2019年10月5日にセガ本社にて、『ファンタシースターオンライン2』(以下、『PSO2』)で、今冬の実装が予定されている新クラス“エトワール”の先行体験会が開催された。このイベントの前日、メディアを対象とした体験会も行われ、先行体験会と同じバージョンをひと足早くプレイできた。この体験会でわかったエトワールの特徴と、プレイした感想をお届けしよう。

『PSO2』第3の後継クラス“エトワール”先行体験会実施! 注目の新クラスの実力は?_01
まずはブリーフィング。エピソード6ディレクターの吉岡氏が、エトワールの特徴を説明してくれた。
『PSO2』第3の後継クラス“エトワール”先行体験会実施! 注目の新クラスの実力は?_02
その後、吉岡氏が実際にプレイしながら、各武器のアクションやPAなどを解説。このあと、実際にプレイを行うことに。

新後継クラス“エトワール”の特徴

 エトワールは、ヒーローやファントムに続く“後継クラス”で、コンセプトは“進化した多彩なガードアクション”ד新機軸のパーティー支援スキル”。使用する武器種であるダブルセイバー、デュアルブレード、ウォンドの3種(もちろんガンスラッシュも使用可能)で、各武器に特殊なガードアクションが用意されている点と、パーティーメンバーのPP上限値を一定時間上昇させると同時にHPとPPを全回復させる“オーバードライブ”という強力なアクティブスキルを始めとした支援スキルを使える点が特徴となる。ただし、テクニックは使用不可。固い守備を活かした立ち回りがポイントとなるだろう。各武器種のアクションやPAの特徴は以下の通り。

エトワール ダブルセイバーのアクション
 比較的シンプルで扱いやすいのが特徴。武器アクションの“ディフレクト”は、任意の方向に移動しながらガードする。さらに、ガード中の武器アクションで、ガードしながら接近性能のある攻撃を連続でくり出せる。また、PAや武器アクション使用後、表示されるガイドに合わせて通常攻撃をすると無敵時間ありの通常攻撃が発動。また、同様のタイミングで武器アクションを出すと、ガードを行いながら高速接近が可能だ。

エトワール ダブルセイバーのPA
 ダブルセイバーの4つのPAは、どれも連続で攻撃をたたき込むタイプ。固有スキルの“ダブルセイバースキップアーツ”を使い、方向入力を行わずにPAを使用することで、PAの後半から発動させることも可能になる。

エトワール デュアルブレードのアクション
 攻撃を中断せず使えるジャストガードである武器アクションの“パリィ”を駆使し、重たい連撃が可能。また、ステップ中に武器アクションで、“エッジ”を投擲する遠距離攻撃“ステップエッジ”が行える。また、ステップエッジ中に武器アクションを行えば、ギアゲージを消費して必殺技もくり出せる。

エトワール デュアルブレードのPA
 デュアルブレードのPAは、使用すると“エッジ”と呼ばれる追加効果が発生する。攻撃範囲が広いものや追尾性能があるものなど、PAによって発生するエッジは異なるため、使い分けが重要になる。

エトワール ウォンドのアクション
 滑らかに移動しながら攻撃を行えるのが特徴。武器アクションの“プロテクト”は、長押しすることでギアを消費してジャストガードを延長。押し続けてチャージして離すことで、瞬間移動しながら遠距離攻撃を行える。ギアが1ストック以上ある場合は、2段階、3段階までチャージして離すことで、強力な必殺技も出せる。

エトワール ウォンドのPA
 前方や下方など、敵との位置取りを意識して使用するPAが多い。また、PA中にタイミングよく武器アクションを使用することで、攻撃範囲は狭くなるが高威力の“フォーカスPA”に変化する。

