2021年9月14日、プロゲーミングチーム・DeToNatorは、ストリーマーとして所属するSHAKA氏、SPYGEA氏が2021年9月30日23時59分を持って卒業することを発表した。SHAKA氏は同チームの運営会社GamingDが専属でサポートを行い、SPYGEA氏はフリーで活動するという。

 代表の江尻勝氏によると、今回の体制変更については2019年より準備してきたとのこと。「箱に閉じ込めるのではなく、成長を手伝いをし独り立ちを応援し、その後も良い関係を築くことがお互い(チームとメンバー)にとって最善の関係と考えている」と、公式サイトにコメントを寄せている。

 DeToNatorは9月13日に設立12周年を迎えた。江尻氏は以前より「DeToNatorというチームは人が育つ場、人を育てる場にしたい」という旨の発言をしており、ふたりの卒業は12年間にさまざまな経験をしてきたうえでの答えのひとつだという。

 SHAKA氏はDeToNatorがオンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』で活躍する時代から同チームを支える古参メンバー。プロゲーマーとしても活動した後、ストリーマーに転向。『PUBG』の公式大会で解説を務め、FPSの理論や選手の心境に基づいた発言で人気を博した。自身の腕前も大きな衰えを見せず、現在も『Apex Legends』などのイベントに積極的に参加している。

 SPYGEA氏はオンラインFPS『スペシャルフォース』のプロゲーマーとして、当時同ゲームを運営していたNHN Japanと契約。実業団所属のプレイヤーに近い形でキャリアをスタートさせた。『スペシャルフォース2』で日本一を経験した後、いったん選手を引退。DeToNatorの『オーバーウォッチ』部門設立と同時期にチームに合流した。

 江尻氏には“十分な経験を積んだメンバーがそれ以上に成長するにはDeToNatorの名前が枷になることもある”と考えている節がある。一般的に、実力(人気)のあるメンバーを揃えるのが、強いゲーミングチーム運営の近道だ。それとは逆に“独り立ちを応援する”のがDeToNatorのスタイル。SHAKA氏もSPYGEA氏も圧倒的な人気と業界内での信頼を得ているストリーマーだが、そもそも囲い続けるつもりはなかったのだと思われる。

【2021/09/14 15:13追記】
 SHAKA氏は9月14日のTwitch配信で「たぶんこの1~2ヵ月で3万回くらい言わなきゃいけないと思うんだけど」と前置きし、簡単に経緯を説明。それによると、「DeToNatorから抜けてやっていかないか」というのはチーム側からの提案だという。「あ、こう言うとクビになったと思われるのか」と冗談めかして笑っており、ひと言で説明すると“お互いに動きやすいからこの状態になった”とのこと。チームやパートナー企業とも話は円満に進んだようだ。また、いまのところはほかのチームに入るつもりはないという。

SHAKA Twitchチャンネル

※画像は公式Twitterより引用。