アメリカのシアトルで開催中のゲームイベント“PAX WEST”。会場付近のホテルで、DotEmuの新作『Streets of Rage 4』のプレス用デモをプレイした。

 本作はセガのベルトスクロールアクションゲーム『ベア・ナックル』シリーズの最新作。正式にライセンスを取得して開発が行われている。

 今回プレイできたのは、アクセルとブレイズでのローカル2人協力プレイ。記者はアクセルを使い、開発者の一人がブレイズを使うという形で遊んだ。

 Lizardcubeによるアニメーションタッチのグラフィックに生まれ変わった本作だが、やることは基本的に『ベア・ナックル』シリーズの伝統を踏襲。上下左右の移動+ジャンプ/攻撃/スペシャルアタックという操作体系で、立ちはだかるチンピラどもをボコボコにしながら進んでいく。

『Streets of Rage 4』改め『ベア・ナックルIV』をプレイ。さらなるプレイアブルキャラや音楽についても聞いた【PAX WEST】_02

グランドアッパー炸裂!

 ヒゲヅラになったことが話題を呼んだアクセルだが、いまだお盛んな様子。→→+攻撃で(当時特有のデジタルに潰れた)声とともにおなじみの技“グランドアッパー”が出て、一気に眼前の敵を刈り取ってくれる。

 スペシャルアタックは、発動すると体力を消費する代わりに強力なコンボ技を放つという方式。その後にうまくコンボを入れていけばある程度体力をリカバー可能だ。もちろん、ぶっ壊した障害物から出てきた食べ物を取ればもっとちゃんと回復できる。

『Streets of Rage 4』改め『ベア・ナックルIV』をプレイ。さらなるプレイアブルキャラや音楽についても聞いた【PAX WEST】_04

 なお、空中にいる敵を追撃することでいわゆるドリブル(お手玉)が可能で、画面端での攻防や仲間との挟撃時はなかなか強力な攻撃手段となる(あまり近づきすぎるとお互いの攻撃が当たってしまうので「ゴメン」とか謝ることになるが、そのコミュニケーションがちょっと楽しかったりもする)。

 アクセルとブレイズ以外のプレイアブルキャラクターについても当然用意があり、今後発表していくという。

『Streets of Rage 4』改め『ベア・ナックルIV』をプレイ。さらなるプレイアブルキャラや音楽についても聞いた【PAX WEST】_03
『Streets of Rage 4』改め『ベア・ナックルIV』をプレイ。さらなるプレイアブルキャラや音楽についても聞いた【PAX WEST】_01

 さて、本作は発売日/対応プラットフォームが現状未定となっているものの、日本でのリリースや(海外タイトルを踏襲した形ではなく)“ベア・ナックルIV”と呼んでいいかについては「もちろん」とのことだった。

 そして、発表時から多くコメントされていたのが音楽について。シリーズの音楽を手掛けてきた古代祐三氏らの参加の可能性についてズバリ質問したところ、「いまは詳しく話せることはないが、古代祐三サンや川島基宏サンの音楽がシリーズにとっていかに重要かは十分認識している」との回答。

 実は古代祐三氏についてはプレスリリースでも“『ベア・ナックル』とは”を説明しているくだりで言及されており、もしかすると今後なにか動きがあるのかもしれない(ちなみに古代氏もTwitterで今はコメントできない旨を表明している)。

実はとある奇ゲーとの繋がりが……。

 ところで取材現場に到達した時、スタッフが「実は僕らキミを知ってるんだけど……」と話しかけてきてくれたのだが、よくよく話を聞いてみると、DotEmuとLizardcubeとともに共同開発を行うGuard Crush Gamesは、かつて本誌でも紹介した実写系ベルトスクロールアクションゲーム『Streets of Fury』を手掛けたインディースタジオだった。

 現在Steamでエクステンデッド版が配信されている『Streets of Fury』は、もとを辿ればXbox Live Indie Gamesでリリースされた奇ゲーのひとつ。パリを舞台に実写ファイターたちが戦うという、言ってしまえば『ベア・ナックル』系のベルトスクロールアクションだった。

 とはいえ『Streets of Fury』はいろいろとワイルドな作りのゲームだったのでそのあたりについて聞いてみたのだが、「あれは●●●(とある大パブリッシャー)にいた時に趣味で作ったものでジョーク寄りだけど、今回は全然違うプロジェクトなんでそこは大丈夫」とのコメント。

 それぞれの関わり方としては、Guard Crush Gamesがエンジン構築やプログラミングを、Lizardcubeが得意なグラフィックを中心に担当し、DotEmuがパブリッシングまわりやそれ以外の細かい部分を担当するという分担になっているそう。

 ちなみにLizardcubeが手掛けたリメイク版『ワンダーボーイ ドラゴンの罠』にあったレトログラフィックとの切り替え機能のようなものが本作にあるかどうかについては、「あれはリメイクで、今回は完全新作なのでありません」と語っていた。