レア社の野心作の詳細が判明
2016年8月17日~21日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2016が開催。会期初日のビジネスデーにあたる8月17日に、ビジネスエリアのマイクロソフトブースにて、Rare社が手掛ける『Sea of Thieves』のプレゼンテーションが行われた。解説は、本作のリード・デザイナー Mike Chapman氏だ。
本作はワールドをほかのプレイヤーと共有し、クエストをこなし、探検し、クリチャーを見つけ、自分の船をカスタマイズするアクション・アドベンチャーゲーム。史実にしばられた物語が展開するのではなく、あくまでも“海賊ファンタジーゲーム”であるとchapman氏は強調する。今回、会期前日の8月16日に行われた“Xbox Showcase”にて、実機プレイ映像をキャプチャーできたので、あわせてご確認いただきたい。
海賊がテーマとなるので、クルーといっしょに船で冒険しながら仲間との結束が結べる。海上には多くの海賊船がいるのでいつ船が壊されるか、危険がいっぱいだ。
そしてプレイヤーもさまざまで、ゲームの世界に逃避したい人もいるだろうし、キャラクターや船のカスタマイズが好きな人、仲間には入らずにひとりで小さい船に乗って冒険したい人もいる。本作は数年前からPCゲームのトレンドとなりつつある、プレイヤーがゲームを作り、ゴールを設定する自由度の高いアドベンチャー・ゲームであるとchapman氏は言う。『Sea of Thieves』では、このジャンルの魅力に焦点を当て、さらに広範囲なプレイヤーに遊んでもらえるようにしているそうだ。
本作で用意されているクエストは、宝箱のマップを入手して仲間と協力して島を見つけたり、クリチャーを発見したりできるといった、まさに海賊らしいものが多数用意されるとのこと。海で残骸を見つけ、その正体を確かめることもあるかもしれない。島に上陸してコンパス、シャベルなど各プレイヤーが持つツールを使って協力して先へ進む必要があるそうだ。宝箱を発見したらそれをだれかが船まで運ぶことも出来るとのこと。
また、本作はオンラインゲームのようにほかのプレイヤーと交流ができるが、彼らがどんな目的でプレイしているのかはわからない。中には危険な人たちもいるかもしれない。chapman氏は、悪いクルー(プレイヤー)と素晴らしいクルー(プレイヤー)の違いは、どのように協力して戦略を立てるかにかかっているとし、自分が仲間に入るか避けるかを、プレイヤーは選ぶ自由があると述べた。
最後にchapman氏は、「プレイヤーが役割を選ぶゲームはPCゲームで生まれ親しまれてきたので、このゲームはPCゲームにぴったりだと言える。コンソールとPCで構造・機構は異なるが、同じ世界に入る窓がふたつあるというだけ。現時点では明確なことは言えないが、このゲームはクロスプレイに向いており、エキサイティングな機会だと考えている」と、クロスプレイ対応に意欲を見せてくれた。
最後の質疑応答では興味深いやりとりがあったので、紹介して本稿を閉めよう。
-ーPCとコンソールではプレイスタイルが異なるのか?
Chapman そうではない。クエストを行うゲーム経験もゲームのメカニクスとのインタラクションもまったく同じだ。PCとXbox Oneでシームレスな経験が楽しめる。プレイの仕方はまったく同じだ。テストを行っているが同じ経験が得られる。
ーーボイスチャットは出来るのか?
Chapman ボイスはコミュニケーションを取る重要な手段だ。だが常にボイスチャットをしたいわけではないので、ボイスを使わずに意思の疎通がはかれるようにする。クルーを組むためにボイスを使って欲しいと思っている。マッチメイキングでフレンドといっしょにプレイすることも可能だ。
ーーナラティブ(ストーリー)については?
Chapman プレイヤーはストーリーの流れを期待している。本作は、プレイヤーがやりたいようにプレイすることがキーなので、リニアなストーリーはこのプレイスタイルには向いていない。我々の考えるバージョンのストーリーは背景にある。だがプレイすると毎回異なる。レジェンダリー・トレジャーを見つけるマップを入手してもそのトレジャーがどこにあるかは毎回変わる。だがアイテムの背景にあるレジェンドの歴史は継続する。プレイヤーはエピック・アドベンチャーの一部だと感じる。複数のセッションに共通のゴールはある。その一部を自分だけでやるかもしれないし、フレンズとやるかもしれない。ストーリーが背景にあり、継続しているという感覚はプレイヤーにとって重要だ。ただプレイヤーが同じようなことをやっても出会う人、クリチャー、トレジャーの場所、クエストのタイプによって毎回違う感覚がある。
ーーほかのプレイヤーとは常に出会うのか?
Chapman 共有するワールドなので、どのくらいの人と出会うかはわからない。仲間になるかどうかもわからない。
ーー『DayZ』あるいはMMOのような感じなのか?自分としてはラベルを付け
Chapman 自分としてはラベルを付けるのは好きではないのでMMO(Massively Multiplayer Online)という呼びかたはしたくない。MMOというとメカニックがぼんやりした感じがする。このゲームは協力して完成する体験だ。MMOというとフレンドリーではない感じがする。このゲームは非常に没入感が強い。
ーー何百人もの人に会うのか?
Chapman 多くの人に出会うかもしれない。ともに船を操作していっしょに海上を進むかもしれない。
ーーキャラクターには名前があるのか?
Chapman ゲームタグがある。自分のキャラクターや船をカスタマイズして投資するのは大事な要素だ。すべての船はプレイヤーが所有する。船はキャラクターの延長といえる。キャラクターの外観、船、キット、ツールのプログレッションは固有のもので、ビジュアルで明確にわかる。それによって他の人から賞賛されたりする。船にいっしょに乗っていればクルーとして共有できる。
ーー船はひとりで操作できるのか?
Chapman 大きい船は数人のクルーが必要だ。
ーー何人までプレイ出来るのか?
Chapman 人数は明確にしていない。多くの人がいっしょにプレイすることは重要ではない。クルーとして仲間意識を持つことが大事だ。
ーー船が沈没したらどうなるのか?
Chapman 船は回復できる。プレイヤーの興味を継続したい。嵐が来て船が沈んでしまったら消失感に苛まれる。プログレッション(進歩)は一時的に失うかもしれないが、船は回復する。そうでないともうプレイしないだろう。ゲームのメカニックスは協力プレイを奨励するので、協力すれば船は早く進む。また、ウインド・システムがあるので風はあらゆる方向から吹く。
ーー町はあるのか?
Chapman 港があるのでそこで色々なものを購入したり、船の装備を整えたり、船をカスタマイズしたり出来る。トレーダーにアイテムを売って得た収益でキャラクターをアップグレードしたり、より良いクエストを入手することも可能。
ーー家はあるのか?
Chapman クールなフィーチャーだと思うが、いまは明確にはしていない。船が家のように感じられるだろう。どこへ行くにも船が必要だ。
ーー陸ではどのようなことができる?
Chapman 陸上では協力してツールを使ってクエストをこなす。食品、水、武器などのリソースを集めて船の装備を整える。どのようにプレイするかはプレイヤー次第だ。
ーーワールドの大きさは?
Chapman 数字は重要ではないので明確にしていないが、シームレスな大きなワールドであり、地域に分かれている。カリブ海の海賊の雰囲気がある場所、荒野、不毛の山などもある。シームレスなワールドをローディングなしに移動できる。