今年、2021年7月17日(土)より東京都稲城市の遊園地・よみうりランドでオープンしたネイチャーアドベンチャー“PokémonWONDER(ポケモンワンダー)”。これは手掛かりが記されたマップを片手に自然の中に隠れているポケモンを見つけ出す、言わば“謎解き”のアクティビティなのだが、草むらをかき分けて山野を進み、家族や友だちと頭をひねりながら謎を解いて探索していく過程が『ポケットモンスター』の世界観そのものと現在、SNSを始め各所で絶賛の嵐。
※2021年10月12日以降の予約枠のチケット販売は、9月24日14時からスタート予定
これまでファミ通.comでも何度か体験リポートをお伝えしているのだが、当然ながらどれもオープン前の様子を切り取ったものだった。そこで今回は、オープン後のポケモンワンダーに初潜入! オープンから約2ヵ月経ったフィールドの雰囲気を感じ取ってもらおうと特別に取材をさせてもらった。人気爆発中でなかなか予約できない状況ゆえに、この記事で軽く追体験、あるいは予習しておくのもいいんじゃないだろうか。
そしてさらに、極大のネタバレ情報をキャッチしたのでお伝えしよう。ポケモンワンダーには50種類以上のポケモンが隠れていて、地図に書かれた手掛かりを頼りに見つけるのが基本なのだが、今回手掛かりの類がいっさいないシークレットなポケモンの存在が明らかになった。そのポケモンの名は......“メタモン”。
もちろん発見自体が難しいのだが、変身した姿で潜んでいるので、うっかりするとメタモンだとは気づかない可能性もある。すでにポケモンワンダーを体験した人でも「知らなかった」という人が多いのではないだろうか。そこで本稿では、各エリアの解説に加え、そこに潜むメタモン情報もフォロー。独自のレーダーチャート付きでお伝えしていこうと思う。謎解きのネタバレになる可能性があるので、その点には注意されたし。
まずはクレソ博士とオリエンテーション
参加者は“ポケモンリサーチャー”と呼ばれる調査隊の一員となり、まずはスタート地点にあるリサーチャーロビーでクレソ博士とピカチュウから説明を受けることになる。博士はどうやら調査エリアにいるらしくモニターを通じて指示してくれるのだが、ライブ配信感のある映像で気分を盛り上げてくれるのがうれしいところ。ちなみに、クレソ博士のボイスは声優の坂本真綾さんが担当しているらしい。最高かよ。
室内には調査結果が記された黒板なんかもあり、めちゃくちゃいい雰囲気を醸し出している。書かれた言語が日本語ではないので背景演出のひとつとしてスルーする参加者もいるかもしれないが、じつはヒントがぎっしり。よく見るとメタモンの姿も描かれている懲りようで、どうやらメタモンはとあるポケモンに変身しているらしいことがわかる。まあ筆者は完全にスルーを決め込んでいて、この記事を書く時点で気付いたわけだが......。みんなはこういったささやかなヒントも見逃さないでほしい。
オリエンテーションが終わるといよいよ共通エリアのワンダーフィールドへ向けて出発となる。調査隊には配布されたカメラに発見したポケモンの姿を収めるという大事な役目があるわけだが、このへんはちょっと『ポケモンスナップ』味があっておもしろい。なお、写真はSDカード(2000円[税込])を購入すればデータを持ち帰れるので、思い出に保存しておきたい人は構図もしっかり考えて撮影したほうが後悔しなくて済むだろう。
小道を進むといきなり周囲にミストが立ち込めてきた。“トンネルを抜けると雪国だった”じゃないけれど、「濃霧の先にはいったい何があるのだろう?」と期待感を高めてくれる演出になかなか感動。というか、先が見えなくなりすぎて「雪のホワイトアウトってこんな感じなのかな」などと思ったりした。
ささやきの竹林コース01
ワンダーフィールド
潜むポケモン数:★★★★★(5)
謎解きレベル:★★☆☆☆(2)
メタモン発見難度:★★★☆☆(3)
ミストの立ち込める小道を抜け高台から見下ろすと、そこには見渡す限りの草原“ワンダーフィールド”が広がっていた――。まあ、本当はミストから少し歩いたけど、気分的にはそんな感じだった。開放感のあるエリアには草むらだけでなく、よく見渡してみると小さな池や石造りの遺跡、意味深な干し草の山といったものが点在していた。いままさに土器などが発掘されている現場もあって、どこから手を付けていくか迷うこと請け合い。
