片手でゲームが遊べる時代に

 2012年(平成24年)2月20日は、『パズル&ドラゴンズ』(以下『パズドラ』)のiOS版がリリースされた日。本日でサービス開始10周年を迎えた。

 本作は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントから配信された、パズルゲームとRPGを融合させたタイトル。スマートフォンが普及し始めた2012年にiOS版(当時の最新機種はiPhone4S)が先行配信され、リリース直後から爆発的に広がり、約半年後の2012年7月15日に100万ダウンロード達成。約1年後の2013年3月9日には1000万ダウンロードを達成するメガヒットを記録した。2021年10月の段階で国内累計ダウンロード数は5800万達成しており、多くのユーザーに受け入れられた(DL数はガンホー・オンライン・エンターテイメント発表のもの)。

 本作は、5体のモンスターとフレンドのモンスター、計6体でチームを編成し、ダンジョンに挑み、マッチ3ゲーム方式のパズルで立ちはだかる敵を倒していくパズルアクション。当時のスマホゲームアプリは、フラッシュゲーム(Adobe Flashを用いて作成されたゲームの総称)が主流であり、当時のスマートフォンでのアクションゲームは性能面や技術的に不可能に近かった。そんな中、『パズドラ』はハードなパズルアクションにも関わらず、そのときの最新端末より古い機種でも問題なくプレイが可能だったことに、驚いたユーザーも多いだろう。

『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】
『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】

 メインとなるパズルシステムは、4秒間という制限時間のなか、ドロップを自由に操作できるという、当時のマッチ3ゲーム方式としては珍しい斬新なシステムだった。片手でも遊べるシンプルな操作性で子どもでも楽しみやすい一方、数百種類以上のモンスターの中からベストな編成を考えたり、素材を集めてモンスターを育成するなどのRPG要素も豊富で、純粋にパズルを楽しむ者も居れば、片っ端から育成をするユーザーなど、いろんなプレイスタイルで遊べたのも『パズドラ』の魅力。

『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】
『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】

 これまで『パズドラ』では数々のダンジョンが実装されてきたが、筆者がとても印象的だったのは“ヘラ 降臨︕”で、実装当時はクリアーまで最短40分という超高難易度ダンジョン。主流だったゾンビパーティーは、耐久力と勝率は高いものの、運に大きく左右された。その理由は、受けられるダメージが1撃で、連続で攻撃されると耐えないため、複数の敵の攻撃が被ってしまうと負けが確定してしまうから。5バトル目以降は単体の敵だったが、そこまでの道のりは敵の数がランダム出現かつ、1バトル進むのに10~20分かかるため、4バトル目に1ターン沸きが複数体出た時にはもう絶望した。何とか突破し、その先に待っていたボスフロアでヘラを見たときは、まだクリアーしていないのにもかかわらず、達成感に溢れた。

『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】
『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】

 そんな本作で画期的なアップデートだったのが、2013年9月13日に追加された“能力覚醒システム(覚醒スキル)”。覚醒スキルとは、モンスターにパラメーターやスキル、リーダースキルのほかに、新たに能力が設定され、ステータスが上昇や特定の属性からのダメージを軽減するものなど種類はさまざま。とくにドロップの消し方によって発動する覚醒スキルには衝撃を受けた。同じ色を横1列で消すと攻撃力がアップする“列強化”や、同じ色を4つだけつなげて消しすることで発動し、2体のモンスターに同時攻撃できる“2体攻撃”能力など、従来のパズルシステムを崩さず、よりパズル操作に趣を持たせた。

『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】
『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】

 また、『パズドラ』といえば多くのコンテンツとのコラボが開催され、これまでにコラボしたコンテンツは65種類以上、計150回以上。『ドラゴンボール』や『BLEACH』など少年向けコンテンツから、『ハローキティ ワールド』や『カピバラさん』などの女性向けコンテンツと、幅も広いコラボが実装されてきた。キャラクターの登場のみならず、『ストリートファイターV チャンピオンズエディション』コラボでは、ダンジョンがアーケード版『ストリートファイターII』を再現した特別仕様のダンジョンになったり、『ワンパンマン』ダンジョンでは、原作通りに敵をワンパンで倒せるなど、原作に忠実な作りこみが多くのファンを魅了した。

 ちなみに、ファミ通おなじみのマスコットキャラクター“ネッキー”も登場しており、パラメーターや合成経験値をファミ通にちなんだ“832”という数値にするというこだわりぶり。

『パズドラ』サービス開始10周年。ゲーム業界に大きな変革を起こした、スマホアプリの立役者【今日は何の日?】

 そんな同作の10周年を記念した特集を2月24日発売の週刊ファミ通3月10日号で掲載。10周年注目のアップデート情報や、著名人やゲームファンからの『パズドラ』愛に満ちたメッセージ、森下一喜氏と山本大介氏へのロングインタビューでは、10年間の『パズドラ』にまつわる思い出をたっぷりとお聞きしつつ、気になる今後の施策について訊いているので、こちらも要チェック!

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