1998年1月22日『街』が発売

 『街』は1998年1月22日にセガサターンで発売されたサウンドノベル。

 サウンドノベルとは、1枚絵を背景に画面全体に文章を表示し、BGMや効果音を的確なタイミングで流して物語を盛り上げていく、チュンソフト(当時)が世に送り出したアドベンチャーゲームの新ジャンル。現在、一般にビジュアルノベルと呼ばれるタイプのゲームの草分け的な存在だった。

『街』がセガサターンで発売。窪塚洋介など若き日の有名人が多数登場の実写サウンドノベル【今日は何の日?】

 『街』は、そんなサウンドノベルの『弟切草』、『かまいたちの夜』に続く、シリーズ第3弾として、いまから23年前に登場。複雑に絡み合う8本のメインシナリオを、主人公を切り替えるザッピングを駆使しながら進めていくシステムは、当時非常に斬新で多くのゲームファンを唸らせた。かつて週刊ファミ通誌上で連載していた“読者が選ぶTOP20”のランキングに10年以上毎号ランクインしていたほか、2017年掲載の“ゲームジャンル別総選挙”のアドベンチャーゲーム部門で第5位になったことからも、根強い人気のほどがうかがえる。

 また、実写を取り入れたビジュアルのインパクトも強く、若き日の窪塚洋介や北陽の伊藤さおり、声優の谷山紀章など、多数の有名人が出演していたのも、いまとなっては注目ポイントのひとつ。文章の注釈がTIPSというカタチで解説してあったのも、当時は新しく感じたと筆者は記憶している。

『街』がセガサターンで発売。窪塚洋介など若き日の有名人が多数登場の実写サウンドノベル【今日は何の日?】
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『街』がセガサターンで発売。窪塚洋介など若き日の有名人が多数登場の実写サウンドノベル【今日は何の日?】
「チンチコール」、「これだ!」など、各場面を見ると自然とセリフを思い出すのも、実写の持つ強烈なインパクトならでは。

 なお、当初は正式タイトル『サウンドノベル 街 -machi-』として登場したが、1999年1月28日にプレイステーションで発売された移植版以降はタイトルが『街 ~運命の交差点~』に変更になっている。

 ちなみに、『街』から10年後の2008年12月4日に発売された『428 〜封鎖された渋谷で〜』は、複数主人公のザッピングによる群像劇、渋谷が舞台といった『街』を色濃く受け継いだ作品になっており、作中では10年前の描写として『街』で起こった出来事に触れられている。

[2021年1月22日午前0時]初掲載時から、経った年など内容を一部更新させていただきました。