2020年6月6日、世界中のインディゲームを愛する人々に向けた、新たなインディーゲーム情報番組“INDIE Live Expo 2020”が、日本語・英語・中国語での同時放送で配信されました。約4時間以上にわたって行われた番組の模様をお届けします。
“INDIE Live Expo 2020”は日本の豊かなインディーゲームの歴史と、優れたソフトを世の中に広く知ってもらうために行われた、日本では過去に例を見ない大規模なインディーゲームのデジタルイベントです。日本の作品だけではなく世界のインディーゲームを取り上げているのはもちろんのこと、デジタルやアナログの区別なく“ゲーム”の素晴らしさを伝えることに特化した注目の番組となっています。
配信サイトはYouTube Live、Twitter(Periscope)、Twitch、bilibili、ニコニコ生放送と多岐にわたっており、世界中のストリーマーやメディアによるサイマル配信も同時に実施。ゲームの紹介からライブ、クリエイターのメッセージや世界のゲーム開発事情まで多彩なコンテンツがあり、当初は3時間だったはずの放送予定が大幅にオーバーするほどの濃密なスケジュール。最終的に4時間以上の長丁場となる番組となりましたが、最後まで情報量が多いゲーム好きにはたまらないイベントでした。あまりにも情報が多くてすべてをお伝えしきれないので、気になったゲームがあった方はぜひ各製作者のTwitterやPVを見て詳細を確認してください!
名曲のミニライブとともに開幕!
日本発の大掛かりなインディーゲーム番組として始まったINDIE Live Expo 2020。日本語版は司会に吉田尚樹さん、解説にPLAYISMの水谷俊次さん、ゲストにゲーム実況者のわいわいさんを迎えた3人がメインで出演し、長丁場となるイベントを切り盛りしていました。
イベントは、まずドラマーのダイナ四氏によるミニライブからスタート。ダイナ四氏の華麗なドラミングによる『UNDERTALE』と“東方Project”の生演奏は、コメント欄でも大好評! インディーゲームファンにはたまらない開幕になりました。
『UNDERTALE』からは“本物のヒーローとの戦い”、“MEGALOVANIA”、“東方Project”からは“亡き王女の為のセプテット”、“U.N.オーエンは彼女なのか?”の2曲がそれぞれチョイスされ、ファンも納得。激しい原曲を生演奏で見事に再現する超絶技巧の演奏を聴いていると、思わずGルートで苦戦した死闘の記憶が蘇りそうに……!
初公開情報が続々と飛び出したINDIE Live Premire!
ライブのあとは、“INDIE Live Premire”で怒涛の新作情報ラッシュ! まずは、11 Bit Studios開発のハクスラアクションRPG『チルドレン・オブ・モルタ ~ 家族の絆の物語~』の日本語版が発売決定! パブリッシャーは最近インディーに力を入れているDMM Gamesでプレイステーション4/Nintendo Switch版が冬に発売予定とのこと。ストーリーにも力が入ったゲームだけに、日本語版が出るのが本当に楽しみです。
ハイクオリティーなタイのロボット3Dアクション『プロジェクト・ニンバス』の続編『ニンバス・インフィニティ』の動画もGameTomoから初公開! 前々から続編の話題は出ていましたが、前作よりもさらにグラフィックに磨きがかかった作品となって期待が高まります。自分は前作をプレイしていますが、ロボットゲームとしての爽快感も“わかってる”感があってよかったですね。続編も絶対おもしろくなるハズ!!
