ロケットパンチは出ないが、発光機能付きでドローンも付属

 KONAMIが義肢アーティストのSophie De Oliviera Barata氏と共同で行った“The Phantom Limb Project”は、『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』に出てくるバイオニックアームのような特注の筋電義手を、腕が欠損したゲーマーに贈るというプロジェクト。BBC Threeが、その様子を追ったドキュメンタリー「Bodyhack | Metal Gear Man」をYouTube公式チャンネルで公開している。

Bodyhack | Metal Gear Man - PART 1

Bodyhack | Metal Gear Man - PART 2

 開発を行ったのは、3Dプリンターを活用した義手の普及を目指すイギリスの会社Open Bionics(以前CESでの展示リポートを掲載した)。対象者には、駅でホームから転落してしまった事故により左腕の肩から先と左足の膝から先を失ってしまった20代の男性James Young氏が選ばれた。
 完成した義手は、De Oliviera Barata氏のコンセプトを元に、発光機能やドローンの脱着機能などのギミックをつけつつも、使用者の肩の筋肉の動きをセンサーで検出し、手のひらの開閉、サムズアップ(親指を立てる仕草)、指差し動作、つまむ動作などに対応しているという(映像ではうまく動作しないシーンもあったが)。

 ドキュメンタリーでは義手制作の過程を中心に、家族との交流の様子、左足が義足でありながらモデルやパフォーマンスアーティストとして活躍するViktoria Modestaとの対談などを織り交ぜつつ、同氏がテキサスで行われた技術による身体拡張を目指すカンファレンス“BodyHacking Con”での講演に登壇するまでが描かれている。

 なおOpen Bionicsは、子供が義手やそれに伴うトレーニングにうまく向き合えるように、ディズニーとコラボレーションによる、マーベル作品や映画『スター・ウォーズ』、『アナと雪の女王』といった作品をテーマにした義手なども発表している。

『MGSVTPP』のバイオニックアームにインスパイアされた義手開発プロジェクトのドキュメンタリー映像が公開_01