カプコンといえば、さまざまなアーケードゲームを発売してきた老舗メーカー。そのカプコンは、それらの名作たちを現行機で遊べるように、近年は現行機への移植作を精力的にリリースしてくれているのも記憶に新しいですよね（カプコンさんありがとう）。
そんなアーケードゲームたちの中から、『ストリートファイター』シリーズが礎を築き上げてきた対戦ゲームの名作を10本もまとめた夢のようなタイトルが、2022年6月24日にいよいよ発売となります！
それがこのNintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC（Steam）用タイトル『カプコン ファイティング コレクション』。過去にアーケードで一世を風靡したあのタイトルを、家でも遊びたい！ 本作はそんなファンたちの願いを叶えてくれる、ゲーセンファン垂涎の1本になっています。
ただの移植に留まらず、本作用に開発された追加要素も多数搭載。非常に丁寧な移植になっている点も見逃せません。本稿では、カプコンの対戦ゲームファンなら見逃せない本作の魅力をっちりご紹介します！
※記事内ではSteam版でプレイ・撮影しています。
選りすぐりの10タイトルが遊び放題！
本作に収録されるのは、以下に紹介する10本の対戦ゲーム。おなじみの対戦格闘ゲームに加え、落ち物パズルゲーム『スーパーパズルファイターII X』も収録されています。
『ウォーザード』が家庭用ゲーム機では初となる移植を果たしているのもポイントですね。
注目してほしいのが、『ハイパーストリートファイターII -アニバーサリーエディション-』が収録されているという点！ 『ハパII』といえば、初代『ストII』から『スパII X』の性能キャラクターが収録されています。つまり、これはもう『ストII』シリーズ5作が収録されている！ と言っても過言ではないはず！
個人的には、10タイトルではなく14タイトルが収録されていると錯覚するボリュームです。しかも、全タイトルオンラインプレイが可能だから恐ろしい！
そんな、文章で紹介するだけでも尋常じゃなく興奮してしまう珠玉の10タイトルをご紹介します。
ちなみに、公式サイトを見ると、アーケード版にあった一部の不具合も修正されているらしいです。丁寧な移植に驚きを禁じえません。
ヴァンパイア
ダークな世界観とキャラクターデザインで、当時のゲームセンターを魅了した『ヴァンパイア』シリーズの第1作。フォボスとパイロンも使用可能。
ヴァンパイアハンター
新キャラクターとしてドノヴァンとレイレイが追加。前作のキャラクターも総出演しており、ゲームバランスが調整されている。
ヴァンパイアセイヴァー
ジェダ、バレッタ、リリス、キュービィの4人が追加された代わりに、ドノヴァン、フォボス、パイロンが登場せず、キャラクターは計15人に。一定時間キャラクターがパワーアップする“ダークフォース”を絡めた駆け引きが激アツ。
ヴァンパイアハンター2
『ヴァンパイアハンター』の続編で、登場キャラクターは『ヴァンパイアハンター』と同じ。キャラクターの性能が調整されたほか、“ダークフォース”が使用可能になっている。
ヴァンパイアセイヴァー2
『ヴァンパイアセイヴァー』のキャラクターからガロン、オルバス、サスカッチが登場しない代わりに、『セイヴァー』にはいなかったドノヴァン、フォボス、パイロンが追加されている。『ヴァンパイアハンター2』と同時期にリリースされた。
ウォーザード（初移植）
対戦格闘ゲームにRPGのシステムを融合させた初移植タイトル。獲得した経験値によってレベルが上がり、キャラクターの能力を強化するといった独自システムが特徴的。
サイバーボッツ
ヴァリアント・アーマーと呼ばれるロボットに乗り込んで戦う。個性豊かなキャラクターに加え、操作するヴァリアント・アーマーを多彩なタイプから選択してプレイする。
スーパーパズルファイターII X
『ストリートファイター』と『ヴァンパイア』のキャラクターがコラボレーションし、パズルで対戦する異色作。同じ色の“ジェム”を集めて大きな塊を作って起爆して相手を攻撃。相手のフィールドをジェムでいっぱいにすれば勝利となる。二頭身になったキャラクターがかわいい。
ハイパーストリートファイターII
『ストII』シリーズ5作のコラボレーションタイトル。能力の異なるバージョンどうしのキャラクターを対戦させられる。“EXセッティング”で豪鬼の出し方を“簡単”に設定しておくと、隠しコマンドを入力しなくても、リュウの↑（ケンの↓でも可）を入力するだけで豪鬼が使えるところもポイント。もう“茶色リュウ”とはオサラバ！
ポケットファイター
