いまから9年前の2011年（平成23年）9月22日は、プレイステーション3用ソフト『DARK SOULS（ダークソウル）』が発売された日。
『ダークソウル』は、フロム・ソフトウェアから発売されたアクションRPG。いわゆる“死にゲー”ブームの火付け役で世界的に評価された『Demon's Souls（デモンズソウル）』の流れを汲む作品。現在『3』まで発売されている人気シリーズの1作目となっている。
高難度であるがゆえにもたらされる高い達成感はそのままに、より緊張感のある戦いがくり広げられるようになった。海外メディアから始まったことだと思うが、『デモンズソウル』及び『ダークソウル』シリーズに強く影響を受けたフォロワー作品は“ソウルライク”作品などと呼ばれており、いまや日本でもひとつのジャンルとして通用するほどにプレイヤーのあいだで浸透している。
基本的なシステムは『デモンズソウル』から継承。死亡時に経験値であり所持金でもある“ソウル”をすべて落とし、回収できずに続けて死ぬとロストしてしまう厳しい仕様は相変わらずだ。プレイヤーは死亡すると亡者となり、外見がおぞましいミイラのような姿になるものの、HPが半分になるといった能力値に関するペナルティーがなかったため、下手の横好きな筆者にはありがたかった。ただ、『デモンズソウル』から続けてプレイしたユーザーだけはMPの概念がなくなって魔法が回数制限に変更された点に、しばらくのあいだ戸惑っていたという記憶がある。まあ、いまとなっては皆「MPなんてあったっけ？」レベルの話だと思うが。
独特のオンラインシステムも健在。ほかのプレイヤーが書き残したメッセージや死亡した場所に残される血痕など、非同期型のオンライン要素が探索をより楽しいものにしてくれている。他者の世界へ“侵入する”、あるいは他者から“侵入される”というスリリングな対戦プレイもあり、非常に熱い。むしろ対戦目的で本作をプレイするユーザーも多く存在したほどで、これが大いに盛り上がった。わざわざレベルやステータスを対戦用に調整していた人もかなりの人数がいたんじゃないだろうか。
“誓約”システムで多彩なマルチプレイができるのもかなりユニークで、筆者はこれが大のお気に入り。プレイヤーは特定のNPCと誓約を交わすと、内容に応じた働きをしなくてはならないのだが、これがロールプレイを捗らせ、より『ダークソウル』の世界への没入感を高めてくれる。太陽を信仰する“太陽の戦士”は祭壇に祈りを捧げることで誓約可能で、ほかのプレイヤーを手助けすることで絆が深まる。人気NPC“太陽の戦士ソラール”の同志になれることもあり、真っ先に誓約したプレイヤーも多いのではないだろうか。
“ダークレイス”はほかのプレイヤーから“人間性”を奪うのが目的。他者の世界へ積極的に侵入して暴虐の限りを尽くす。一方で“暗月の剣”は復讐霊となって罪人を倒す。侵入によって他者を殺害した罪人を追い詰めて成敗していくという誓約内容がイカしている。しばしば「暗月警察」などとも呼ばれていた。
“森の狩猟者”は森に立ち入るものを排除する守護者となる。特定のエリアを訪れるプレイヤーを待ち受け、戦いを挑む。“混沌の従者”にいたっては、“混沌の娘”にせっせと人間性を貢いでいく誓約。娘は美しい姿をしているうえ、貢いだスコアがランキング表示されるので、なぜだか無性に捧げたくなってしまうのだ。こんな風に多種多様な誓約が存在し、それぞれの内容に応じて働いていくのがめちゃくちゃ楽しい。当然、見返りとして貴重なアイテムなどが手に入るため、俄然燃えるというわけだ。
あまり多くを語られない物語もシリーズの魅力のひとつで、さまざまなフレーバーテキストから想像を膨らまして、自分なりに物語を考察するのもおもしろい。誓約するNPCたちも非常に惹きつけられる設定になっているがゆえに、ついついロールプレイに力が入ってしまう。なお、筆者の場合は考察は完全に人任せで、ネットでまとめてくれたものを読むのが最高におもしろくて好きだった。
現在『ダークソウル』シリーズは3作まで発売中。プレイステーション3などで発売された1作目と2作目もリマスターが出ているので、プレイステーション4やXbox Oneなどでシリーズを網羅できる。初代『ダークソウル』のリマスターであればNintendo Switch版も存在する。また、原点とも言える『デモンズソウル』はプレイステーション5でリメイクされることが話題になったばかり。2020年11月12日にローンチタイトルとして登場するので、この機会に触れてみるのもいいのではないだろうか。
