2021年6月11日に発売された、プレイステーション5、プレイステーション4、PC用対戦格闘ゲーム『GUILTY GEAR -STRIVE-(ギルティギア ストライヴ)』。本作は、アークシステムワークスが手掛ける人気シリーズ『ギルティギア』の最新作となるタイトルで、これまでのシリーズとは一線を画するゲームシステムや、精巧に作られた3DCGグラフィックが特徴だ。

【ネタバレ注意】『ギルティギア ストライヴ』インタビュー。カイのドライン、イノの目的、ファウストの変貌……などなど、気になることを聞いてきました
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 なかでも、ストーリーモードはフル3DCGアニメーション、フルボイスで描かれ、5時間以上ものシナリオを堪能することができる。

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 本稿ではそのストーリーモードを観たうえで、気になること、疑問に思ったことを開発者である石渡氏、片野氏にインタビュー。さらに、読者から募集した『ギルティギア』について聞いてみたいこともQ&A形式でお答えいただいた。

 書かれている内容については、完全に本作をプレイしたことがある人に向けての内容となっているので、ネタバレをしたくないという人は閲覧しないようにご注意いただきたい。

【ネタバレ注意】『ギルティギア ストライヴ』インタビュー。カイのドライン、イノの目的、ファウストの変貌……などなど、気になることを聞いてきました
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石渡太輔(いしわたりだいすけ)

シリーズの生みの親。『ギルティギア』ではゲームデザインからシナリオ、イラスト、音楽まで幅広く携わっている開発のキーマン。

片野アキラ(かたのあきら)

石渡氏とタッグを組んで、ゲームの中身を統括するディレクター。ディレクターとしては『イグザード』シリーズから継続して担当する。

ハッピーケイオスとイノ、その目的とは?

――『ギルティギア ストライヴ』で、長年続いていたシリーズのストーリーがいったんの完結を迎えました。ストーリーでは、ソルの力が飛鳥に抜き取られたような描写がありましたが、ソルは人間に戻ったのでしょうか。

石渡いわゆる“神の力”に近しいものを失っただけで、ギア細胞が完全に体から抜けたわけではない状態です。

――なるほど。ソル自身の戦闘能力がなくなったわけではないのでしょうか。

石渡これまでと比較すれば極端に下がっていると思いますが、戦闘能力がなくなったわけではありません。

――ストーリーに登場したハッピーケイオスという人物は、いろいろな意味で衝撃を与えるキャラクターでした。彼についてはお伺いしたいことが多数あるのですが……まず、なぜ彼はアリエルス(=慈悲なき啓示)の中にいたのでしょうか。

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石渡まず、イノという存在がバックヤードにバグとして誕生します。その後、イノと第一の男が接触したのですが、そのときに第一の男がイノから感情に相当するものを省いてしまったんです。

――それは、イノが危険な存在だからでしょうか?

石渡そうです。イノは半分だけがカラッポの人間になるのですが、奇跡的な成長を遂げ、いまのような形になりました。イノから抜き取った感情というか“欲望”のようなものは、バックヤードにて管理されることになりました。その後、慈悲なき啓示が第一の男と対立するシチュエーションが生まれます。ですが、慈悲なき啓示はロボットのような存在なので、“ロボット三原則”的な“人間に害をなしてはいけない”というルールに縛られています。慈悲なき啓示は、そのルールをすり抜けるために、この欲望を第一の男に植え付けてしまったんです。

――それはなぜなのでしょうか。

石渡第一の男は欲望を植え付けられたことで、人間性が崩壊するような狂った状態になりました。

――そうなれば、慈悲なき啓示も危害を加えられるようになるんですね。

石渡その後、第一の男は狂った状態でバックヤードを彷徨っていました。そのあいだに、慈悲なき啓示はいよいよソルたちと戦い始めるという段階まできたのですが、人間というか“人間性”みたいなものを理解しないこと、ソルたちとはいい戦いができなさそうだと理解します。そして人間性みたいなものは、第一の男が持っていたなと思い出し、それを手に入れるためにバックヤードから第一の男(ハッピーケイオス)を引っこ抜いて自身の中に入れた、というのが一連のあらすじです。