調査隊は現地に着くと簡単な説明を聞いた後、ポケモン探しに入るわけだが当然ながら制限時間というものがある。これがもう短い。というよりも時間が経つのが早過ぎる。草をかき分け、ポケモンの痕跡をたどるうちに筆者はどうやら探索に夢中になっていたみたいで、あっと言う間に時間が過ぎ去っていった。
林原めぐみさんの公式ブログにも似たようなことが書いてあったのだけど、筆者は当初「子どもたちは楽しいだろうなぁ」などと完全に高をくくっていた。しかし実際に体験してみると、なかなかどうして大人も夢中になれるから不思議。筆者は時間切れになるまで、軍手が泥だらけで自身は汗まみれになっていることにも気づかなかったほど一心不乱だった。
そうそう泥だらけで思い出したが、服装には十分注意してほしい! ポケモンワンダーは自然を活かしたアクティビティということもあり、地面の状況によっては泥などで汚れてしまう可能性がある。軍手を準備し、汚れてもいい服と靴で参加するのが好ましい。サンダルやヒールみたいな靴は可能な限り避けたほうがいいだろうね。筆者たち一行が取材に行ったときは雨が降ってわりと泥だらけになってしまったので、荷物は事前に備え付けのロッカーに預けてしまうのが吉かもしれない。
そして発掘現場のテントの横幕ではソルロックを発見!? 現場は発掘の真っ最中といったところでたくさんの土器が整然と並べられていた。その中には奇妙な鏡があり、ちょっとした秘密があったのだが……それはここでは伏せておこうかな。
メタモン情報
リサーチャーロビーの黒板には、ワンダーフィールドのメタモンはディグダに変身しているらしいことが記されていた。ディグダを見つけることがもしかすると発見の近道なのかもしれないと思い、盛り土がいくつも発生しているデコボコ地帯を進むと......。
本物のディグダを見つけられてうれしかったものの、目標はあくまでメタモン。何か手掛かりがないかと草むらを進んでいると、前方の調査隊員たちが騒がしい。どうも草むらの草がない場所で何かを見つけたらしく筆者も駆け寄ってみると、そこには紛れもないメタモンの姿があったのだった。
ささやきの竹林コース02
先人の書斎
潜むポケモン数:★★★☆☆(3)
謎解きレベル:★★★★☆(4)
メタモン発見難度:★★★★☆(4)
ワンダーフィールドから高台へと戻り分かれ道を先に進むと、そこには森の中にひっそりと佇むように“先人の書斎”があった。ここはクレソ博士の祖母である“ルコラ博士”の小屋。ルコラ博士はポケモンワンダーの舞台“イナギノモリ”に入る方法を見つけた偉大な人物だったのだが、さらなる冒険を求めて霧の奥へと進み音信不通となっている。長らく放置されていたため、小屋には暗がりや道具が好きなポケモンたちが入り込んでしまっているらしいが......。
中に入るとすぐ目に付くのがひとつのデスク。机の上には道具箱のほか、むき出しのナットやワッシャーなどの類、ドライバー、油差しのようなものも置かれていて、「ルコラ博士はけっこうメカに強いのかな」などと思いを馳せたりもした。眼前には黒板があって、ここにも何かヒントのようなものが書かれているのが印象的だった(まったくわからんが)。けっこう狭い部屋だというのに、パッと見だとまったくポケモンの痕跡が見つけられず焦ってくる。
ここでのポイントは、机の上の道具を始め、引き出しなどの怪しい場所をガンガン触って調べていくこと。むしろ、そうでもしないと1匹も見つけられないかもしれない。懐中電灯を使って暗がりを照らし、部屋内をくまなく調査するのはちょっとした探偵気分、いや名探偵ピカチュウ気分(無理やり)といったところだろうか。
思わず舌を巻いたのは、机の上のワッシャーなどの金属が1ヵ所に固まっている場所。触ってみても散らばらず何かに引きつけられるような状態になっていた。これは原因を探ることで何かが発見できそうな予感がする。
観音開きの扉の前には白い糸。「これは何だ?」と辿ってみても扉の中にはクモの巣があるだけ。ポケモンはいないのかぁと扉を閉めてハッとした。いまもしかしてクモの巣がポケモンの形をしていたのではと......!?