個人的に驚いたのは、中国式子育てゲームとして話題を呼んだ中国のデベロッパー・Moyuwan Gamesの人気タイトル『Chinese Parents』の日本語版。Nintendo Switchでの発売が決まった本作は、中国の子育て事情や生活のあるあるネタをミニゲームで表現しており、日本とは異なる文化にゲームで触れられる作品です。これも、個人的に楽しみな作品のひとつ。
現在アーリーアクセスが行われている『ロードス島戦記 -ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-』からは、6月下旬に配信予定の新ダンジョンの映像が到着。これは、『Touhou Luna Nights』の圧倒的な完成度で知られるTeam Ladybugと、大手IP『ロードス島戦記』がコラボした夢のタイトルです。現状はアーリーアクセスで開発中ですが、遊べる範囲だけでもポテンシャルの高さが伝わってきます。
続いては、PLAYISMの水谷さんも知らなかった初出しのタイトル『Sumire すみれの空』。Gametomoが送る新タイトルで詳細は現時点では不明ですが、公式のトレーラーによるとイタズラ好きな精霊の願いを叶えるため、一日という限られた時間で何かをするアドベンチャーのようです。和風な雰囲気がとても気になる!
NintendoSwitchのインディーゲームで最初のヒット作と言われる『神巫女 -カミコ-』でおなじみSkipmoreの最新作『ピコンティア』の続報も。箱庭系スローライフRPGとして以前から期待されている作品ですが、だいぶ発売が近づいてきたようです。
Steamでアーリアクセス中の『幻想郷萃夜祭』にステージ2のアップデートが近日実装されるという話も飛び出しました。開発者のパソコンが壊れる悲しいアクシデントがあったものの、なんとか復旧したというインディーらしい(?)エピソードも。現状遊べる部分だけでもドット絵のグラフィックがハイクオリティー!
ラストは、信じられないほど多彩な要素が入った『クラフトピア』のPVが公開。PVを見ただけでも、ひとつのゲームとは思えないほどの要素が詰め込まれています。ジャンルもハクスラ・農業・自動化・建築・マルチ対応・オープンワールドサバイバルアクションと、欲張り過ぎるほどの全部乗せ! コアメンバーは3、4人で作っているという情報も驚きです。7月からアーリーアクセス開始予定ですが、インディーとは思えないほどのAAAクラスな大規模タイトルになる予感がします。
この時点でも、じつにバラエティー豊かなタイトルが並んでいますが、番組はまだまだ始まったばかり。序盤から初出のゲーム情報が満載だったので、いちゲーマーである自分としてもワクワクしながら見続けていました。
最後に『風ノ旅ビト』で全世界を驚愕させた陳星漢(ジェノヴァ・チェン)さんからのメッセージでコーナーは終了。ジェノヴァ・チェンさんが、インディーゲームを「誰も足を踏み入れたことがない大陸や秘宝を求める挑戦者」である海賊にたとえて語っていたのが印象的でした。
注目のインディーゲームをノンストップで紹介!
続いて行われたのは、デジタル、アナログ、同人を問わず、ありとあらゆるインディーゲームを怒涛のように紹介する“INDIE Waves”のコーナー。番組の前半から後半まで3回に分けて、全部で120タイトル以上の作品が紹介されました。さすがに数が多いのでここで語るのは自分の注目タイトルのみに絞りますが、リストを見て気になるタイトルがあった人はぜひ開発者のTwitterや公式をチェックしてください!
というわけで、ここでは私の注目作をあげていこうと思います。まずは美少女+マインスイーパーの『マインダンジョン2』。Steamで発売予定なのですが、対応ハードがWindows XP、8、10という紹介にビックリ。XPでもできるの!?
ぜんための出展などで話題を呼んだ『触手を売る店』も注目作。香港ゴシックな独特の世界で、触手を育てて売るというオリジナリティー溢れる設定が最高! やってみないとわからない独自性があります。
INDIE Waves2からは『ジラフとアンニカ』を推したいところ。私もレビューを書きましたが、戦闘がなく優しい世界を冒険するアドベンチャーとしてオススメです。すごくカワイイ!
アーティストの和田淳氏による『マイエクササイズ』もインパクト大。少年が秋田犬に向かってひたすら腹筋するだけのゲームとのことですが、もうその時点でおもしろすぎる……。ズルい……。
ほかにも、なんとプレイステーション5で発売予定(もしかして、史上初のプレイステーション5タイトル発表!?)という『南極計画』など気になる作品がたくさんありました。しかも、INDIE Waves3で紹介された38タイトルのなかには、著名なクリエイターさんが名前を隠して作っている(ので、どのソフトなのかもわからない)ものもあるとか。気になることばかり……というよりも、全部気になります!
