十二分に楽しむには、ある程度の英語力が必須……?
※記事タイトルに間違いがあったため、修正しました。読者並びに関係者の皆様へご迷惑をおかけしま したことをお詫びするとともに、ここに訂正させていただきます。
どうもこんにちは、工藤エイムです。
PCゲームのダウンロード販売サイト“Steam”で配信されているタイトルの中から、メジャー・インディー問わず毎週1本のオススメSteamタイトルを編集者が独断と偏見で選び、ゆるっとプレイリポートをお届けするこのコーナー。
今回のタイトルはこちら。
第4回 オススメSteamタイトル
開発:Compulsion Games
配信日:2016年7月27日(アーリーアクセス版)
ジャンル:サバイバルアクション
価格:2980円[税込]
<どんなゲームか、ざっくり言うと>
・JOYという薬で強要されたウソの幸せ
・街の住人はみんな薬漬けで狂っている世界。JOYを摂取しない人(プレイヤー=Downer)は異分子扱いされ、住人や警官に狙われる
・パーマデス、ローグライク要素アリ
制作は、アクションアドベンチャーゲーム『CONTRAST(コントラスト)』で知られるCompulsion Games。『CONTRAST(コントラスト)』でも描かれていた、独特で美しいレトロフューチャーなアートスタイルが特徴。いいよね、この画風。加えて『We happy few』は1960年代のイギリスをモチーフにしており、街並みやNPCのファッション、音楽と本作の独特な雰囲気がマッチしていて、見ているだけで強烈なインパクトを与えてくれる。筆者はE3 2016の“Xbox E3 Briefing”で本作が紹介され、かなり気になっていた口。Steamでアーリーアクセス版が配信されると知り、英語版で内容を理解できるか不安だけど、とりあえず遊んでみたのです。
舞台は、イギリスの“Wellington Wells”。1960年代のレトロな雰囲気がぷんぷんする街だ。どころなく映画「時計仕掛けのオレンジ」と2K GAMESの『バイオショック』のような世界観に近いだろう。
少々異様な雰囲気が感じられる“Wellington Wells”のとある施設で、新聞検閲の仕事をしていたプレイキャラクターのArthur(アーサー)だが、仕事中ふと薬の効果が切れる。そのとき、薬の作用でつらい記憶をすべて忘れ狂い始めていることに疑問を感じ、ついには服用を辞めるというのが序盤の流れだ。
本作でキーアイテムとなるのが、人をむりやり躁状態にさせる薬“JOY”。なぜこの薬が蔓延しているのかというと、本作では第2次世界大戦でイギリスがドイツに降伏したために、敗戦のショックでイギリス国民が極度のうつ状態に陥ったという設定からだ。本作登場する人々はほとんどが“JOY”を常用しており、辛い記憶を忘れ正気を失っている。正気なのは、プレイヤーだけだ。
今回はアーリーアクセス版(バージョンAlpha)をプレイしており、サバイバル要素はしっかりと出来上がっていて楽しめるが、気になるのストーリー要素はまだ収録されていない模様。本作はストーリーに重きを置いているのではなく、何度も死んでリトライを楽しむローグライクシステムが採用されているからだ。腐った食べ物を食べ吐き続けて死んでしまうこともあるし、警官に一撃パンチを喰らっただけで死んでしまうこともある。しかし、リプレイ毎に新たなマップが用意されるプロシージャル生成が採用されているため、初めからやり直しになっても、わりと新鮮な気持ちでプレイに臨めるのはいいところだろう。メインメニューには“パーマデス”のON/OFFもあるので、「死んでしまったら最初からやり直しはめんどう」という人も安心である。
とにかくプレイヤーは、“空腹・喉の渇き・睡眠”を解消しつつ、ダウナーとして追い出された人々が暮らす荒廃したエリアでサバイバルしたり、JOYの常用者が暮らすエリアで自身がダウナーであることを隠しながら潜入したりと、別のエリアへ脱出の手がかりを探しに行くことになる。
エリア内にあるアイテム・素材を入手し、集めた素材で回復アイテムや武器をクラフトして、エリアに出現するクエストをこなしていくというのがアーリーアクセス版での主な流れだ。各エリアにはセーフハウスが点在し、そこで睡眠をとったりアイテムを整理しつつ、脱出への糸口を見つけていくのだ。
アーリーアクセス版ということで、まだまだ未完成である本作。とにかく雰囲気が知りたい! という人にはぜひプレイしてもらいたいが、日本語音声には対応しておらず、プレイアブルキャラクターの追加やNPCの挙動修正などは製品版でアップデートされるとのこと。日ごろから洋ゲーに親しんでいる人だったら問題はないと思うが、英語にストレスを感じる人やストーリーが気になっているという人には、買うのはまだ早いかもしれない。なにしろ、クエストの情報や入手した書類、NPCの会話内容を理解するのは、ある程度の英語力が必要だと感じる。
とにかく、まだ開発初期~中期である本作。日本語対応に期待しつつ、製品版を待ちたいところ。個人的には、ぜひ購入してプレイしてもらい、公式フォーラムにフィードバックを届けてほしい。
▼連載バックナンバー
・【第1回】狂気に満ちて美しい『INSIDE』をプレイ
・【第2回】暑い夏は『Dead by Daylight』で肝を冷やそう
・【第3回】『Enter the Gungeon』はシューティングか? ローグライクか?
<今回の担当編集者>
工藤エイム
洋ゲーとFPSばっかりプレイしている、コーヒーにはうるさい編集者。好きなコーヒーチェーン店は“タリーズコーヒー”。理由はホットドックがうまいから。