2022年9月16日、『コール オブ デューティ』シリーズの最新情報を公開するショーケースイベント“CALL OF DUTY:NEXT”にて、iOS/Android向けゲームアプリ『Call of Duty:Warzone Mobile』(以下『CoD Warzone Mobile』)が、2023年にリリース予定であることが発表された。

 『コール オブ デューティ ウォーゾーン』(以下『CoD ウォーゾーン』)は、2019年に発売された『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』をベースとした、基本プレイ無料のバトルロイヤルゲーム。2021年4月には累計プレイヤー数が1億人を超えたことが発表されるなど、世界中で人気を博している。そんな『CoD ウォーゾーン』がついにスマホで楽しめるというわけだ。

 本稿では、『CoD Warzone Mobile』の内容と、アクティビジョン Head of Mobile(モバイル部門代表)のクリス・プラマー氏へのインタビューをお届けする。

『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能

 『CoD Warzone Mobile』では、最大120人のプレイヤーが参加可能。戦闘・探索を通じてゲーム内のキャッシュを集め、マップ内の“購入ステーション”で武器やフィールドアップグレード、キルストリークなどを購入して装備を整えたり、マッチ中に“契約”を選んでさまざまなミッションに挑戦したり、やられても“強制収容所”で1対1での戦いに勝利すればゲームに復帰できたりと、基本システムは『CoD ウォーゾーン』を踏襲しつつ、動きや武器の取り回し、物理演算、モーション、サウンドなど、すべてをモバイルでのプレイのために最適化。正確でパフォーマンスに優れた『コール オブ デューティ』らしい体験が楽しめる。

『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能
『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能

 また、モバイル専用のイベントやカスタムプレイリストなど、さまざまなコンテンツが提供されるほか、操作カスタマイズも豊富に用意されており、モバイルゲームのプロや、コンソール版/PC版のプレイヤー、これから始める人まで、幅広いプレイヤーをサポートするという。

『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能

 戦いの舞台となるマップは、『CoD ウォーゾーン』を代表する“Verdansk”が復活。入り組んだ市街地エリアや開けたフィールド、スタジアムやダム、空港などで、ふたたび激戦がくり広げられる。

『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能
『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能
▲『CoD ウォーゾーン』でおなじみの、地上車両や空のビークルなども登場。

 『CoD ウォーゾーン』と言えば、クロスプレイ&クロスプログレッションに対応している点も魅力のひとつだが、『CoD Warzone Mobile』もiOSとAndroidでのクロスプレイはもちろん、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII』(以下『CoD:MW2』)、『コール オブ デューティ ウォーゾーン2.0』(以下『CoD ウォーゾーン2.0』)とのクロスプログレッションにも対応。バトルパスやフレンドリスト、チャットチャンネルの共有に加え、武器やオペレーターの連携も可能に。

 たとえば、『CoD:MW2』、『CoD ウォーゾーン2.0』でアンロックした武器を『CoD Warzone Mobile』で使用したり、『CoD Warzone Mobile』でアンロックしたオペレーターを『CoD:MW2』、『CoD ウォーゾーン2.0』で使うといったことができるそうだ。

『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能
『CoD Warzone Mobile』は2023年にリリース! Verdanskが復活、『CoD:MW2』&『CoD ウォーゾーン2.0』とデータ共有も可能

 Google Playにて、Android版『Call of Duty:Warzone Mobile』の事前登録(無料)がスタート。登録者数に応じてエンブレムなどの特典が手に入るので、こちらも併せてチェックしてほしい。

  • 500万……Emblem - Dark Familiar
  • 1000万……X12 - Prince of Hell
  • 1500万…… M4 - Archfiend
  • 2500万……ミステリーな報酬
『Call of Duty:Warzone Mobile』の事前登録はこちら

“モバイルでのベストな体験”を提供

クリス・プラマー

アクティビジョン Head of Mobile(モバイル部門代表)

――『CoD Mobile』はTimi StudiosがUnityをゲームエンジンに開発していましたが、『CoD Warzone Mobile』の開発スタジオやゲームエンジンについて教えてください。

クリス『CoD Warzone Mobile』は社内のCoDスタジオが開発しています。Beenox Studios、アクティビジョンの上海スタジオ、Digital Legends(2021年10月に買収したバルセロナのモバイル系スタジオ)、Solid State Studioの4つが多大な貢献をしてくれています。彼らはInfinity Ward、元の『CoD ウォーゾーン』を作ったRavenなど、『CoD』シリーズを手掛けてきたスタジオとも連携して開発を行っています。

 これは現在我々が、これからのタイトルを進めていく『CoD』の共通したテクノロジーによって、開発を行っているということでもあります。技術共有によって、『CoD』らしい緻密で反応のよい戦闘のフィーリングに必要な細かな工夫から、最新の描画技術による広大な戦場、たくさんのプレイ人数と優れたパフォーマンスの両立など、たくさんのアドバンテージが得られます。

 加えて今年は、それらの統合された技術によって、プレイヤーがどのプラットフォームで過ごしていても進捗を得られるようにできました。そのおかげで統一されたバトルパスを提供できます。家庭用ゲーム機やPCでオペレーターや武器をアンロックしたら、『CoD Warzone Mobile』でもそれを利用できますし、その逆もしかりです。

 『CoD』の新作(『CoD:MW2』、『CoD ウォーゾーン2.0』、『CoD Warzone Mobile』)のどれに時間を費やしていても、それを尊重して表彰できるというのは大事なことだと考えています。

――家庭用ゲーム機やPCのゲームの“モバイル版”だと、モバイル向けに機能を絞り込んだり、大きく変えたりすることがありますが、本作の場合はいかがでしょうか? 『CoD ウォーゾーン2.0』と『CoD Warzone Mobile』で“ウォーゾーン”としての体験の違いはどうなるのでしょうか?