――なるほど。だから、ハッピーケイオスを引き抜かれた後の慈悲なき啓示は、感情みたいなものを失ったんですね。

石渡ただ、人間の欲望というのは強すぎたので、アリエルスもハッピーケイオスも、ああいった刺激的なキャラクターになってしまったという。

――ストーリーでは、ハッピーケイオスを飛鳥が作ろうとしていた存在だという会話もありましたが、彼の存在は、それとはどのような関係があるのでしょうか。

石渡もともと、ハッピーケイオスは、飛鳥が作ろうとしていたもうひとりのジャック・オーの名前だったんです。ひとりはアリアを人間に変えるためのユニットで、もうひとりがイノを人間にするためのユニットという設定です。ですが、ハッピーケイオスという名前は、『ギルティギア イグザード レヴツー』のレイヴンとジャック・オーの会話の中ですでに登場していまして、それが本作に登場するハッピーケイオスの耳に届くことになりました。彼としては名前がおもしろいから、便乗して名乗っているだけなんです。

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――飛鳥が作ろうとしていたハッピーケイオスと、本作に登場したハッピーケイオスは別人なんですね。

石渡そうです。

――では、ハッピーケイオスがジャック・オーと同じ天使の輪を持っているのには、何か理由があるのでしょうか。

石渡作中では明言していないのですが、ふたりが同じデザインの天使の輪を持っているのには理由があります。秘密の理由が。

――何かしらの理由があると。では、ハッピーケイオスが『ギルティギア ストライヴ』での騒動を起こした本当の理由はあるのでしょうか。それとも、彼が言うように「ドラマが見たい」というのが真実なのでしょうか。

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石渡簡単に言うとそれで間違いはありません。彼自身は、いまの未熟な人類の文化の、エモーショナルな部分が大好きなんです。人間は効率化を突き詰めていくものですが、それが行き着くと機械的になってエモさを失っていきます。ハッピーケイオスには、その先にある未来が非常につまらないと思っているんです。その未来を迎えるのが彼はイヤだったので、それをなんとかしてくれそうなイノに味方したような形ですね。

――最初から、人類に害する存在というわけではないんですね。

石渡彼は人間に“答え”を出してほしくないんです。答えを出してしまうとエモさを失ってしまうから。つねにかき混ぜてみたいというか、固まってもらっては困ると。だから、彼自身がトラブルを起こしたと。

――今回、そのトラブルを生み出せるのがイノだったから、彼女に味方したわけですね。

石渡最初からイノの味方になるわけでもなくて、もしかしたらソルたち人類側に味方するような可能性もあったわけです。

――それに続く話題なのですが、イノ自身も、作中では目的が具体的に明言されていませんでした。彼女は一体、何がしたかったのでしょうか。

石渡大人になると、子どものころに楽しめていたものが楽しめなくなってしまいますよね。彼女はそういった状態で、それを否定したくて、気性の荒い人間を演じ続けていました。昔はそれを取り戻そうとしていたけど、何をしても戻ってこない。どういう方法があったんだろう、どういう答えがあるんだろう。それを見つけたいがために、全人類を自分と同じ存在にして答えを見つけたかった。自分と同じ存在になった全人類がいれば、答えも出ると思っていたんです。

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――イノはそういった目的を達成するために、全能の力を得ようとしていたんですね。ちなみに余談ですが、イノと同じ力を持つアクセルですが、『ギルティギア ストライヴ』のストーリーでは大活躍でした。しかし、イノと同じ力を使いすぎると元の世界に戻れなくなるといった描写もありましたが、それについてアクセル本人はどう考えているのでしょうか。

