Turn 10 Studios開発による『Forza Motorsport』の1作目が、初代Xboxにてリリースされたのが2005年。最初に聞き慣れない同作の名前を聞いたときは、「何かおもしろい名前だなあ」思ったのは記憶に新しいところだが(“Forza”はイタリア語で“力”を意味するらしい)、“ビデオゲーム最高峰のレースゲームブランドに!”を目標に、発売元のマイクロソフトが強力にブランドを展開。以降、Xboxの歴史に足並みを合わせるようにして、順調にシリーズを重ねてきた。以前に、『Forza Motorsport』シリーズは、“Xboxの優等生”みたいな趣旨のことを書いた記憶もあるが、その名前はすっかりゲームファンに定着している感がある。『Forza Motorsport』はまさに“Xboxの力になった”みたいなことを書くと、ちょっとうまくまとめ過ぎのような気もするが……。

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『Forza』フランチャイズシニアマーケティングマネージャーのクリス・ビショップ氏。

 クリエイティブ・ディレクターであるTurn 10 Studiosのダン・グリーンウォルト氏ら、シリーズを通して折に触れて接する開発陣のコメントの端々から実感されるのは、クルマとカーカルチャーに対する愛。『Forza』フランチャイズシニアマーケティングマネージャーのクリス・ビショップ氏による「私が思うに、『Forza Motorsport』は、いろいろな違ったテイストや嗜好を持った人たちが、いっしょにプレイできるゲームだということです。あらゆる人に楽しんでもらえる。人によってはレースが好きな方もいるでしょうし、クルマが好きな方もいるでしょう。競争するのが好きな方もいれば、私のようにただ単に友だちと遊ぶのが楽しい方もいます。クルマのカスタマイズに打ち込む方もいるでしょう。『Forza Motorsport』が私たちにもたらしてくれる経験は、個人によってさまざまです。そういった意味では、『Forza Motorsport』は、クルマやレースゲームに関する、いろいろなことを行うことが可能な“環境”なんです。そんな大きなものだと、私は考えています」とのコメントは、まさに、『Forza』シリーズ(『Forza Motorsport』と『Forza Horizon』)の本質を突く言葉といえるかもしれない。クルマファンとレースファンの“やりたいこと”を叶えてきたのが『Forza』シリーズであり、その最新のモデルケースが『Forza Motorsport 7』だ。

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 と、話が前後してしまったが、いまのクリス・ビショップ氏の話を聞いたのが、2017年9月5日(現地時間)にオーストラリア・シドニーにて行われたXbox Showcase Eventにて。同イベントの詳細については追ってお伝えする予定だが、APAC(アジア太平洋)のプレス陣を対象にしたこのイベントにて、大々的にフィーチャーされていたのが、ワールドワイドでの発売を10月3日に控えた『Forza Motorsport 7』。取材陣の前に“ほぼ完成版”が提供され、冒頭部分からじっくりと遊ぶことができた。“ほぼ完成版”というのは、ビショップ氏によると、「コンテンツとしては完成しているが、ロード時間など細かいところで調整が入るから」とのこと。

 クリス・ビショップ氏いわく、「『Forza Motorsport 7』では、もっとも美しく、もっともパワフルな、究極のレーシングエクスペリエンスを求めました。700車種を収録し、32の環境200のサーキットでレースを楽しめます。キャンペーン(Forza ドライバーズ クラブ)はすべて刷新していて、2~24人までのマルチプレイが可能です」という本作。百聞は一見に如かず……ということで、まずはゲームの冒頭部分のゲームプレイをご覧いただこう。Xbox One Xの実機でプレイしてのこちらの映像は、もちろんのこと4Kクオリティーであり、『Forza Motorsport 7』の美麗なグラフィックの一端をうかがうことができる。

