インディーゲームパブリッシャーのパニックが、開発中の携帯ゲーム機“Playdate”の新情報を明かす映像“Playdate Update”を公開。周辺機器や対応ゲームについて発表したほか、2021年7月下旬に本体価格179ドルで予約受付を開始する予定であることを明かした。
本体スペック&周辺機器
公式サイトでは詳細な本体スペックも公開。白黒1ビットカラーの小型液晶ほか、コンパクトな筐体に性能を絞りつつ、一方で最大の特徴である手回し式ハンドル(クランク)を操作系統のひとつとして持っていたり、Wi-fiとBluetoothに両対応するなど、単に低スペックなわけではなく遊び心とシンプルさを両立した方向性となっている。
なお本体の予約受付開始は1週間前に告知を行うとしており、まずは20000台を生産中。予定数を上回った場合も「売り切れ」状態にはせず、予約注文数に応じて順次生産して発送していくとのこと。
- 充電池 時計表示: 最大14日間、ゲームプレイ: 8時間
- CPU 180MHz Cortex M7
- SDKサポート: LuaとC
- 容量 16MB RAM/32KB L1 Cache/4GB Flash
- サイズ 76×74×9mm
- 同梱物 Playdate本体、USB-C-A ケーブル、ユーザガイド
- 無線通信 802.11bgn 2.4GHz Wi-Fi/Bluetooth
- サウンド モノラルスピーカー/ステレオヘッドフォン端子/コンデンサマイク + 4極プラグ (TRRS)
- 画面 400×240 1-bit
- 入力 十字ボタン/A+Bボタン/スリープ+メニュー/3軸加速度センサー/クランク
- 価格 179米ドル+各国消費税(送料別)
充電機能つき卓上ドックとカバーが発表
周辺機器ではまず、卓上ドックとなる“Playdate Stereo Dock”が発表。前面にPlaydate本体をくっつけることで充電が可能なほか、ステレオBluetoothスピーカーとしても機能(ついでにペン立てにもなる)。なおこの製品のために音楽プレイヤー系アプリも作られるという。
そしてPlaydate本体を持ち運ぶ際にボタンなどを無駄に押さずに保護するカバー“Playdate Cover”も登場予定。こちらは29ドルで本体と同時に予約開始するようだ。
国内外のインディー・小規模スタジオによるユニークなゲームが登場予定
では肝心のゲームはどういったものになるのかと言えば、国内外のインディーや小規模スタジオによる、本作の特性を活かしたニッチでユニークなゲームが登場予定。
また本体価格に“シーズン1”の24タイトルの料金が含まれており、12週間にわたって毎週2作品が届いて楽しめるという寸法。うち21タイトルのタイトル画面が公開されており、『塊魂』の高橋慶太氏が率いるuvulaの『Crankin's Time Travel Adventure』や、高難度アクションゲーム『Getting Over It with Bennett Foddy』のBennet Foddy氏による新作『Zipper』(刀で一刀両断する侍が描かれている)などがリストに挙がっている。
『Papers, Please』作者による新作なども開発進行中
また今回発表されている以外にもPlaydate向けのゲーム開発が進んでおり、『Papers, Please』や『Return of the Obra Dinn』などで知られるLucas Pope氏が『Mars After Midnight』と呼ばれる新作を開発中であることを発表。
具体的なゲーム内容はまだ完全に固まっていないそうだが、公開されている画像を見る限りでは、どうも火星の町を舞台に火星人たちを相手にセラピーなどのお仕事をするようだ。
Crankin. https://t.co/YOP1vBwCfw
— Lucas Pope (@dukope)
2021-06-09 01:22:27
誰でもゲームを作って配布できる
なおシーズン1タイトル以外の公式な提供方法については今後別途発表予定となっているのだが、PC/Mac/Linux向けのSDK(ソフトウェア開発キット)は無料で公開され、開発機や契約などは不要。それを使用して作ったゲームの独自配布・販売は自由に可能というのもポイントだ。
さらに、Webブラウザーから利用できる開発環境“Pulp”が用意され、プログラムコードだけでなくグラフィックやサウンドも含めてWebブラウザーだけで自作ゲームを開発可能だという。
記者の観測範囲内でも興味を示しているインディーゲーム開発者を結構見かけるので、家庭用ゲーム機やPCとはまた違った、Playdateならではのニッチでユニークなシーンが生まれる可能性もあるのではないだろうか。