石渡過去作のストーリーでも少し語られていますが、彼自身は元の世界に戻る方法を知っています。ですが、それを実行すると、いまの世界(ソルたちがいる世界)にどのような影響があるのかも知ってしまったんです。アクセルはいまの世界のソルたちのことも大好きなので、この世界に迷惑をかけないために、元の世界に戻ることを諦めました。ですが、アクセルは皆さんご存知なように超前向きな男なので、過去を振り返らずに、この世界での生きかたを探している、というのがストーリー中の彼になります。

――さすがはアクセルですね。超前向き。

石渡ストーリー序盤ではかなり悩んでいましたが、果物売りのおじさんからアドバイスをもらったり、ハッピーケイオスとイノが現れたりしたことで、アクセルはこの世界での生きかたを決めました。

――続いての話題ですが、カイもソルのようにドラゴンインストールを使って、万能の力を持つイノに一撃を加えるシーンがありました。あれはファンにとっても衝撃的だったと思いますが、カイの身に“ユノの天秤”の力が宿ったという解釈でいいのでしょうか?

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石渡そうですね。あのカイは、ユノの天秤の力の一部を発揮した状態になります。

――勝手に想像すると、カイはシンと眼を交換したため、ギアの力に体を侵食されていると考えるのですが……。

石渡この場でお話することはできないのですが……。ディズィーとカイの関係が影響しているのは間違いありません。これ以上はご勘弁を(笑)。

――このほか、細かい話なのですが……。ストーリーのエンディングのシーンでは、ソルがジャック・オーといっしょにいるシーンが描かれていました。あのジャック・オーはアリアではなく、ジャック・オー自身なんですよね?

石渡彼女はジャック・オーです。アリアであり、ジャック・オーであるという存在になっていますが、どちらかと言えばジャック・オーです。

――なるほど。ソルはエンディングでスペースシャトルのような機械を作っていましたが、あれは飛鳥に会いに行こうとしているのでしょうか。

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石渡そうですね。べつに喧嘩を売りにいこうとしているわけではなくて、友だちが宇宙で独りぼっちでいるから、会いに行ってびっくりさせてやろうくらいの感じです(笑)。

――飛鳥は“魔王”と呼ばれるほど、世界に混乱を引き起こした人物という風に描かれています。ですが、実際には飛鳥自身が悪いことをしようと思ってしたわけではないと考えていいでしょうか。

石渡ジャスティスの暴走は慈悲なき啓示によって引き起こされたものなので、飛鳥自身のせいではありません。ソルをギアに改造したのも、アリアの病気が治るまで生きながらえさせるためのものでした。自分なりに最善を尽くして行動したのですが、その結果、いろいろな人に恨まれてしまったと。

これまでの『ギルティギア』。これからの『ギルティギア』

――ストーリーについての細かい質問にご回答いただき、ありがとうございました。ここからは、片野さんにもご参加いただき、インタビューさせていただきたいと思います。

片野よろしくおねがいします。

――2021年6月にリリースされ、早々に50万本をセールスしたというニュースも流れるほどの人気ぶりですが、いまのお気持ちはいかがでしょうか。

石渡今回、ゲームをガラリと変えて不安に思う部分もありましたが、ユーザーの皆さんが我々の意図した“ゲームの楽しさ”を味わっていただけているようで、うれしく思っています。

片野シーズンパスもまだ途中ですし、格闘ゲームはロングスパンで話題を提供していくものですから、どちらかというとこれからがんばっていかないといけないと考えています。

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――課題というのは、具体的にどのようなものを考えられていますか?

片野過去シリーズのいちばん大きな違いとして、発売を迎えて英語圏のユーザーさんがすごく増えたんです。これまで我々が見てきたのは日本のお客さんが中心だったのですが、本作では海外のお客さんから非常に多くの反響が届きました。ゲームの内容も含め、考えかたや意識をワールドワイドに適応する形に変えていく必要があると考えています。