紹介されたタイトル
INDIE Waves1
- PC(Steam) DreadOut 2
- PC(Steam) Super Ledgehop: Double Laser
- PC(Steam)/iOS/Android Wanna Survive
- Switch ダンボール ミニカーズ
- PC(Steam、Epic) Industries of Titan
- PC(Steam) Floppy Knights
- PC(Steam) Spaceship Commander
- PC(Steam) VR包帯少女
- PC(Steam)/Android ガイコツがせめてきたのでしろを守りたいと思います
- PS4/Switch 東方の迷宮 幻想郷と天貫の大樹
- iOS 拝啓、看守はじめました。
- PC(Steam)/iOS/Android Pirates Outlaws
- PC(Steam) マインダンジョン2 ~ルルムの冒険~
- iOS/Android テンピーポーテンカラー
- PC(Steam) ぶんまわしヒーロー
- PC(Steam)/Switch/iOS/Android ハック
- ARCADE(EXA ARCADIA) インフィノスEXA
- iOS/Android 触手を売る店
- PC(Steam) Nosferatu Lilinor
- PC/Switch/ARCADE(All.net Pras) ローリングガンナー
- PC(Steam)/PS4/Vita/Switch/3DS メゾン・ド・魔王
- PCブラウザ(unityroom) REC
- iOS/Android Swap Motion
- PC(Steam)/Switch/iOS/Android 逆コーラップス:パン屋作戦
- PC(Steam) 星樹の機神 ユニティユニオンズ
- PC(Steam) Filament
- PC(Steam)/PS4/Switch 仙郷物語
- PC(Steam) ギャリソン:アークエンジェル
- PC(Steam、DLsite、DMM) わたしと(わたしの)ねこのしろX
- iOS/Android タシテケス なぞってたしてけすパズル
- PC/Mac(Booth) 世界滅亡共有幻想マミヤ
- PC(Steam) GOHOME
- PC(Steam) オーディオ・パーティーパック
- PC Remain On Earth
- PC(Steam) PLAY DOG PLAY TAG
- PC(Steam、DLsite) もんすたぁさぷらいずど幽鬼ちゃん
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne Foregone
- PC/アナログ版 LIVEミステリー ~史上最悪の舞台裏~
INDIE Waves2
- PC(Steam)/PS4/Switch 斬妖Raksasi
- PC(Steam) Skul: The Hero Slayer
- PC ステージハンズ!
- PC(Steam) 梅雨の日
- Switch Liberated
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne ハイパー・パラサイト
- PC(Steam)/Switch いたずら大作戦
- PC(Steam) Peglin
- PC(Steam)/PS4/Switch ジラフとアンニカ
- PC(Steam、itch.io) 異界
- PC(Steam) リズムファイター
- PS4/Switch/XboxOne レジ―
- PC(Steam) GoneViral
- PC(Steam)/Mac Mezmeratu
- Switch 紙謎 未来からの想いで
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne Danger Scavenger
- PC(Steam) Garden Story
- PC(Steam)/XboxOne その小さな宇宙船
- XboxOne/iOS/Android RPGタイム!~ライトの伝説~
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne DRILL MAN RUMBLE
- PC(Steam) ∀kashicverse -Malicious Wake-
- Switch トランシルビィ
- Switch ワーキング ゾンビーズ
- PC AccidentHouse
- iOS/Android マッチョGoGoGo Versus
- iOS/Android クイズどうぶつ図鑑
- iOS/Android モグルモア
- Switch ALTER EGO S
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne GleamLight(グリムライト)
- PC(予定)/Switch/XboxOne ダンジョンに捧ぐ墓標
- PC/iOS/Android マイエクササイズ
