2022年11月17日にPLAIONから発売されるプレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Epic Games Store)向けソフト『Goat Simulator 3』。ここでは、2022年8月6日、7日、日本最大規模のインディーゲームの祭典BitSummit X-Roads(ビットサミット クロスロード)に合わせて来日した、開発元であるCoffee Stain NorthのCEO、セバスチャン・エリクソン氏とクリエイティブ・ディレクター、サンティアゴ・フェレロ氏へのインタビューの模様をお届けする。ヤギゲーの真実が見えてくる?

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セバスチャン・エリクソン氏(写真左)

Coffee Stain North CEO

サンティアゴ・フェレロ氏(写真右)

Coffee Stain North クリエイティブ・ディレクター

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“オンラインマルチプレイヤーの導入”でさらに楽しく

――なぜ『2』ではなく、いきなり『3』なのですか?

セバスチャン名前については議論を重ねました。ある時私がジョークとして「『3』はどうか」と言ったのですが、誰も異議を唱えなかったので、現在に至っています。いまさら変えられないですよね。

サンティアゴもともとはふつうに『2』と呼んでいました。ネットではさまさまな説が飛び交っていますが、これが本当かもしれませんね(笑)。

ヤギゲー『Goat Simulator 3』開発者に聞く。オンラインマルチプレイヤーも導入し、まさに“真のヤギ・シミュレーター”になった!?

――続編を作ろうと思ったきっかけは?

セバスチャンオリジナル版の開発は2014年から行っていました。そもそもこのゲームはゲームジャムで3ヵ月で作ったゲームのため、コードの出来がよくないのですが、ずっとこのコードベース上に構築してきました。そのため安定感がなく、時が経つごとに古さも目立ってきます。しかし、このゲームで実装したいアイデアはまだたくさんあったので、いちからやるほかなかったのです。

――開発チームはどれくらいの人数でしょうか?

セバスチャン当初は10人でしたが、現在は総勢25人になりました。

――『3』を作るに当たって注力した点、前作のユーザーのフィードバックを生かしてこうしたいと思った点を教えてください。

セバスチャン軸となったのは“オンラインマルチプレイヤーの導入”です。前作は、分割画面でのオフラインCo-opのみでしたが、「このゲームは、フレンズといっしょにプレイするのがいちばん楽しい」という意見を、私たちもプレイヤーの皆さんも共有していました。『3』をマルチプレイヤーベースで制作することによって、より多くの方にいっしょにプレイして楽しんでもらいたいと思いました。

――先ほどテスト版をプレイした限りでは、キャラの挙動が前作にかなり近い形で再現されているとの印象を受けました。あの、何というか、“雑な感じ”は意図的に作り上げているものなのでしょうか?

セバスチャン実際に今回プレイしていて、コリジョン(衝突判定)が少しずれているという問題がありました。しかしもっとも重要なことは、マルチプレイヤーを前提とした作りであるため、ひとつふたつの物体の関係性だけでなく、ワールドほぼ全体の物理演算が常時必要だということです。最大4人のプレイヤーでひとつの世界を共有するためには、すべての物体のポジションの同期が、とても重要になってくるのです。

サンティアゴ加えて、すべての物体が燃えたり、帯電したり、油まみれになるといったように、前作では省略されていた特性を適応し、その特性が物体間で相互に影響しあうように設計する必要がありました。

セバスチャン発生するリアクションに関しても、おもしろくて旨味のあるものでなければいけません。それらは、前作とはけた違いのクオリティーになっていますよ。

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――もっとも異常で無意味なフィーチャーは?

サンティアゴメジャーのようにものの長さを測れるようになる装備があります。ワールドのいろいろなものを測って回ることができますよ(笑)。

――『3』でついに、“真のヤギ・シミュレーター”になったということですね。

セバスチャン完璧に表現できたと思います。今作ではグラインディングや頭突きなど、さまざまなメカニクスを加えました。私たちはヤギを目にすることがよくあるのですが、実際トリプルジャンプ(三段跳び)をするんですよ。

――と言いつつも、明らかに別の動物の外見へのカスタマイズも可能ですが……。

セバスチャンほかの生き物に見えるかもしれませんが、全部ヤギです。まだら模様があって首が長いのは“背の高いヤギ”、ピンクで泥まみれになりたがるのは“おいしいヤギ”ということです。前作でもさまざまな変異種がありましたが、ヤギの外観が変わるのはこのゲームのコア要素のひとつであり、プレイスタイルが変化する根拠でもあります。

――リリースを楽しみにしている日本のファンにメッセージを。

セバスチャン近いうちにゲームプレイを世界に向けて公開できることにとてもワクワクしています。11月17日に発売ですが、事前予約特典で、ほかでは手に入らない装備が付いてきます。“真のヤギ”になりたい方はぜひ事前予約して下さい。

サンティアゴ近々もっとゲームを見てもらえるようになります。プレイした方の反応を見るのはつねに楽しいです。長くお話ししてきたゲームをようやくお見せし、プレイしみずから体験していただくことができる日が待ち切れないです。

――個人的観測としては、本作は皮肉屋な大人だけでなく、子どもたちにもとても好かれるゲームだと思います。そうした子どもたちへのメッセージもよろしくお願いします。

セバスチャンあえて分けなくてもいいような気もしますが(笑)、そうですね……「よい人生を送りたければきちんと学校に行き、楽しい人生を送りたければ『ゴートシミュレーター3』をプレイしてね」と言っておきましょう。

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