――石渡さんとしては、ソルとは長いつき合いだと思うのですが、本作でソルの物語が完結して、感慨深いものがあるのではないでしょうか。

石渡じつは『ギルティギア ストライヴ』の企画を立ち上げた段階では、このタイミングでストーリーを完結させるべきなのか否か、けっこう揺れていたんです。

――次作以降で、ストーリーが完結する可能性もあったと。

石渡物語のボリュームがすごくあって。ストーリーのボリュームはだいたい5時間程度で計算していたのですが、これだけの長尺であっても、表現しきれるのかという不安がありました。ですが、ただ冗長にお話を続けていくよりは、本作でいったんは区切りを設けるべきだと決めまして、今回のような結末になっています。ソル自身が何を告げたかったのか、何と戦っていたのかに関しては言いたいことは言えたので、私個人としては、とりあえずは胸をなでおろすことはできそうです。

――第一の男がハッピーケイオス自身だというのはかなり衝撃的な展開でしたが、こういう設定は最初から決まっていたのでしょうか。

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石渡誰がどうなる、みたいな細かいところは漠然としたイメージでしたが、第1作のころから、こういうストーリーの結末を迎えるというのは決まっていました。具体的になったのは、第1作がリリースされてからずっと先にはなりますが。

片野先ほど石渡が言ったように、『ギルティギア イグザード レヴツー』のときに、レイヴンのアーケードモードで、ハッピーケイオスという単語はすでに登場していたんです。なので、コアなファンの方からすると、彼の登場は意外と予想できた展開だったんじゃないでしょうか。

石渡こういう細かい仕掛けみたいなものはちょいちょい入れていまして。よく言われるんですけど、ラムレザルがレオに好意を持っているという設定が急に出てきたと言われていますが……。じつは、過去作のストーリーモードで、レオにやさしい言葉をかけられたラムレザルのリアクションを、ふだんの彼女とはちょっと違う表情に作っていたりするんです。

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――ラムレザルがレオに好意を持つきっかけは、すでに登場していたと。

片野そういうネタはけっこうあるんですよ。こっそりと入っていたりするので、これまでのストーリーを見返していただくのもおもしろいんじゃないでしょうか。

石渡ただ、設定とか説明が多すぎると、ストーリーではそれを語るだけでも膨大なボリュームが必要になってしまうので、つぎに何かを作るとしたら、もっとシンプルなものにしたいです(笑)。

片野本作は、本作からストーリーを観てもエンターテインメントとして楽しめるものにしたかったので、前作までの設定をどれくらい説明するか省くかというのは、一同考えるのに苦労しました。

――『ギルティギア』シリーズとしては、ストーリーが完結を迎えたわけですが、ファンとしては今後もシリーズが続いていくことを望まれていると思います。それについてはどうお考えでしょうか。

石渡う~ん、たぶん僕はやらないです。

――もう『ギルティギア』シリーズは作らないということでしょうか?

石渡いえ、そうではありません。たぶん、本作のように僕が中心となって『ギルティギア』の新作を作るようなことはない、ということです。格闘ゲームないし『ギルティギア』は、基本的に若い世代の開発者が新しい感性で作ってほしいという希望があります。僕の頭の中では『ギルティギア』の世界は膨らんでいるのですが、いまのところ、これを外に出す計画は作っていません。ですが、あくまでいま思っているだけで、絶対ではありませんのでご注意ください。こう言いつつも、どこかで次回作を作るかもしれませんので(笑)。

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――若い世代が、続けていくのであれば続けてほしいと。

石渡べつに『ギルティギア』じゃなくてもいいと考えてもいます。

――けっこうな爆弾発言な気もしています。

石渡(笑)。そうかもしれません。

――これを受けて片野さんはいかがでしょうか。

片野石渡がどう関わるか、というのはわからないですが、アークシステムワークスが格闘ゲームを作らなくなるということはないかなと思っています。

石渡『ギルティギア』というのは、よくも悪くも、僕のワンマン、エゴでやってきたものなので、何をするにも、僕の許可がないと先に進まない部分がたくさんあったんです。まずはそれを変えたいというのがひとつですね。僕としては、『ギルティギア』に限らず、アークシステムワークスがこれまで作っていたIP(知的財産)を物語と同時に終了させるというのは考えていません。なんらかの形で、続けていきたいと考えています。