- PC(Steam) ブラックアウト
- Switch Air Missions:HIND
- PC まじっくすと~り~2
- PC(Steam)/Switch タイニーメタル 虚構の帝国
- iOS/Android Smash Breaker -物理演算破壊シューティング-
- PC(Steam)/iOS/Android ロケットパズル
- PC(Steam)/PS4/Switch 戦塵のアシルド~War of Ashird~
- PC(Steam)/Switch/iOS/Android Juicy Realm
- PC CYBORG -PROTOTYPE-
- PC(Steam、DLsite) AbsentedAge:アブセンテッドエイジ ~亡霊少女のローグライクアクションSRPG
- PC(Steam) Cloudpunk
- PC(Steam、DLsite、BOOTH) 地図の時間 ~言葉集めの冒険譚~
- PC/PS4/Switch 「Pinstripe」ピンストライプ
- PC/Android Super Glitter Rush
- PC(Steam)/Switch eSports レジェンド
INDIE Waves3
- PC/Mac Recolit
- PC ~お掃除ロボット対戦~ ゴミバトラズ
- PC 朝はどこ(wanderdawn)
- iOS/Android 薔薇と椿 ~伝説の薔薇と嫁~
- PC(Steam) スペースマウス2
- PC(Steam) インパルスここから
- PC(Steam) 獄門ペンギン
- PC(Steam) 春と修羅
- PC/PS5(予定)/iOS/Android 南極計画
- PC(Steam)/Switch Infected Maze / 感染メイズ
- iOS/Android Slice Logic
- PC(Steam) 防衛の村長
- PC/iOS/Android 終わる世界とキミとぼく
- PC(Steam) ダンジョンクラッシャー きりたん
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne Tunche
- PC/PS4/Switch 「Neversong」ネバーソング
- PC(Steam) Causa,Voices of the Dusk
- PC(Steam)/Switch Keen One Girl Army
- PC/Switch SuchArt!
- PC(Steam) アウトプットパスチャー
- PC(Steam、itch.io、GOG.com、Utomik、Humble Store)/PS4/Switch/XboxOne コーヒートーク
- PC(Steam、GOG.com) Gamedec
- PC(Steam) Virgo Versus The Zodiac
- PC(Steam) 棄海:プランティーズアドベンチャー
- PC(Steam)/Mac/Linux Bludgeon
- PC(Steam)/Switch Derpy Conga
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne/Google Stadia Lost Words:Beyond the Page
- PC(Steam) フォッジ アンド ファイト!
- PC(Steam)/Mac/Linux/PS4/Switch/XboxOne Project Starship X
- PC(Steam、itch.io) Project:One Bullet
- PC/Xbox SeriesX Bright Memory:Infinite
- PC(Steam) My Lovely Wife
- PC(Steam) When the Past was Around
- PC(Steam) Inked
- PC(Steam) Rising Hell
- PC(Steam、itch.io、GOG.com)/Mac Signs of the Sojourner
- PC(Steam、itch.io、DMM)/PS4/PS Vita/Switch クアンタム・スーサイド
- PC ガンスリンガー
選び抜かれたゲームを紹介する“INDIE PICK”のコーナーでは、インディーゲームファンのあいだで話題を呼んでいる人気タイトルをピックアップ! 日本のインディーゲーム黎明期を代表する『LA-MULANA』が2作品セットになった『LA-MULANA1&2』や、Nintendo Switchで発売されて以降ストアのランキングで見ない日はない『グノーシア』に『アンリアルライフ』など、超ド級のオススメタイトルが紹介されました。
そして、初公開となる作品の情報も! 移植不可能と思われていたWOLF RPGエディター(ウディタ)作品の『片道勇者プラス』がSwitchに移植されるという衝撃の情報に加え、全国の小中学生の性癖を刺激しそうなクォータービューアクション『箱庭えくすぷろーらもあ』のSwitch移植も! どっちもスゴイことですよ!!
