsという部分。

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『NieR Replicant ver.1.22474487139...』(プレイステーション4、Xbox One、Xbox Series X|S、PC)

 2010年4月22日に発売されたプレイステーション3用ソフト『NieR Replicant』のバージョンアップ版が『NieR Replicant ver.1.22474487139...』(ニーア レプリカント ver.1.22)になる。

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 『NieR:Automata』の数千年前を舞台にした前作的な立ち位置にあたる。なお、『NieR Replicant』をプレイしていなくとも『NieR:Automata』は問題なく楽しめるので、無理にプレイする必要はないが、『NieR Replicant ver.1.22474487139...』をプレイしているとニヤりとできるシーンなどがある。ちなみに、デボルやポポルは『NieR Replicant』から登場している。

 また、すでにPS3版を遊んでいたユーザーもアクションのブラシュアップや追加エピソード、フルボイス化などうれしい変更点があるため、興味があれば遊んでみるといいだろう。捕捉するならば、アクション面は『NieR:Automata』に近い感じに進化しているため、後からこちらを遊んでみても違和感はとくにないだろう。

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もっと深い『NieR』の世界へ

 『NieR:Automata』を遊び『NieR Replicant ver.1.22474487139...』も遊んだけど、まだまだ満足できない……。もっと世界に触れていたいという人たちもいらっしゃると思う。

 そんな方々には『NieR:Automata』と世界観を同じくする『舞台少年ヨルハ Ver1.0』、『音楽劇ヨルハ Ver.1.2』といった映像作品(当時は舞台上映)や、ヨコオタロウ作品のノベライズでは欠かせない映島巡さんによるノベル『長イ話』『短イ話』『少年ヨルハ』などもおすすめだ。

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 加えてコンサート映像のBlu-rayや音楽劇をコミカライズした『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』、カジュアルにスマートフォンで楽しめる『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)』もある。

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 なんならば、スクウェア・エニックスがサービス展開中の『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)内には常設コンテンツとして、アライアンスレイド“YoRHa: Dark Apocalypse”があるのだ。ヨコオタロウ氏をゲストクリエイターとして迎えて作られたクロスオーバーコンテンツであり、実際にプレイしてみても非常に満足度が高かった。

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 このような形で掘れば掘るほど、さまざまなコンテンツが湧き出てくる『NieR』シリーズ。ここで紹介した一例以外にも、自分なりにコンテンツへの愛を深めてみてもらいたい。

ゲームはクリアーしたけど、まだアニメを観ていない方たちへ

 発売当時にゲームをクリアーしたものの、アニメはまだ観ていないという方たちもいるだろう。筆者も本稿を書くにあたって配信サービスで第8話まで見直してみたのだが、やはりアニメにはアニメにしかない魅力が詰まっている。

 第2話から明らかにゲームとは変わるアニメオリジナルの展開。リリィをベースとしたレジスタンス側の濃厚な描写など、ゲームをプレイしただけでは見えてこない部分で視聴者を楽しませてくれる。

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 アニメのみを視聴の方々に補足を入れておくと、ゲーム版ではリリィは名前しか登場しないのだ。

 また、2Bや9Sといったアンドロイドたちの印象もゲームとは少し変わってくる。ゲームでは操作するキャラクターとして感情移入していく印象だが、アニメでは2Bと9Sの何気ない会話シーンや、やり取りを見ているだけで、ゲームとは違う全員がそこに生きている感じを抱く。

 ああ、2Bのセリフに対して9Sはそんな感じの反応をするんだといった細かい描写などを観ているだけで新たな発見をした気持ちになる。

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 益山亮司監督の愛にあふれる小ネタも見逃せない。完成度の高いゲームの再構成を実現しつつ、『NieR Replicant』ネタを入れ込むなど、既存ファンへのサービスも忘れてはいない。

 ちなみに個人的に気に入っているのは登場キャラクターたちの描き方だ。ゲームでは3Dモデルという特性も相まって、アンドロイドや機械生命体の無機質な感じが助長されていたが、アニメではどこかコミカルな動きが入るシーンなどがあり、ゲームとは違う温かみを感じる。

 第8話の時点ではゲームでいうAエンドに向けて助走をつけているあたりだと思うが、第9話~第12話で何が描かれていくのか。気持ちを新たに楽しみたいと思わせてくれる。

 さらに飛躍するのであれば、アニメがどんな結末を迎えるのか、いまから楽しみで仕方がない。なお、第9話~第12話が放送される前日の7月22日にはヨコオタロウ氏、齊藤陽介氏、田浦貴久氏へのインタビュー記事を公開予定だ。こちらも楽しみにお待ちいただきたい。

アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』Chapter.9-12 ティザー予告