――私もいちファンとして、『ギルティギア』を続けていっていただけるとうれしいと思っています。

石渡もちろん、もう本作で『ギルティギア』は終わりです! というわけではありません。ゲームなのかほかの形なのかはわかりませんが、何らかの形でアウトプットし続けていきたいと考えています。

――期待させていただきます。最後に、この記事を読まれているファンの方に向けて、メッセージをお願いします。

石渡本作を発売してよかったなと思うのは、新規層の獲得が成功したという部分でした。この作品を経て、対戦格闘ゲームや『ギルティギア』に触れるという人が非常に増えたと感じています。ゲームを始めたばかりの人が多いタイミングなので、いまプレイすれば、ビギナーの方どうしでの対戦も多く発生すると思いますので、白熱の対戦を楽しんでいただけるのではないでしょうか。ぜひ、気になったら手に取って遊んでみて、対戦格闘ゲームのおもしろさを感じていただければうれしいです。

片野ありがたいことに売上はどんどん伸びているのですが、シーズンパスのリリースもありますし、出して終わりではありません。これからもどんどんアップデートしていき、皆様がより楽しめるように尽力してまいりますので、引き続き『ギルティギア』シリーズをよろしくお願いいたします。

読者からの質問に石渡氏が答える!

 ファミ通.comでは今回のインタビューにあわせ、読者から『ギルティギア』シリーズについての疑問をアンケートにて募集した。この疑問に対する回答を、石渡氏に直撃。ここで初めて明らかになる回答ばかりなので、要注目だ。

Q:ファウストの様子がおかしくなった理由が知りたいです。(とびぃさん)

石渡ファウストはみずからを陥れた主犯のクロノスを許しました。恨みを晴らすことよりも、クロノスに贖罪を求めたからです。ファウスト自身も同じように過去の過ちで自分を裁くより、闇医者として生きていくことを決めていました。しかし、無意識のうちに、どこかでやはり自分は裁かれるべきだという想いも抱え続けていました。死に場所を見つけるような生きかたをしていたとも言えます。

 現在本編では描かれていないエピソードですが、ある時そんなファウストの無意識が人を救うために邪魔になる緊迫の瞬間が訪れます。ファウストは医者としての自分の初心を必死で思い出そうとします。その結果、ファウストは過去の自分が複雑にオーバラップした存在となってしまいました。

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Q:エンディング後のアクセルに、因果律干渉体としての力は残っていますか?(AGOMAMさん)

石渡残っています。

Q:序盤に出てきた賞金首の男の名前は何というのですか?(甘唐辛子さん)

石渡マルコム・マイヤーズです。デザインを担当したヤンキー浅野が命名しました。

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Q:アクセルもやろうと思えば、月を引っ張ったりできますか?(びでんさん)

石渡できます。ただし、やろうと思ってもすぐにできるわけではありません。何をするにも、それを行うための知識が必要となります。イノと比べるとアクセルは魔法や物理学的な知識がないため、高度なことをするためにはまずそれらを学ぶ必要はあります。それでも不思議なことに、アクセルは勘でなんとなくできるということもあります。説明はできなくとも、できてしまうことはあるようです。

Q:ハッピーケイオスはストーリーの最後ではどうなったのでしょうか?(ギャハンさん)

石渡平たく言えばハッピーケイオスは生還しています。どこに、どのように、という内容はまだお話できる段階ではありませんが、彼の言葉を借りるならば、何かが彼を必要としているのでしょう。

Q:カイの電撃の色が青から黄色になったのはどうしてでしょうか?(mynさん)

石渡電撃の色が変わっていることは、彼の身体に変化があるという設定に準拠します。しかし、色の選定はゲームの視認性を重視して設定されています。

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Q:なぜカイはドラゴンインストールを使えるようになったのですか?(俗物さん)

石渡ディズィーの細胞がカイの体内に混入したことがきっかけです。なぜそんな事になったのかは、いつかさらっと説明する日が来るかもしれませんが、おそらく意外な経緯と思われるでしょう。