紹介されたタイトル
INDIE Picks
- Switch LA-MULANA 1&2
- PS Vita/Switch グノーシア
- Switch アンリアルライフ
- Switch 片道勇者プラス
- PC(Steam) Kenshi
- PC(Steam)/PS4/XboxOne Frostpunk(フロストパンク)
- PC(Steam) Library Of Ruina
- Switch 箱庭えくすぷろーらもあ
- PC(Steam)/PS4/Switch/XboxOne Haven
- PC(Steam)/PS4/Switch EVERYTHING
同人ゲームやアナログゲームだってインディー!
インディーゲームを応援している企業の紹介コーナーもありました。同人ゲームの最大手であるDLsiteが、日本語のゲーム作品を自社で翻訳して他言語で販売しているという話は、ゲーム開発者にとっても聞いておくべき内容。運営の方からの熱いお便りもあり、実際にDLsiteで翻訳されたタイトルも紹介されました。
紹介された作品のうち『マッドプリンセス』は自分も買って遊びましたが、個人的にもイチオシ。独特の世界をどこから冒険するか考えながら遊ぶ自由度が楽しい作品です。海外でも人気が出そうなタイトルですね。
DLsite翻訳タイトル
- マッドプリンセス -華麗なる闘士たち-
- LastIsland
- 天壌のテンペスト
さらに、それだけではありません! デジタルにとどまらないのがこの番組最大の特徴。というわけで、アナログゲームのコーナーもありました。コーナーの冒頭では、ゲームジャーナリストの徳岡正肇さんからゲームマーケットのオンライン版“Game Market.live”が開催されることが明らかに!
これは、現在のコロナ渦によってゲーム業界も自粛を迫られたことで、アナログゲームの発表の場がなくなってしまうことを危惧したGamemarketによるオンラインイベント。6月27日と28日に開催される予定となっています。それを記念して、今回はアナログゲームクリエイター座談会の映像を公開。
しかも、参加者はカナイセイジさん、佐藤雄介さん、健部伸明さんの3名というアナログゲーム業界では知らない人がいないほどの超ビッグネーム! 大御所によるディープな座談会は、アナログゲームファンなら見逃せないでしょう。
また、徳岡さんによる世界のインディースタジオ紹介も注目のコーナーとなっていました。ポーランドをテーマに、戦争を生き延びる市民を描いたゲーム『This War of Mine』の話や、個性的なインディゲームデベロッパーなどをいろいろと語ってくれました。こちらのコーナーは徳岡さんの語りがうまく、非常に見どころのあるコーナーとなっていたので、実際に見て欲しいところです。
Unityを使ったゲームを紹介する“Made with Unity”コーナーも。ここでは、グッド・フィールの塚脇忠典氏とジェムドロップの北尾雄一郎氏が出演。10人から15人程度でゲームを開発しているなど、興味深い話が飛び出しました。
さらに、塚脇氏がグッド・フィール初のオリジナルタイトルである『MONKEY BARRELS』を紹介。北尾氏のほうはジェムドロップの完全新作2Dアクション『COGEN 大島こはくと刻の剣』の映像を初公開しました。3D作品の開発に定評があるジェムドロップだけに、2Dアクションがどうなるのか気になるところ。また、インティクリエイツの新作情報として『ガンヴォルト爪』のSteam版が6月22日にリリースされることも明らかに!