エトワール体験プレイインプレッション

 まず、少し動かしてみての第一印象は、エトワールが意外とすんなり手に馴染む、というもの。後継クラスのファントムを最初に触った瞬間は、思い通りにならない暴れ馬を乗りこなすような、ひと筋縄ではいかない感があった。エトワールは、使用可能なそれぞれのカテゴリーの武器アクションが、ガード系のアクションになっている。そのディフレクト、パリィ、プロテクトとPAを組み合わせて戦うのが基本的なスタイルなのかなと。脳内で整理する情報が基本的にそれぐらいに絞られるところが、触った瞬間からそこそこ思い通りに操れる理由なのだと感じた。また、テクニックが使えないという特性は、習得できるスキルのダメージバランサーの被ダメージを大幅に軽減する効果のおかげで、それほど不安視しなくても大丈夫そうだ。いわゆる、エトワールが硬いのである。この性質とステップ、ガード系の武器アクションをエネミーの攻撃が来そうなタイミングで使っていけば、アクションが不慣れな自分も、それなりに戦えていると実感できるラインまで引き上げてもらえた。

 エトワールを動かしていて個人的に惚れたのは、ダブルセイバーとウォンド。自分は近接武器によるインファイトがとくに苦手で、射撃武器やテクニックで遊ぶのが『PSO2』の日常となっている。そんな近接戦闘が苦手な自分が、初めて殴り合いが楽しいと感じたのがエトワールのダブルセイバーなのである。PAはアブソリュートクエーサーの流れるような連撃が使っていて気持ちいい。ダブルセイバーの武器アクションのディフレクトは、使用中にふたたび発動させるとガードしながらエネミーに接近して攻撃する。タイミングよく連続で使用するだけでもガシガシとエネミーを攻撃できるのだ。このディフレクトの使用感とアブソリュートクエーサーの連撃が相まって、とにかく気持ちよくエネミーをボッコボコにできる。カマイタチが発生させられないエトワールのダブルセイバーの火力の不安感も、この手数の多さによって払拭されているのではないだろうか。ガンガン攻撃して溜まったギアゲージは、通常攻撃の長押しで強力な攻撃を放つもよし、被ダメージの自動軽減用にストックするもよし。ダブルセイバーのPAは、スキルのスキップアーツの効果によって、後半のアクションだけ発動するような使いかたもできる。エトワールは、自分のプレイスタイルに合わせて使用武器、習得スキルの取捨選択などによって気持ちよく戦えるように設計されているのではないだろうかと感じる。

 また、ウォンドでエネミーを攻撃したときも、ダブルセイバーのそれとはまた違った衝撃が走った。通常攻撃のモーションが優雅なのである。フワフワと踊るように揺らぎながらも、華麗にエネミーを殴る。エトワールという新クラスの名前を聞いたときに直感したフランスあたりの貴族やダンサーが、エネミーの攻撃を物ともせずに圧倒するような。そんな新クラスのエトワールではないと体験できない戦闘が眼前に展開する。ステップとPAのグリッターストライプを使ってどんどん上空に浮遊しながら空間を自由に移動する戦闘も新鮮で、純粋にこの空間把握性能を、どんなシーンでササるのかを考えるのが楽しい。移動に便利なPAプリズムサーキュラー、着弾タイプのナ・グランツを使っているような感覚のPAブラックホールラプチャーも新たなに実装されたテクニックで戦っているようだ。エトワールのウォンドは、PAの攻撃中に武器アクションを使うとPAがフォーカスPAとなって攻撃範囲や性能が変化する。ボタンの長押しでプロテクトによって防御するのか、フォーカスPAとして攻撃の特性を変化させるのかと使いわけるエトワールの戦闘スタイルに慣れてくると、ウォンドによる戦闘の醍醐味を味わえる。溜まったギアゲージを一気に解放して放つ必殺技は、複合テクニックの使用感に近い。

 今回は、プレイできる時間が限られていることもあり、エトワールのすべてを認識できたとは到底言えない。しかし、ヒーローやファントムとは違う遊びが楽しめそうだという感覚が伝わるには十分な体験だった。エトワールは、気持ちよく『PSO2』を冒険するうえで、いろいろなプレイヤーの好みに寄り添ってくれる理解者、相棒のような懐が深い存在といっても過言ではないだろう。そして、体験会を経てまだまだブラッシュアップされていくことを思うと、実装される日が待ち遠しくないわけがないのである。

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ファントムよりも比較的とっつきやすい印象。それぞれの武器でプレイ感覚が異なるので、使いやすいものを選ぶといいだろう。