2019年1月13日、Wargamingが提供するPC用オンラインタンクバトル『World of Tanks』(以下、WoT)のプレイヤー120名を招いたオフラインイベント“紅白WoT合戦”が開催された。
ちなみに、イベント名の“WoT”の部分は「うぉと」と読む。何だか大晦日の国民的歌番組を思い出す名前だ。
コンセプトもまさしくその通りで、会場を訪れたプレイヤーのみならず、オンラインイベントに参加したプレイヤーたちも含め、紅組と白組に分かれてポイントを競い合うバトルイベントとなっている。
各組にはチームリーダーのほかに、Wargaming公式コントリビューターの4名が参加し、チームの中核を担った。その顔触れは人気動画投稿者や配信者、有名クランのメンバー、LFS池袋の従業員などなど、じつにさまざまだ。
また、会場にはWorld of Tanks ASIA Regional Publishing Directorを務めるアレキサンダー・デ・ジョルジョ氏と、World of Tanks ASIA Regional Product Managerのニック・ユー氏という、『WoT』運営チームの面々も駆けつけた。
紅白WoT合戦では、オンラインで事前に実施されていたイベントの結果に加え、会場内で行われたバトルのポイントを加算して勝敗を決する。
事前のゲーム内ミッションでは白組リードでオフラインイベント本番を迎えた。紅組には会場での華麗な逆転劇に期待がかかる。
ルールを見ると、わりとガチな対戦企画にも思えるが、両チームキャプテンの芸人気質(yamato氏は否定)がそれを許さない。会場内は始終笑いが絶えなかった。対戦というよりはお祭り騒ぎの様相である。
用意されたバトルイベントは、通常の15vs15の倍の規模での対戦となる“30vs30グランド国家戦”、新たに『WoT』に実装される装輪車輛を用いたレース“P1グランプリ”、クラン同士の真剣勝負である進撃戦を会場でやろうという“オフライン進撃戦”の3つだった。
いずれもいつもの『WoT』とはまったく異なるプレイ感覚で楽しむことができ、参加者のみならず、観客からも笑いや歓声が絶えなかった。
ここまでのふたつのバトルはおもしろさ重視の内容だった。
最後の進撃戦は、ライトにアレンジされているとはいえ、いつもならガチのクラン同士が行なう試合形式……のはずが、ここでも名勝負と同時に、各所で笑いの神が舞い降りる結果となった。すみません、写真撮りながら始終腹抱えて笑ってたのが筆者です。
3つのバトルイベントを終え、獲得ポイントは紅組が647、白組が661。紅組が追い上げ、その差はわずか。
会場に置かれたPCを使ったランダム戦のポイントを合計した結果……勝者は紅組に決定! 紅組の参加者全員に、Web Moneyなどの賞品が贈られることとなった。
大会にも神が降りた!? 『JUC』初のオフライン決勝戦
当日は“第5回 Japan Users Champiomship オフライン決勝戦”も同会場で併催された。Japan Users Championship(以下、JUC)は、PC版『WoT』の有名プレイヤーやクランマスターなどが主催する大会。チームバトルや集団戦の楽しさを知ってもらうことが趣旨だという。
なお、第5シーズンを迎えたJUCではあるが、オフラインで決勝戦を行なうのは今回が初めてとなる。選手ならびに実況・解説陣も、緊張が隠せない様子だった。
A・Bの各ブロックから予選を勝ち抜いてきたのは、チーム“Pravda USSR”と、チーム“方天画戟”。いずれもほぼ負け知らずで、予選の5チーム総当たり戦を制し、決勝の壇上に立った。
試合はBO5(3本先取で勝利)形式。Tier 9車輛4両、Tier 10車輛1両でチームを組み、2マップで攻守入れ替えで2戦ずつを行なう。
第1、第2試合 プロホロフカ
注目の初戦、方天画戟はさっそくアイデンティティーたる駆逐戦車WZ-111G FTを投入。最後まで地形的な優位を譲らなかった方天画戟側が、初戦を制した。だがその中で、チームの魂たるWZ-111G FTが危機を招く場面も……?
続く第2試合、攻守を交替し、攻撃側となった方天画戟が選んだ車輛は……。
攻撃側ということで、臨機応変にアイデンティティー(WZ-111G FT)は捨て去り、機動力に優れた編成に切り替えた方天画戟。Pravda USSRも機動力重視の編成で、お互い奇襲を警戒したまま試合は進行していく。
そんな中、方天画戟が仕掛け、3対1の状況を作り出すことに成功した。だが、Pravda USSRも負けてはいない。リーダーのfinn選手が1両を返り討ちにしたのだ。
高火力・高機動力の3両に囲まれながら、高台に逃れつつ反撃まで決めるファインプレーは見事だった。
それでも方天画戟は動じなかった。相手の誘いに乗らず、高い位置をキープ。堅実な反撃を展開した。結果、2勝目を獲得し、早くも優勝へリーチをかける。
第3、第4試合 ヒメルズドルフ
続く2マップ目、ヒメルズドルフでの第3試合。この試合でも方天画戟はWZ-111G FTを外した。対して、Pravda USSRはWZ-111G FTを選択。さらにWZ-111G FTと同様に固定砲台を持つ駆逐戦車をもう1両投入した。
さらに試合開始直後、両チームが同じ場所への集団ラッシュをかけたため、ほぼ全車輛が出くわすという珍事が発生。そんなハプニングも乗り越えて、Pravda USSRがWZ……ではなく、とても強いドイツ駆逐戦車“Jagdtiger”の活躍で勝利し、見事に1本取り返してみせた。
続く第4試合は、両チームともに固定砲台の駆逐戦車を投入してスタートした。解説陣も大いに煽った結果かもしれない。方天画戟の魂ことWZ-111G FTも復活し、気合い(?)が感じられる布陣だ。見守る観客席からも、試合開始前から拍手と歓声が飛ぶ。
方天画戟のWZ-111G FTに視線が集まる中、とんでもないことをしでかしてくれたのは、別の固定砲塔戦車だった。Pravda USSRの“Foch”と方天画戟の“Badger”である。動きにくいはずの固定砲塔戦車がお互いの背後を取り合うは、まるでダンスをしているよう。
結果、建物の出っ張りにFoshが引っ掛かり、そこをBadgerが車体後部で押し付けて動きを止めるという、妙な状態に陥った。両者ともに動くに動けず、砲を相手に向けられないので、このまま味方が来てくれるのを待つしかない……。
お互い1両ずつ行動不能になったところで、そこからは1両ずつ倒し合っていく。だが、2対2(動けない固定砲台戦車たちも含む)になったところで、方天画戟が先ほどの膠着状態を先に崩し、2対1の状況に持ち込んで接戦を制した。
さまざまな楽しみかたや対戦の妙が詰まった“紅白WoT合戦”。「毎月イベントやって!」とアレックス氏にねだる声も挙がっていた。こんなに楽しく、笑いと歓声に満ちたイベントなら、毎月開催でも大歓迎だ。
めでたく楽しい紅白戦での戦車始めとなった『WoT』で、今年はどんな公式イベントや大会が見られるのだろうか。新年早々、期待は膨らむばかりだ。