「おわかりいただけただろうか?」って心霊写真ではないが、これはクモの巣の形がイトマルになっているパターンだった。ちょっと撮影が困難な場所にあったので記事を読んでいるみんなには角度が悪かったかもしれないが、まず間違いなくイトマルだった。このようにポケモンそのものがいるのではなく、シルエットなどの別の表現方法を使って存在をアピールしているパターンもあることにビックリ。筆者はずっとポケモンそのものを探していたので、してやられた感でいっぱいだ。兎にも角にも先人の書斎に隠れているポケモンたちは、擬態を使ったりして隠れるのがうまい。
メタモン情報
メタモンはひとつのエリアに必ず1匹隠れているという。先人の書斎では小屋の中を徹底捜索したのだが、とうとう発見できず。ここのポケモンは擬態がうまいから致し方なしと、筆者ら調査隊は泣く泣く小屋を後にした......。
ささやきの竹林コース03
ささやきの竹林
潜むポケモン数:★★★☆☆(3)
謎解きレベル:★★★☆☆(3)
メタモン発見難度:★★★★★(5)
先人の書斎を通り抜け、山道を登っていくとサラサラと涼やかに葉を鳴らす“ささやきの竹林”が見えてきた。この場所はその名の由来通り、別世界からのささやき声が聞こえてくる不思議な場所。ほかでは見られない特別なポケモンを観察できることもあるらしい。一見すると狭いエリアに見えるが、細長く奥へと続いている。
竹林に入ると木箱のようなものが置いてあるのがすぐわかる。隊員たちがテーブル代わりにしているようで、モバイルバッテリーやペンライト、虫めがねといった道具が置いてあった。ここではとても小さなポケモンが悪さをしているらしく、スマホの充電がうまくできない奇妙な現象が起きている。虫めがねを使ってモバイルバッテリーの周囲を探ってみるのがよさそうだ。
奥へと進むと突如として茂みがガサガサ。静かな場所だけに聞き逃すということはないだろう。筆者の場合は焦って思わずドキドキしてしまったが、別に怖いものではないので安心していい。『ポケットモンスター』のゲーム本編でも揺れる草むらがあるけれど、リアルにあるとこんな感じなのかもしれない。若干こんもり盛り上がっていたので、中が覗けないか音のするあたりを見ておくことにする。しかし、何と言うかいままでと異なるアプローチで存在をアピールしてきたことに感心してしまった。
自然界にこんな四角い石が並んでいるのはちょっと不自然か? 怪しいと思ったらすぐにチェックするのがポケモンワンダーでの鉄則だ。見かたを変える必要があるなど時として頭を使う場合もあるので、すぐ諦めてしまわないのがポケモン発見のコツかもしれない。
メタモン情報
ささやきの竹林に隠れているメタモンは発見がはっきり言って激ムズ。もし見つけたという人がいたとしても極々少数だと思われる。それもそのはず、ワンダーフィールドや先人の書斎のメタモンと違って、ここでのメタモンは実体がないパターンだからだ。バチェルに変身しているのだが、果たして発見できるのか......?
最後はレポートセンターで報告
3つのエリアの調査を終えた我々は結果報告のためレポートセンターへと向かった。調査隊はここで発見したポケモンのレポートを作成することになる。このときクレソ博士が撮影したものなのか、スナップ写真を見せてもらえるので要チェック。言わば答え合わせのようなものなのでしっかりと確認しておくといいだろう。筆者ら調査隊は20匹のポケモンを発見。数的にはほどほどといったところだろうか。
レポートを提出した後は、クレソ博士からねぎらいの言葉をかけてもらえてたいへん満足。自分が撮影した写真も何点か映し出されるので、なぜかちょっぴり誇らしくもなった。
じつは、このイナギノモリでのアクティビティにはまだ書ききれない驚きの体験があったのだが、ここでは伏せておきたい。ぜひとも現地へ赴いて衝撃を味わってほしい。
すべてを終え、スタート地点のリサーチャーロビーへ戻ると発見したポケモンの写真、そして発見したポケモンの数に応じてバッジがゲットできる。ガッツリ遊び倒したうえに、ご褒美までもらえてうれしい。以上をもって調査隊のリサーチはすべて終了。解散となる。
90分以上に及ぶ大冒険にご満悦
ポケモンワンダーの追体験でオープン後の雰囲気は感じ取ってもらえただろうか。やはり『ポケモン』のアクティビティということで筆者的にはけっこうな満足度だった。登場するポケモンは想像以上にバラエティーに富んでいて、新旧作品からうまいことピックアップしている印象。自身が『ポケモン』好きというところも大きく熱中度に作用していて、謎解きのおもしろさと相まって非常に楽しい体験ができた。
自然の中に飛び込んで触れ合うという点が、ゲームの『ポケットモンスター』シリーズの世界観と通じるところがあって、より一層のワクワクを生み出しているのが本当によかった。恐らく体験者のほとんどが同じような思いにいたったんじゃないだろうか。
ちなみに関係者に伺ったところ、平均参加人数は3人以下で全体のポケモン発見率は約60%といったところだそう。今回参加しても感じたことだが、謎解きはある程度難しいので制限時間内にたくさん見つけるには、メンバーを多めに募って参加したほうが有利だと思う。地図に記された手掛かりはかなり有用なので、焦って闇雲に探し回るよりしっかり読んだほうが結果的に見つけられる数は増えそうだ。
現在、ポケモンワンダーには“ささやきの竹林コース”と“古代の石垣コース”の2種類が存在。どちらも最初は共通エリアのワンダーフィールドから探索を開始して、その後エリアが分岐し、合計で3つのエリアを調査することになる。今回筆者の調査隊が参加したのはささやきの竹林コースの探索だったので、“ワンダーフィールド”、“先人の書斎”、“ささやきの竹林”と進んでいった。古代の石垣コースであれば、分岐後は“こもれび空き地”、“古代の石垣”と進んでいく。
前述の通り、ポケモンワンダーは予約が取りにくい状況が続いている。しかし、ゆくりなく宝物のような思い出ができるはずなので、がんばって枠を勝ち取ってほしいところ。2021年10月12日以降の予約枠の販売は、9月24日14時からスタート予定。以降の予約枠販売もよみうりランドの公式ツイッターにてお知らせがあると思うので、随時チェックしてみてほしい。