クリスまず、両者をこれまでになく、つながったものとして提供できることをうれしく思います。これからも進化やコンテンツをフランチャイズ間で共有して、究極にすばらしいモバイルゲーム体験を作り出したいです。

 その中で重要なのが、なによりもまず世界最高クラスのモバイルゲームになるよう開発してきたことです。ちゃんとモバイルデバイスでプレイするために作られたように感じられること、操作がきちんとしていること、ゲームのバランスがしっかりしていること、そういったことが大事です。

 そのため、違いはありますが、それはちゃんとモバイルで遊べるものにするための違いです。すべてのプラットフォームは固有の優れた部分、特徴的な部分がありますからね。モバイルも同様で、そこを踏まえることでモバイルのプレイヤーに特化した体験を提供できます。

 これはどうゲームをチューニングするかも含まれますし、モバイルにどうイベントや新コンテンツを投下していくかといったものも含まれます。プラットフォームの特性を尊重したうえで、『CoD Warzone Mobile』が最高のモバイル体験にします。

 また、あらゆるプレイヤーが、それぞれフェアで公平に競えることも非常に重要です。クロスプログレッションを通じて、プレイヤーの皆さんの時間と進捗を価値あるものにするのと同じように、バランスの取れたフェアな体験にしていくということをお伝えしたいです。

 ですので、iOSとAndroidでのクロスプレイ対戦を実現する一方で、家庭用ゲーム機やPCとのアンバランスなクロスプレイを避けたのは、そういった意図があります。それぞれのプラットフォームのために築いたチューニングを壊すことなく、それぞれの環境でフェアかつバランスの取れた体験を提供していきます。

――『CoD Mobile』にもバトルロイヤルモードがありましたが、『CoD Mobile』と『CoD Warzone Mobile』での違いはどうでしょうか? 操作やプレイ感など、“ウォーゾーン”に関わらない部分の違いも気になるところです。

クリス『CoD Warzone Mobile』では、やはり“ウォーゾーン”ならではの体験を忠実にモバイルに持ってこようというのが発端にあります。そのためゲームモードの設計の段階から、ウォーゾーンならではのプレイの流れ、たとえば“契約”まわりの経済やクエストなどを考慮したものになっています。

 クリアーして仲間と得た報酬でキルストリークなどを買って強化していくというのは、ウォーゾーンのプレイを形作る核となる体験ですからね。あるいはグーラグ(強制収容所)での復活などもそうでしょう。

 マップも忘れてはならない要素のひとつです。元の『CoD ウォーゾーン』が作り出したのと同じマップで開発しています。ほかのプラットフォームでうまくいった大規模な戦闘状況を、モバイルでもしっかりとできると証明するために、“Verdansk”であるということが大事でした。

 Verdanskはバラエティーに富んでいて、上下にも広がる密集した市街地エリアもあれば、郊外の開けたエリアもあります。室内もまたまったく違う戦いがあるわけです。このVerdanskに広がるウォーゾーン体験を初めてモバイルで提供できるのは、非常にエキサイティングです。

 マップと先程話したようなゲームプレイの仕掛けの部分が発端として大きいですが、それ以外ですと、武器の取り回しやアクションの挙動、120人の大規模戦といったあたりも大事にしています。

――『CoD Mobile』は最大100人、『CoD ウォーゾーン』は最大150人でしたが、『CoD Warzone Mobile』が最大120人に決まった理由を教えてください。

クリスこの大きなマップでの大規模戦という点でプレイテストをしていて、やはり120人が正しい数字と感じたからですね。モードのバリエーションによっては、異なるプレイヤー人数やルールもありますが、メインのバトルロイヤルモードとしては、120人がベストだろうということになりました。

 技術的にはもっと増やすこともできますが、『CoD ウォーゾーン』も時が経つに連れて120人になっていますよね。プレイヤーが経験を積むにつれて好みなども変わってきます。プレイヤーの動向によっては、120人より下げる可能性もあります。現時点では十分にマップに人がいて、戦闘がいい具合に起こるようにするために、120人という設定が気に入っているというところです。

――ちなみに、『CoD Warzone Mobile』のスクワッドは何人になるのでしょうか?

クリス設定によりけりですね。最大4人のほか、ソロやペア、トリオもできます。

――さきほど、Verdanskからスタートする理由を話されましたが、それ以外のマップは用意されているのでしょうか?