超大物クリエイターZUN&トビー・フォックスがクリエイターに送った激励
番組の序盤で登場した吉田修平氏やジェノヴァ・チェン氏を始め、ゲーム業界の大物から海外のインディークリエイターまで、さまざまな立場の人が番組にメッセージを寄せていたのも忘れられません。本当に豪華な顔ぶれでインディーゲームファンはもちろん、ゲーム好きにはたまらない時間でした。
そして、番組の終盤ではいよいよ“東方Project”の生みの親である伝説的クリエイター・ZUN氏が登場! インディーゲームを作っている人々の熱量を楽屋で感じつつ、自分の出番を待っていたZUN氏。人があまり知らないようなゲームが好きという彼でも、今回の番組では知らないゲームがたくさんあったことに驚きを隠せない様子でした。
そこに加えて、あの『UNDERTALE』で一躍時の人となったトビー・フォックス氏からのメッセージも。本人は顔出しNGのため自身を代表するアバター(?)の犬によるビデオレターという形でしたが、とてもトビー・フォックス氏らしい軽妙でありながらも真摯なメッセージが込められたビデオレターでした。いまを生きるインディークリエイターの励みにもなったのではないでしょうか。日本語を勉強していたというだけあり、途中からに流暢な日本語で語る場面も。
トビー・フォックスさんらしいクスリとくる演出でありながら、非常に真摯かつ真剣な言葉が込められたインディークリエイターへのビデオレター。Youtubeで動画も公開されています。
プレイヤーの心とクリエイターの心が通じ合うチャンスが大きくなるのもインディーゲームのよいところだと語ってくれたトビー・フォックス氏。それを見たZUN氏は「今日の放送を見てゲームを作りたくなった。他人のゲームを見ると作りたくなるんだ」と、最前線のクリエイターらしい見解を話すひと幕も。
ちなみに、ビデオレターのラストではトビー・フォックス氏がZUN氏の新作がいつ出るのかについて聞くお茶目な展開も。それを見たZUN氏は「それは僕がトビーさんに言いたいことだよ」と笑いながら返しつつも、自分のほうはそんなに待たなくても出ると新作へのやる気を見せました。
ZUN氏からのメッセージとして印象的だったのは、インディーゲームの醍醐味について聞かれたときの返答。ZUN氏は「インディーゲームは作る人のためにある」と語り、「作る人がゲームを作ってよかったなと幸せになれる世界がインディーゲームにある」とつなげ、さらに「売れなくたっていい。おもしろくなくたっていい。作るだけで幸せになれるのがインディーゲームにあるんだ」と、インディーゲームクリエイターへのエールを送りました。自分さえ楽しければいいというものを、ぜひ見つけてほしいと締めました。
日付が変わるギリギリのところまで延びに延びた今回の番組。番組の最終盤では、“エヴァゲーム大喜利”開催の告知が! 『エヴァンゲリオン』をテーマにUnityで制作した作品を募集し、アイデア勝負の作品を広く募集しているとのことです。詳細は、公式サイトを確認してくださいとのことですが、締め切りが9月なので、初めてゲームを作る人でも、いまから間に合う……かも?
さらに、番組の最後にはINDIE Live Expoが主催するゲームアワード“INDIE Live Expo Awards”の開催が決定! ローカル文化賞、さわりごこち賞、テーマ・オブ・ザ・イヤー賞、キャラクター賞、インターネットを通じたゲーム賞、ルールズ・オブ・プレイとインディーらしい変わった賞が並んでいますが、実行委員会によれば、求められるものは壮大なグラフィックでも作り込みではなく、インディーゲームであることが強みになるものに送られるべき賞であるとのこと。形式ではなく魂こそが重要であり、その魂とはみずからの表現したいことをプレイヤーに貫き通す“独立不羈(ほかの人や物の制約を受けず、自分の力で行うこと)”の魂を持つものであると表現していました。
スタッフロールの最後には“INDIE Live Expo”の第2回の開催が決定! 次回は11月7日に配信予定とのことですが、第1回の成功を見るとますます盛り上がることが期待されます。今回の番組は、自分もサイマル放送で知り合いと騒ぎながら見ていたのですが、1時間オーバーの番組で日付も変わってしまったのにも関わらず、最後までみんな熱心に見ていました。イベントの中止など暗い話題ばかりになりがちな昨今ですが、100本以上のゲーム情報を一気に浴びることができる機会は本当に久しぶり。世界中のゲーマーの癒しにもなったのではないでしょうか。見る側も送り出す側も非常に熱量が高い番組であり、次回も心の底から期待できそうなライブイベント。今回リアルタイムで見られなかった方はアーカイブが残っているので、ぜひ最後まで視聴してください。そして、次回はいっしょに盛り上がっていきましょう!
※画面は配信番組をキャプチャーしたものです。