 今回のゲームプレイで確認できたのは、ゲームプレイの冒頭部分に3つのシチュエーションでのレースが挿入されていること。ドバイのヤス・マリーナ・サーキットをポルシェ 911 GT2 RSで走行、イタリアのムジェロ・サーキットをトラックレースの車種で走行、日本の鈴鹿サーキットをNISSAN GT-Rで走行の3つだ。チュートリアル的でありながら、『Forza Motorsport 7』のエッセンスを凝縮したかのようなこのシーケンスは、「イニシャルエクスペリエンス(最初の体験くらいの意味か)で、本作では“こんなにいろいろなことができるんだ”というショウケースとしてお見せしたくて、導入しました。あとは、新規ユーザーさんにもわかりやすいようにということで、チュートリアルを入れた一面もあります。モータースポーツの経験がない人でも楽しんでいただけるように……ということですね。ちなみに、2番目にあまりポピュラーではないトラックレースを持ってきたのは、バラエティ感を出したかったからです。7作目になるので、何か違ったものをお見せしたかったというのはあります。本日体験された多くの方が驚かれていましたね(笑)」(ビショップ氏)との意図のもとに盛り込まれたもので、「これから『Forza Motorsport 7』をプレイするんだな」という気持ちを嫌が上にも盛り上げてくれる。とくにうれしいのは、やはり『Forza Motorsport 4』以来の登場となる鈴鹿サーキットの収録で、雨の鈴鹿でのレースは、4Kクオリティーを推し量る格好のモデルケースとなっていると言える。ちなみに、鈴鹿以外の日本のサーキットの追加に関しては、「日本のロケーションは人気があって、需要があるのですが、いまのところ計画としてはありません」(ビショップ氏)とのことだ。

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ゲームの冒頭部分から、本作ではドライバーギアをカスタマイズ可能で、自分だけのドライバーを作れる。
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ドバイのヤス・マリーナ・サーキット。
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イタリアのムジェロ・サーキット
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日本の鈴鹿サーキット

 この3つのサーキットでの腕試しを終えると、いよいよ本番へ! ということで“Forza ドライバーズ カップ”へと突入する。プレイできたのは、あくまで触りだが、ここではクリス・ビショップ氏とのやりとりでも話題として挙がったDrivatar(ドライバタ)とPrize Cratesについて少し紹介しておこう。Drivatarとは、世界中のプレイヤーのプレイ状況などからクラウド上に構築される、いわばドライバーのAI。人間ときには失敗もするということで、機械的ではなくて、リアリティーを求めるために『Forza Motorsport 4』から採用されたもの。最新作の『7』では、そのDrivatarもさらに進化。「プレイヤーの数が増えれば、ドライバーの数も増えることになります。毎月のように新たなDrivatarが加えられている状態ですね。本作では、シングルプレイであれ、マルチプレイであれ、プレイヤーがカスタマイズしたドライバーギアがそのままDrivatarに反映されるんですよ」(ビショップ氏)とのこと。

 Prize Cratesは(Cratesはカゴの意味らしい)、ゲーム内通貨であるCRを溜めることで購入できるお得なボーナスパックのようなもので、ギアだったり、クルマだったりと、いろいろなものを入手できる。「受け取るものはランダムになるのですが、“コモン”、“レア”、“ウルトラレア”のカテゴリに分けられています」(ビショップ氏)とのことで、プレイの幅が広がりそうだ。

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“Forza ドライバーズ カップ”へ挑戦
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Prize Cratesでレアイテムをゲットできる。

 冒頭でも触れたとおり、『Forza Motorsport 7』のリリースは10月3日。欧米では11月7日にリリースされるXbox One Xにももちろん対応しており、同ハードのポテンシャルを推し量る絶好のタイトルとなる。まあ、それだけ責任重大ということで、プレッシャーも伴うものと思われるが、クリス・ビショップ氏いわく「とにかくグラフィックに注目していただきたいです。4K、60fps、HDRなどに対応した『Forza Motorsport 7』は人の心を掴まずにはいられないはずです」とのことで、大いに手応えを感じているよう。Xbox One Xのモデルケースともなる、『Forza Motorsport 7』に期待が高まる。

 最後に、Xbox Showcase Eventに合わせて公開された、『Forza Motorsport 7』の最新素材をご紹介しよう

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