ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、傑作SFがモチーフのアクションアドベンチャー『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』です。

【こういう人におすすめ】

※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整したものです。

坂本ビス太のおすすめゲーム

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』

『STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー』 Official Trailer

 本作は、映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の数年後が舞台のアクション・アドベンチャー。オーダー66を生き延びた主人公であるパダワン“カル・ケスティス”の冒険を描く。パダワンというのは修行中のジェダイ見習いのこと。ジェダイの成長物語は『スター・ウォーズ』の醍醐味だ。

 本作を推す第一の理由は、ステイホームなこの時期だからこそ、映画のシリーズ作を全作ぶっ通しで観るチャンスであり、『スター・ウォーズ』にハマれば、正史と言われるスピンオフも楽しみたくなるっていうことから。そう、本作はルーカスフィルム公認の正史なんです! 筆者はここぞとばかりにEP1~6を観直して(何度観てもいいものだ)、『クローン・ウォーズ』を観ながら『マンダロリアン』、『反乱者たち』を鑑賞しつつ本作をプレイ……と過ごしていたら、登場人物や時代背景がごっちゃになったのであまりオススメはしない。

 さて本作は、『スター・ウォーズ』ファンならニヤニヤが止まらない作品となっており、むしろニヤニヤしかない。なぜかって、『スター・ウォーズ』のゲームで我々がいちばんやりたいのは、ライトセーバーを“ぶぉん、ぶぉん”と振り回すことだからだ。

 その点、ジェダイ(パダワン)が主人公である本作は、ライトセーバー・バトルに特化しているからたまらない(いや、『Star Wars バトルフロントII』みたいにブラスターでチュンチュンするのも好きですよ)。なにせ、僕の将来なりたい職業の第1位は、ジェダイでしたから。

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』ジェダイになりたかった、すべての人に――この作品でなれます【推しゲーレビュー】_01
これこれ。ダブルブレードや二刀流でも戦えるライトセーバー戦が熱すぎ!

 そのライトセーバー・バトルを主体にした本作は、ソウルライク(『DARK SOULS』系)とよく称されている。シビアな剣戟や、ガード、パリィを駆使してガードゲージを削るアクション、死んだらチェックポイントからやり直しなど、確かに『DARKSOULS』のシステムを意識している。

 が、パリィの受け付け時間や被ダメージが異なる難易度設定が4段階あり、それほどアクションゲームが得意ではない筆者でも、下から2番目の難易度でとくに躓くことなくストーリーをひと通り進められたので、それほど構えることはないでしょう。それよりも、何階層にも分かれる複雑なマップや、わりと一辺倒な謎解きにモヤモヤすることがあったのは否めない。

 でも、パリィで敵のブラスターを跳ね返して倒したり、片方の敵をフォースでプッシュして吹き飛ばしつつ、別の相手の攻撃をライトセーバーで受け止める。そういう、いかにもジェダイっぽい戦いかたができるのがすばらしい。

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』ジェダイになりたかった、すべての人に――この作品でなれます【推しゲーレビュー】_02

 ここから『スター・ウォーズ』を知らない人は置いてきぼりになるかもですが、かまわず本作のすばらしい点を挙げていきます。みんな大好き、マスコット的ドロイドが本作にもいます。BD-1という二足歩行の小型ドロイドで、こいつがR2-D2のようなBeep音でしゃべったり、回復薬をくれたり、敵の基地のシステムをハックしたりと、なんともいじらしくて、かわいい。BB-8より断然かわいい。

 また、映画でおなじみの舞台、ウーキーの故郷・キャッシークも登場。ここでは勇敢なウーキーの姿を見られるし、帝国のAT-AT(ウォーカー)を乗っ取って帝国の基地を破壊したりと、エンドアでのチューイばりの活躍もできる(あれはAT-STか)。キャッシークでは、さらに『ローグ・ワン』のソウ・ゲレラも登場します。そしてジェダイの敵と言えばダークサイドの者たち。本作にも暗黒面に堕ちた元ジェダイのオリジナルキャラクターが登場する。彼女たちもかっこいいので見物です。

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』ジェダイになりたかった、すべての人に――この作品でなれます【推しゲーレビュー】_03

 映画では見られなかった貴重(?)な場面もありました。ルークやジェダイキッズの目隠しヘルメットのアレではない、なかなかにハイテクな本作の修行シーンはおもしろかった。あと、幼少時代のカルのパダワン三つ編みもかわいい。ほかにも、ライトセーバーに必須の素材&それによって色も決まるカイバー・クリスタルを見られたのも斬新。本作ではライトセーバーの色を自由に変更できる(DUALSHOCK4のライトも変わる)けど、ルークの緑やメイス・ウィンドゥの紫にする人が多いことでしょう。僕はもちろんオビ=ワンの青です。

 ……と、このように『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』は、『スター・ウォーズ』好きが隅から隅までしゃぶり尽くせる作品です。本作を楽しむには映画を観てからがいい。というより、映画を観たら本作がプレイしたくなります。まず観ましょう。そうすれば、きっと人生において“地の利を得られる”ことでしょう。僕が文部科学大臣なら『スター・ウォーズ』を義務教育化しているところです。あ、EP7~9はしなくてもいいかな……。

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』ジェダイになりたかった、すべての人に――この作品でなれます【推しゲーレビュー】_04

 おすすめゲームのお題だったのに、けっきょく『スター・ウォーズ』推しになってしまいましたが、これでいいんです。『スター・ウォーズ』は世界を楽しむものですから、本作もその一環として楽しみましょう。オーダー66を生き延びたジェダイいすぎ問題や、魔術(!)でシップを丸ごとレーダーに感知もされない不可視にしちゃう超展開なども本作にはありますが、スピンオフにはスピンオフのよさがあります。その魔術を操る魔女のツンデレ具合とか、魔女の星を滅ぼしたのがグリーバス将軍だったりとか……本作のネタはまだまだ尽きない。続編があってもいい雰囲気でストーリーが終わるので期待したいところ。

 そして、最後の最後に“いやな予感”どころじゃない、とんでもない鳥肌モノの展開が待っていますので、見ないと損です。もうほんと、「やってくれたな」って感じ!

『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』ジェダイになりたかった、すべての人に――この作品でなれます【推しゲーレビュー】_05
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