(トンデモ)チューボーですよ!
こんにちは。坂本ビス太です。
PCゲームのダウンロード販売サイト“Steam”で配信されているタイトルの中から、メジャー・インディー問わず毎週1本のオススメSteamタイトルを編集者が独断と偏見で選び、ゆるりとプレイリポートをお届けするこのコーナー。
今回のタイトルはコチラ。
第4回 オススメSteamタイトル
開発: Ghost Town Games
配信日:2016年8月4日
ジャンル:アクション
価格:1680円[税込]
<どんなゲームか、ざっくり言うと>
・ドタバタ料理アクション
・とんでもギミック満載のキッチン
・協力という名のジャマしあい
スーパーかわいいグラフィックに惹かれて、ソッコー購入したこちらのタイトル。シェフとなって、多種多様なキッチンで客のオーダー通りに料理を作りまくるドタバタアクションゲーム。ホントはタマネギのおっさん(王様?)の国を救うため、ホニャホニャなんちゃらみたいなバックストーリーがあるんだけど、あまり気にしてなかった。
プレイヤーがすることは基本的に、食材を運ぶ・切る・煮る・焼く・盛りつけるといったところ。シングルプレイの場合には、ふたりのシェフの操作を切り替えつつ料理を行える。片方が食材を切っているあいだに、もう片方に盛りつけさせる、とかね。シンプルかつコミカルなアクションは、見ているだけでもとにかく楽しい。このシンプルさに制限時間とステージのギミックが加わり、なんともスパイシーなアクションゲームに仕上がっているのだ。
そのステージギミックがなんとも多様で、おもしろいものばかり。キッチンが真っ二つに割れて一定時間、移動を遮られたり、ベルトコンベアで素材や料理をやり取りしたり、ネズミに食材を盗られたり、並走する2台のトラックがキッチンだったり。なかには悪意のカタマリみたいなステージもある。また、焼きすぎたり煮すぎたりすると、コンロから火が出てしまう。放っておくとあっという間に燃え広がるので、消火器で消さなきゃいけない。
こっちの食材を切っているあいだに、あっちを煮込んで、切り終えたら皿を回収して洗って、つぎの食材も用意しなきゃだし……と頭がフル回転。
うん、これはなかなかに忙しい。
本作はローカルCo-opに対応しており、最大4人のプレイヤーで遊ぶことができる。シングルプレイに早くも限界を感じたので、複数人でプレイしてみることに。
そして確信した。「このゲームの真髄は、Co-opにこそあり」と。
みんなで協力すれば難しいステージでもなんとかなると思っていたが、役割分担もせずに始めたもんだから、出だしからみんなで食材を取り出しにいくわ、切るのに夢中で誰も鍋を火から外さないわ(当然、火災発生)、通路は塞ぐわ、皿は洗わないわ。
実況風にするとこんな感じ。
「タマネギくれ!」
「いまトマト切ってるから!」
「肉焼けてるよ!」
「タマネギくれって!」
「切ったトマト盛りつけて!」
「それ、もう俺がやったし!」
「皿がないんだけど?」
「誰か肉見てんの? 燃えてっけど!」
「お願いだからタマネギくれよ」
「まず火消せよ! のん気かよ!」
「消火器どうやって使うんだよ」
「タマネギ……」
うん、これはなかなかにカオスだ。
絶対に、初見のCo-opはこうなる。しかし、これがものすごく楽しいのだ。わざとジャマしているわけではないのに、なにも料理ができあがらない。あげくキッチンはゴウゴウと燃え広がりを見せている。最高におもしろいじゃないか(笑)。『マリオブラザーズ』や『バルーンファイト』で、協力プレイの名の元に、結果としてジャマプレイになってしまっている、あの感じに近いか。
でもプレイしているうちに、だんだんと役割分担したり、誰かが司令塔になって指示を出したりして、キレイにまとまってくる。この達成感や成長感もうれしい。で、新しいギミックのキッチンに行くと、また崩壊して。
というわけで、初見殺し……とまでは言わないが、何も知らない家族や友人といっしょにプレイすると、最高に盛り上がるゲームです。ぜひとも、パーティーのお共にいかがでしょうか?(リビングにPCがあるご家庭がどれほどあるかは度外視。※PS4版も発売されています)
▼連載バックナンバー
・【第1回】狂気に満ちて美しい『INSIDE』をプレイ
・【第2回】暑い夏は『Dead by Daylight』で肝を冷やそう
・【第3回】『Enter the Gungeon』はシューティングか? ローグライクか?
・【第4回】『We Happy Few』アーリーアクセス版をゆるっとプレイ
<今回の担当編集者>
坂本ビス太
「切る、煮る」という原稿を書いていたら、女暗殺者の復讐劇を思いついた。包丁で斬った相手を鍋に突っ込んでいくバイオレンスアクション「キルニル」。監督は、食えんティン・タランティーノ。くだらねぇ。