角川ゲームスから2021年9月2日に発売されるプレイステーション4、Nintendo Switch向けソフト『デモンゲイズ エクストラ』。2013年に発売されたダンジョンRPG『デモンゲイズ』の内容に数々の新要素を加わり、さらに遊びやすくパワーアップしたタイトルだ。今回、そんな本作を発売に先駆けてプレイする機会を得たので、本記事では実際に遊んでみた感想をお届けする。

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最初のダンジョンRPGとしてもオススメの内容に

 まず、初代『デモンゲイズ』を知らないという方のために本作について紹介しておこう。主人公は記憶を失った状態で竜姫亭という宿酒場で目覚めた青年(外見は自由に変更可能で女性も選択できる)。なぜか人知を超えた存在である“デモン”を使役する魔眼“デモンゲイズ”の力を持っていた主人公は、その力を活かして賞金稼ぎとして迷宮を冒険していく……というのがおおまかなあらすじだ。ストーリーはラブコメチックで、個性豊かなキャラクターたちとの共同生活を送りながら、デモンたちに立ち向かうことになる。

 主人公が冒険する迷宮は燃え盛る市街地から毒の沼が点在する墓地、木々がうっそうと茂る森林などさまざまで、迷宮ごとにユニークなギミックが用意されている。迷宮の最奥にはそれぞれ異なる能力を持つ強力なデモンが待っており、撃破することができれば魔眼の力で使役することができる。

『デモンゲイズ エクストラ』プレイレビュー。より快適に、そして奥深く進化を遂げたユニークなダンジョンRPG
迷宮の奥に待ち受けるデモンたち。能力も性格も個性的だ

 また、ゲームを進めれば仲間を増やすことができ、主人公を含めて最大5人+デモン3体でパーティーを編成可能になる。なお、デモンはコマンド技のように力を使うことができるほか、“オープンデモン”というスキルで召喚すると自動で戦ってくれる。

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使役しているデモンは非常に頼もしい存在だが、“デモンゲージ”(画面左上の数字)がゼロになってしまうと暴走状態になり敵味方の区別なく襲い掛かってくるため、ゲージの管理が重要

 そのほかにも、目当てのアイテムを入手するために何度も戦うハックアンドスラッシュの要素も盛り込まれており、攻略済みの迷宮でも、装備をコンプリートするためについつい潜りたくなってしまう。こうしたユニークな要素がうまくダンジョンRPGに落とし込まれており、高難度での周回プレイも楽しめる内容となっている。

『デモンゲイズ エクストラ』プレイレビュー。より快適に、そして奥深く進化を遂げたユニークなダンジョンRPG
迷宮の中にある“ジェムサークル”に“ジェム”を捧げると戦闘が開始。戦闘に勝利すれば対応する装備を入手可能だ。なかには、1周のプレイではひとつしか入手できないものも

 『デモンゲイズ エクストラ』は最初に紹介した通り、そんな初代『デモンゲイズ』を遊びやすく進化させた内容だ。なかでも、とくに実際にプレイしてみてうれしかった変更点が、プレイ時間の大半を占めることになる戦闘の高速化。そもそもダンジョンRPGはダンジョンを探索して出会った敵と戦闘する構造のため、キャラクターのレベル上げを行う際など、プレイがダラダラと冗長になってしまうこともある。

 その点、本作はダンジョン探索を自動化できるうえ、戦闘も“高速化”を選択することでサクサクと遊べるのだ。通常の敵相手には戦闘を高速化して気持ちよく敵を一掃し、強力なデモンなどの敵を相手にするときは、相手の行動を観察してじっくり考えながらバトルを進める、といった具合に、高速化機能の追加によって、メリハリのあるプレイを楽しむことができた。

