2021年11月25日(木)にプレイステーション4で発売予定の『バイオハザード 25th エピソードセレクション』。ナンバリング作品すべてをお手頃な価格で体験できる、25周年にふさわしい豪華なパックとなっている。ここでは、『バイオハザード ヴィレッジ』ディレクターの佐藤盛正氏に本作の発売秘話から『バイオ』にまつわる貴重なお話まで伺った。ファンはもちろん、これを機に『バイオ』を始めたい人も、ぜひ目を通してほしい。

※本記事は、週刊ファミ通2021年11月11日号(2021年10月28日発売)に掲載したインタビューをまとめたものです。

佐藤盛正氏(さとうもりまさ)

佐藤盛正(さとうもりまさ)氏
『バイオハザード7 レジデント イービル』でシナリオディレクターを、『バイオハザード ヴィレッジ』ではディレクター兼シナリオを担当した。

「これを機に“恐怖を克服する気持ちよさ”を体験してほしい」

――『バイオハザード 25th エピソードセレクション』が立ち上がった経緯は?

佐藤コレクションにも向いているのですが、テーマに沿って数作ずつ、お得な価格でまとめられています。好みのエピソードだけ買うなど、シリーズの入門にもおススメのパッケージです。

『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?

――『バイオハザード』シリーズは、現行機でもすべてのナンバリング作品が遊べます。初期作品のHDリマスター化や、再構築作品を出すメリットについて、どうお考えでしょうか?

佐藤『バイオハザード』は四半世紀も続くシリーズですが、同じ世界観の中で連綿とシリーズが続く、と言うのは長寿シリーズでは少数派かもしれません。お話しが地続きである以上、現役のハードで、少なくとも根幹となる作品は遊べるようになっているのが理想だと思います。

『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?
『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?

――『バイオハザード』の魅力とは何でしょうか? 佐藤さんのお考えをお聞かせください。

佐藤多面的な魅力を持つシリーズなので難しいですね。あえてひとつ挙げるとすれば、“恐怖を克服する気持ちよさ”ではないでしょうか。ただ「怖い!」で終わるのではなく、必死に戦ったり、謎解きをしたり、工夫して困難を乗り越えていく。この過程でプレイヤーが内面的な成長を遂げられるのが、『バイオハザード』シリーズの肝だと思っています。

『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?

――佐藤さんがディレクターとして手掛けられているシリーズ最新作『バイオハザード ヴィレッジ』(以下、『ヴィレッジ』)発売から半年近くが経過しました。ファンからの反響はいかがでしょうか?

佐藤TwitterやYouTubeで皆様の感想や実況プレイなど観させていただいていますが、こちらが想像していた以上に好意的なご意見が多く、正直ホッとしています。なかでもうれしかったのは「泣けた、感動した」という感想が非常に多かったことで、ディレクター兼シナリオ担当の冥利に尽きると感じております。

『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?

――『ヴィレッジ』について、「おもしろそうだけど怖いのは苦手なので購入を迷っている」、「PS5で遊びたいので本体入手待ち」などで未プレイのファンもまだまだいると思います。そこで、改めて本作の魅力を教えてください。

佐藤『ヴィレッジ』は、怖いだけのゲームではありません。ワクワクする冒険や、熱い人間ドラマ、“四貴族”を始めとするユニークなキャラクターたちなど、ホラーが苦手な方にも楽しんでもらえる、エンタメ感抜群の作品となっています。まぁ、ガチホラーな場面もまったくないわけではないですが......。それでも、幅広い層のお客様に楽しんでもらえるように工夫しましたので、毛嫌いせずに遊んでみてください。またPS5をお持ちでない方は、PS4版(ダウンロード版)をご購入いただければ、無償でPS5版にアップグレードできます。セーブデータもそのまま移行できるので、 先にPS4版で遊ぶという選択肢も、ぜひご検討ください!

『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?

――『ヴィレッジ』は怖いながらもどこか憎めない、個性的なキャラクターが数多く登場しました。個人的に気に入っているキャラクターはだれでしょうか? 理由もお聞きしたいです。

佐藤カール・ハイゼンベルクです。彼は『バイオ』としてはかなり型破りな能力を持っていますが、あれは「本作はプレイヤーの予想を裏切り続ける作品にするぞ!」という、私たちの意気込みの象徴だと思っています。またキャラクター的にも複雑な内面を持っており、シブい外見の反面、ちょっと“厨二病”的なセンスを持っているあたりなども好きですね。

『バイオハザード 25th エピソードセレクション』発表記念インタビュー。佐藤盛正ディレクターが語る『バイオハザード』の魅力とは?

――『4』がVRになったり、 実写映画が公開、CG映画が配信されたりと、さまざまな形で『バイオハザード』の世界が広がっています。今後目指したい『バイオハザード』の方向性について、ぜひお聞かせください。

佐藤とくに具体的なイメージがあるわけではないのですが、「けっきょく、ホラーってなんだろう?」なんて根源的な疑問をいまさら考えたりしています。ホラーのクリーチャーやシチュエーション、展開などには定番の“お約束”がありますが、本来“恐怖”とは、予測できない未知の事象に感じる原始的反応です。なので、“お約束”を破った先にこそ新しいホラー、新しい『バイオ』があるような気がするのですが……。まだまだ悩み続けています。

――今後の最新作を楽しみにしているファンに向けて、最後にひと言お願いします。

佐藤『バイオハザード』シリーズは、最高のホラーアドベンチャーを求めて、ときには驚くべき“変化”も取り入れつつ、つねに進化をくり返してきました。これから『バイオ』がどんな進化を遂げていくのかは、わたしにもわかりません。でもどんな形であれ、皆さんに最高のホラー体験を与えてくれるはずです。これからも『バイオハザード』にご期待ください!

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