究極の選択に悩まされることに……

 いまから28年前の1992年(平成4年)9月27日は、スーパーファミコン用ソフト『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』が発売された日。

 本作は『ドラゴンクエスト』シリーズの5作目で『天空』シリーズとしては2作目。それまでのファミコンからスーパーファミコンにハードを移して発売された作品です。

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 ゲームは親子3代に渡る壮大なストーリーが描かれるのが特徴。物語は大きく少年時代と青年時代に分かれており、少年時代は父のパパスと冒険することになり、青年時代は、父パパスの意思をつぎ、天空の勇者を探す旅にでることになります。

 プレイステーション2で本作がリメイクされたとき、ゲームデザイナーの堀井雄二氏は「ゲームの本質はまったく変えていません。本質とは、人が感動することです。人にとってのいちばんの感動は、もうひとつの人生を体験できることではないかと思います」と語っていましたが、まさに、本作の魅力に関しては、この言葉がすべてだと思います。クリアーしたあとに感銘を受けたプレイヤーは多いのではないでしょうか。

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 パパスや幼い兄妹たちとのエピソードは、オリジナル版から28年が経ったいまでも鮮明に思い出せるシーンです。本作は主人公が不遇な運命を辿ることも多く、感情移入しているとつらく感じることも多々ありますが、それだけにエンディングを迎えたときの感動はひとしおです。

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 また、本作では重大な選択を迫られることでも有名。その選択は当時もプレイヤーのあいだで大きな話題になりましたし、いまでも議論が絶えない選択です。

 話題になったと言えば、仲間になるベビーパンサーも。オリジナル版ではボロンゴ、プックル、チロル、ゲレゲレという4つの名前から好きなものを選ぶことができたので(リメイク版は10種類)、ここはプレイヤーの趣味が反映できました。ちなみに自分はゲレゲレ派です。

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 ゲームシステムはモンスターを仲間にできる“仲間モンスターシステム”が初めて登場した作品でした。

 戦闘終了後にモンスターが起き上がることがあり、そのモンスターを冒険に連れていけるというシステムで、経験値やゴールド稼ぎだったバトルにもうひとつの楽しみを追加してくれました。

 バトル後に表示される「なんと ○○○○が おきあがり なかまに なりたそうに こちらをみている!」というメッセージはテンションが上がりますよね。

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 とくに、バトルからすぐに逃げてしまうほか、仲間になる確率も低い“はぐれメタル”を仲間にするのは至難の業で、このモンスターが起き上がったときはうれしくて泣きそうになりました……。

 ちなみに同じモンスターは、2匹目、3匹目と仲間になる確率が減っていきますが、3匹目の名前は本作に関わっているスタッフの名前やあだ名であることが多いです。はぐれメタルの3匹目が堀井さんのあだ名である“ゆうぼう”なのですが、果たして“ゆうぼう”に会えたプレイヤーが何人いるのかしら……。

 そんな本作は、現在ニンテンドーDS版をベースにしたアプリ版がiOSとAndroidで配信中です。リメイク版は新キャラクターとしてデボラも登場しますし、仲間にできるモンスターの種類もオリジナル版よりも多いので、ぜひプレイしてみてください。

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