『デモンゲイズ エクストラ』プレイレビュー。より快適に、そして奥深く進化を遂げたユニークなダンジョンRPG

 もちろん、ちょっとした油断がパーティーの全滅を招く、スリル溢れるバトルは健在。実際、筆者もデモンとの戦闘では全滅してしまうことが何度かあったが、本作ではリトライ機能も追加されている。これはパーティーが全滅してしまった戦闘を最初からやり直すことができる機能で、筆者は前述の全滅時、途中からダンジョン探索をやり直さずに済んだ(ほとんどセーブせずにプレイしていたので本当に助かった……)。

 何度でもリトライできるため、たとえば、リトライ前提で最初の戦闘ではアレコレ試してみる、なんていうことも可能。なお、「そもそも全滅したくないんだけど」という方もご安心を。初代『デモンゲイズ』ではキャラクターの蘇生アイテムがかなり貴重だったが、本作ではゲーム内ショップで販売される蘇生アイテムがかなり良心的な価格になっているので、ダンジョンRPGを遊んだことがないという人でも慎重にプレイしていれば全滅を回避できるはずだ。

新要素の追加で仲間の育成がさらに楽しく

 ゲーム中盤で発生するイベントをクリアーすることで開放される“マキナ”は、とにかくできることが多い特別職。初期ステータスを自由に割り振れるうえ、装備可能な武器、防具類も多彩。さらに、対応するスキルを使用できるようになる“神器”のスロットが多いため、プレイヤーの育成次第ではどんな役割でもこなせるだろう。

『デモンゲイズ エクストラ』プレイレビュー。より快適に、そして奥深く進化を遂げたユニークなダンジョンRPG
特別職のため外見は変更できないが、カラーは初期から変更可能だ

 ちなみに、筆者のパーティーでは物理アタッカーとして活躍。ヒーラーが倒れてピンチに陥ったときにも、アイテムをふたつ同時に使用する固有スキル“阿吽の呼吸”で回復アイテムを使って絶体絶命の状況も打開できるという万能ぶりだ。

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神器スロットに設定する神器次第で、前衛でも後衛でも活躍できる

 また、初代『デモンゲイズ』からの既存職業にも新イラストが追加。そのバリエーションは条件を満たすと追加される色違いのものを含めると、総勢117種類にも上る。

『デモンゲイズ エクストラ』プレイレビュー。より快適に、そして奥深く進化を遂げたユニークなダンジョンRPG
こちらがゲーム中盤の筆者のパーティー。むさくるしい男たちのパーティーにマキナと新イラストの獣人で絵面にスパイスをプラス。もちろん、かわいい女の子ばかりのパーティーも編成可能

 本作ではレベルアップ時に自由にステータスを割り振れるため自分好みの能力の仲間を育てることができるうえ、さらにイラストも上記の通りさまざまなものがあるので、愛着もひとしおだ。

 データを引き継いで周回プレイに突入して、思い入れのあるキャラクターたちをとことん育てていく楽しさは本作の醍醐味だが、周回プレイをさらに楽しくする要素も追加されている。それが“武具の合成”。ふたつの装備を合成して付与効果を付け加えるというもので、自分だけの最強の装備を作り上げることができる。

 なお、武具の合成では空いているスロットの数だけ付与効果を追加できるため、“麻痺”や“睡眠”といった相手の行動を阻害する特性を複数付けたり、耐性を上げたりと、自分の好きなように装備をカスタマイズ可能。スロット内の付与効果は上書きもできるようになっており、よりよい同種のものに付け替えられる。

『デモンゲイズ エクストラ』プレイレビュー。より快適に、そして奥深く進化を遂げたユニークなダンジョンRPG
自分だけのカスタマイズを加えた伝説の武具を求めて、 理想の付与効果が付いた素材用の装備を集めるために何度も迷宮に潜るのが楽しい……

 さて、ここまで紹介してきたように、かなり遊びやすく、そしてとことんやり込める内容になっている『デモンゲイズ エクストラ』。まだダンジョンRPGに触れたことがないという方も、長く遊べるゲームを探しているという方も、この記事をチェックするくらい本作のことが気になっているのならば、ぜひ実際にプレイしてみてほしい。きっと楽しめるはずだ。