Q:カイにユノの天秤の力が混ざっていることをソルやディズィー、シンたちは知っているのでしょうか?(みたらしごはんさん)

石渡ディズィーはその経緯も含めて完全に知っています。フレデリックは状況から察して理解していますが、それをカイに言及はしていません。シンも知っていますが、あまり理解していません。

Q:ジャック・オーの髪の毛の色が『ギルティギア イグザード』シリーズと表裏が逆になっていることには理由があるのでしょうか。(3級褐色剣士さん)

石渡ジャック・オーがアリアの魂を吸収したことによって、髪の毛は本来の色に戻るはずでした。しかし、アリアの精神が不安定であったため不具合が発生した結果、いまの色になりました。

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Q:ミリアの禁獣は、もう暴走の危険はないんでしょうか?(たいがさん)

石渡暴走の気配はありませんが、力を得るための対価は依然として彼女を蝕んでいます。これに関してはまたややこしい設定があるので、どこかでお話できる機会があればと思いますが……。

Q:エンディングでカイやディズィーたちの後ろにテスタメントがいましたが、彼はいまどうしているのでしょうか?(ぼいさん)

石渡いま、彼はディズィーを匿っていた老夫婦と生活しています。テスタメントは彼らと接触することを避けていましたが、ディズィー討伐隊が夫婦に危害を加えないか見守っていたところ、自然の流れでお互いを受け入れたようです。人間を敵視することはなくなり、穏やかな青年として仕事もしています。ジョニーのところにもたびたび遊びに行きます。

Q:名残雪があの場所に封じられていた(?)理由を知りたいです。(ブロリーさん)

石渡聖戦のさなか、ハッピーケイオスが名残雪を発見し、封じ込めました。“取っておいた”と言った方が正しいです。ハッピーケイオスは、名残雪の戦闘能力や精神、自分の弱点を知っている部分を気に入っています。しかし、じつはいちばん重視している部分がほかにあります。それはヴァンパイアのような亜人が持つ隠された特性なのですが、その話はいずれ紹介できればと思います。

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Q:アーケードモードの時系列は、ストーリーモードと比較するといつごろのお話になるのでしょうか?(たこさん)

石渡基本的にはストーリーモードの事後となります。キャラクターによっては若干パラレルな扱いをしている場合もあります。

Q:ザッパは除霊されたのでしょうか?(rseiさん)

石渡ザッパはS子に取り憑かれたままです。ただし、自分の身に起きていることを正しく理解したことによって、S子やほかの霊たちを受け入れることができています。彼自身が戦うようなことはいまとなってはなくなりましたが、必要に迫られることがあれば、彼らの力を借りることでしょう。

Q:エンディング時点でのソルとジャック・オーのふたりの1日が知りたいです。ふだんはどんな風に過ごしているのでしょうか。(SDFさん)

石渡フレデリックは暇や趣味の時間を楽しむことにしています。積極的にアウトドアを楽しんだりはしない生活で、シャトルや怪しげなメカを黙々と作り、ぼぉっとしたり、夜になるとジャック・オーとラジオを聞きながら飲み物を飲んだりしています。お互いそばにいればそれだけで落ち着くようで、ストーリー本編のときより会話は少なくなっているほどです。ただ、フレデリックは、アリアと過ごした過去の教訓から、自分だけの世界に入りすぎないように気を使ってはいるようです。家事に関してはフレデリックのほうが慣れているようで、ジャック・オーは興味のあることから教えてもらっています。

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Q:ブリジットはどこで何をしていますか? 現在も賞金稼ぎをしているのでしょうか。(ソレーさん)

石渡ブリジットはまだ賞金稼ぎを続けています。しかし、その目的は当初と違い、単純に生活費を稼ぐためとなっています。賞金稼ぎとしては名の知れた存在となり、親や生まれ育った村にも多大に貢献しました。いまブリジットは、本当の自分を理解しようとしている時期です。