欧米では、10月25日からベータテストがスタート

 2016年8月17日~21日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2016が開催。会期中に、ビジネスエリアのCD Projekt Redブースにて、同社が開発中のカードゲーム『Gwent: The Witcher Card Game』(以下、『Gwent』)を試遊する機会があった。『Gwent』と言えば、世界中で高い評価を獲得したRPG『ウィッチャー3 ワイルドハント』に収録されていたミニゲーム“グウェント”を単独のカードゲームとしてして切り出したもの。世界中のファンからの、「ゲーム化してほしい」との溢れるようなリクエストに応えて実現したプロジェクトというから、“グウェント”がいかに熱烈に愛されているかがわかる。E3 2016でサプライズ発表されて、大きな注目を集めたのも、むべなるかなといったところ。

『Gwent: The Witcher Card Game』はさっくり楽しめつつも極めて奥が深いカードゲーム【gamescom 2016】_04
『Gwent: The Witcher Card Game』はさっくり楽しめつつも極めて奥が深いカードゲーム【gamescom 2016】_05
▲CD Projekt Redブースでは、『Gwent』をしっかりと再現。『Gwent』ビール(?)も。

 試遊にあたっては、まずはCD Projekt Redの担当者がプレゼン。単独ゲーム化にあたっては、カードが増えていることや、ビジュアルやエフェクトが強化されていることなどが説明された。新しいアビリティも追加されるとのことで、「シンプルながらも奥の深い」遊びの幅はさらに広がりそう。担当者によると、「ワンプレイ15分程度で終えられるようにしたい」とのことで、気軽に遊べるようにとの方針が前提としてあるようだ。

 E3 2016では、“秋ごろ”とアナウンスされていたベータテストが、10月25日に決定(海外・サイトでは事前登録を開始中の模様)。まずは、PC版とXbox One版が行われ、ほどなくしてプレイステーション4版も実施される予定だという。なお、本作は基本プレイ無料でリリースされ、以降、ゲームモードや拡張デッキの追加などを予定しているという。「購入したら、買ってよかったと思われるものを提供したい」とのことだ。

 プレゼンで多くの時間が割かれたのは、シングルプレイ。本作には、対戦を楽しめるマルチプレイと、ストーリーが楽しめるシングルプレイの両方が用意されており、リリース当初は10時間程度のものを予定しているという。ストーリーそのものは、『ウィッチャー3 ワイルドハント』の世界観を広げたもので、おなじみのキャラクターはもちろん、新たなキャラクターも登場するという。ストーリーの途中では選択肢なども用意されており、「プレイヤーの行動がつぎにつながります。その決断は正しいかどうかわかりませんが、後々ついてまわるんです」というから、物語が継続されるたびに、自分独自のストーリーが展開されるのかも。

 プレゼンでは、ストーリーの導入部のデモが披露。傭兵の隊長を中心とした4人組が、人のいない館を調査して……というところからスタートした。どうやら、高貴な女性を助けるために冒険をするというのが、ストーリーのおおまかな流れとなるようだ。マップ上の朽ち果てた建物を調べるとカードをもらえるというシーンなども確認できた(逆にカードを取られるというシチュエーションもあるらしい)。

 というわけで、試遊では目の前にいる海外プレスの方と対戦。ゲームのルールは、3本のレーンに手持ちのカードを出していき、カードに記載された数字の合計が大きいほうが勝利となる。レーンは上から近接攻撃、間接攻撃、攻城となっており、カードの属性によって、置けるレーンも限定されてくる。とはいえ、単純に高い数字のカードを出していけばいいというわけではなく、特殊効果でカードを弱体化させたり……と一筋縄ではいかない。さらに、本作では1回のバトルで使用できるカードの枚数が決まっているのも悩みどころ。バトル自体は3ラウンド2本先取となるのだが、いかに効率よくカードを出していくかが、カギを握ることになる。あえて1ラウンドは勝負を捨ててカードを温存しておき、最後に有利な枚数で勝負を仕掛けるといったことも可能だ。

『Gwent: The Witcher Card Game』はさっくり楽しめつつも極めて奥が深いカードゲーム【gamescom 2016】_01
『Gwent: The Witcher Card Game』はさっくり楽しめつつも極めて奥が深いカードゲーム【gamescom 2016】_03

 海外プレスの方との試合は白熱……なんてことはなく、1ラウンド目は何となくお互い様子見でドローだったものの、(1ラウンド目がドローだったために)最終ラウンドといった2ラウンド目は、海外プレスの方に特殊効果を有効的に使われて一方的に大敗。これで試遊も終了……となるところが、あまりにあっけない結末だったためか、「もう1回どうですか?」とスタッフの方から優しい言葉をいただくことに。しかもこちらは担当者の方もアドバイス付きという、いわゆるチート状態。「1回なくしたカードを復活させると強くなる」といったアドバイスをいただき、2対1で見事勝利できたのだ。試合後、海外プレスの方に「ずるしちゃってごめんなさい」と、お詫びしたのでした。何はともあれ、ぜひとも日本語化された『Gwent』の配信を期待したいところです。

『Gwent: The Witcher Card Game』はさっくり楽しめつつも極めて奥が深いカードゲーム【gamescom 2016】_02