クリスはい。まずはVerdanskから作っていくというのは論理的な選択でしたが、先程話したように統合された技術に則って開発をしているので、時期が来れば新たなマップを投入していくことができます。それもまた楽しみですね。

――操作についてお聞きします。多くのモバイルゲームはタッチパネルでプレイしますが、アタッチメントを付けたり、コントローラーを接続できるものもあります。『CoD Warzone Mobile』はどうなるのでしょうか。

クリス操作はモバイルのこのゲームジャンルで、いちばんの基礎となるものであり重要な要素で、それだけ正しく作り上げるのは難しいものです。それは私たちとしても重々承知しています。操作まわりはプロジェクト初期から重視して取り掛かっていて、現在でも改善を続けています。

 あらゆるタイプのプレイヤーに対応できるよう、幅広いカスタマイズを用意しています。eスポーツのプロなら洗練された高度な設定を使うでしょうし、モバイルのバトルロイヤル自体が初めてという人にも入り口を用意しています。

 世界中にはいろいろなプレイヤーがいますし、私たちとしては皆さんにそれぞれいい時間を過ごしてほしいですから。自分は非常にスキルがあるけど、いっしょに遊ぶ友だちはそうでもないということもあるわけです。ですが、そういうグループもいっしょに楽しめるようにしたい。

 これは操作にとどまらず、『CoD:MW2』や『CoD ウォーゾーン2.0』と共有するフレンドリストや、クロスプラットフォームなチャットを用意した理由のひとつでもあります。「みんなで『CoD Warzone Mobile』をやろう」となれば、それに対応できる操作システムがないといけませんからね。異なる画面サイズやデバイスなども考慮しています。

 外部コントローラー対応も計画しています。どのデバイスに対応するかはまだお答えできませんが、それだけ操作は重要なものとして開発しています。まずタッチスクリーンで、すべてのプレイヤーに対応できる操作システムを目指しつつ、ほかの操作形態にもそれを伸ばしていけるよう考えています。

――『CoD Mobile』はこのまま継続していくのでしょうか? それとも『CoD Warzone Mobile』が置き換える形になるのでしょうか?

クリスふたつの優れたゲームを持てるのは、私たちにとって幸運なことだと思っています。それぞれ異なるフレーバーや個性、機能があるゲームですしね。プレイヤーの皆さんには、自分に合ったものをプレイしていただければと思います。

 『CoD Mobile』のサポートを続けていけること、そしてそこにフランチャイズの残りの部分(メインシリーズ)とつながった『CoD Warzone Mobile』を加えられることをうれしく思います。両者が提供できるものにより、モバイルの幅広いプレイヤーのニーズに応えていけると考えています。

――『CoD Mobile』プレイヤーへのボーナスなどは、用意されているのでしょうか。『CoD Mobile』でずっとプレイしていたことを示すような、ちょっとしたバナーなどがあるとうれしいものですが。

クリス今回はまだお答えできませんが、何を求められているのかはわかります。いいアイデアだと思います。

――クロスプログレッションについて、もう少し詳しくお聞きしたいのですが、バトルパス以外で個別に購入したアイテムや、バトルパス以外の進捗なども共有されるのでしょうか。

クリスクロスプログレッションの詳細についてもまだ公開していませんが、すべてのプラットフォームにわたって、そこに費やした時間を尊重したいというのが基本的な考えです。

 バトルパスの進行やそれ以外のゲーム自体の部分で時間を費やしたなら、別のプラットフォームに移っても反映されて続きをやれるべき、という点にフォーカスしています。

 バトルパスはその端的な例と言うこともできるでしょう。オペレーターやそのほかのさまざまなものをアンロックしたら、ほかのプラットフォームに移ってもそれがあるという感じですね。

――日本での展開プランはどうでしょう?

クリスもちろん日本にもリリースします。日本は私たちにとっても大きく、非常に重要な市場です。とくにモバイルでは戦略的にとても重要視している地域です。

 ですので、日本の皆さんにお届けするのは大事なことですし、日本の皆さんが盛り上がって、満足していただけるように展開していきたいです。市場に合った形にチューニングしていけるよう、フィードバックも集めていきます。皆さんが初めてプレイされたときに、どんな反応が聞けるかとても楽しみにしています。詳細はまだですが、ローカライズするのは間違いないです。

――ローンチ以降、シーズンごとのコンテンツ投下は、『CoD ウォーゾーン2.0』とシンクロしていくのでしょうか?

クリス基本的には『CoD ウォーゾーン2.0』と協調したものになりつつ、モバイル専用のものもあるという形になると思います。

 ここまで話してきたように、モバイルファーストな体験ができるというのが大事ですから、フランチャイズのベストな部分を『CoD ウォーゾーン2.0』とつながる形で取り入れつつ、モバイル専用のイベントやコンテンツを投下していきます。

 やはりモバイルのプレイヤーはプレイ動向なども違った特性を持っていますから、モバイルのプレイヤーに沿った自然に感じられるようにしたいです。ですのでモバイルは“移植”ではなく、“モバイルでのベストな体験ができる”という形になります。