『スーパーパズルファイターII X』の二頭身キャラクターが激しいバトルを展開する対戦格闘ゲーム。画面に出現するジェムを集めると段階的に必殺技が強化される。
『ストリートファイター』や『ヴァンパイア』などと比べると操作がシンプルで、はじめて対戦格闘ゲームに触れる人にも遊びやすいのが魅力。
ゲームをさらに楽しむ便利機能もアツい！
『カプコン ファイティング コレクション』はアーケード版の移植になりますが、移植に留まらないさまざまな追加要素を収録しているのも特徴となっています。
目玉となるのは、離れた人と対戦するオンラインプレイや、ひとりでコンボや立ち回りを練習するトレーニングモードの存在。「当時のアーケード版にはなく、後付けされた機能だから、どうせ簡易的なものなのでは？」と思う人もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです！
オンラインプレイは、実力の親しい人とプレイできるマッチング機能を搭載。プレイ結果に応じてランクが上下するガチンコの対戦にアツくなれるほか、行きつけのゲームセンターで遊んでいるかのごとく、友だちとじっくり対戦することも可能なんです。
また、トレーニングモードは、キー入力表示やダメージ数表示、相手キャラクターに好きな行動を取らせる機能など、昨今発売される対戦格闘ゲームに搭載されている便利機能もしっかりと搭載されているのがポイント。
現代に蘇った9タイトル（※）のコンボや操作練習を、じっくりと楽しめるようになったことも、お伝えしておきたいポイントです。
※『スーパーパズルファイターII X』はトレーニングモード非対応。
オンラインプレイ
実力の近しい人とマッチングするカジュアルマッチ、勝敗で増減するポイントでランキングが変動するランクマッチ、ルールを自由に変更して最大9人で回しプレイができるカスタムマッチの3種類がプレイ可能。
カスタムマッチでは、対戦していないプレイヤーはバトルの観戦が可能です。
トレーニングモード
好きなキャラクターとステージを選んで、操作練習が行える。体力が自動回復するのはもちろん、“スーパーコンボ”などの使用に必要なゲージがつねに満タンなのも、当たり前だかうれしい要素。
ミュージアム
本邦初公開となるものを含めた、500点以上のアートワークが好きなだけ鑑賞できる“ギャラリー”、本作に収録されたBGMを聴ける“サウンドプレイヤー”を完備。オンラインプレイを待ち受けているあいだ、これらの資料を観て時間を潰せる便利機能も。
そのほかの便利機能
そのほかにも、本作には痒いところに手が届くさまざまな便利機能が用意されています。
- ファイターアワード：条件を達成するとメダルが獲得できる実績機能
- 画面フィルター：ゲームセンターの筐体画面を再現するエフェクトをかけられる
- ボタンカスタマイズ：各ボタンで出せる技を好きなように設定。必殺技やボタンの同時押しをワンボタンに設定することも可能
- EASYモード：CPU戦の難易度を自由に変更可能。易しくも難しくもできる
- 中断セーブ・ロード：ゲームプレイ中の好きな場所でセーブ・ロードができる。ボス戦などの再チャレンジも楽々
昔の対戦格闘ゲームといえば、CPU戦は難度が高く、エンディングまで到達できなかったという人も多いはず。そんな人には、ゲーム難易度を下げてプレイすることをおすすめします。
また、本作独自の機能として、ワンボタンで必殺技やスーパーコンボなどを使用可能になるボタンカスタマイズも用意されているので、「真空波動拳が出せねえ！」という心配も御無用です。
ただし、ワンボタンで必殺技などが出せる機能は、ランクマッチでは使用不可能。スクリューパイルドライバーを連打するザンギエフで猛威を振るうことはできないようです。チェッ（そりゃそうだ）。
ただの移植ではない丁寧なゲーム作りに驚嘆！
基本はアーケード版の移植と銘打っていながら、オンラインプレイやトレーニングモードなどの追加要素を加え、それぞれのゲームを120％楽しめるような内容になっている『カプコン ファイティング コレクション』。過去の名作がこれ1本で楽しめるおまとめソフトでありながらも、昨今に発売されているフルプライスの対戦格闘ゲームと並べても遜色ない、高クオリティーのゲームプレイが堪能できる点は見逃せません！
ビジュアルやBGMもたっぷりと収録され、資料的な価値もばっちり。友だちを誘って、かつてゲームセンターで対戦に明け暮れた日々を再現してみてはいかがでしょうか？ 自分は『ハパII』の“ダッシュベガ”を使って、不特定多数の人を地獄に叩き込みたいと思っています！（俗に言う“サイコテイル”で）
