11人の選りすぐりのアーティストが手がけたチップチューンが楽しめる

 「21年ぶりにあの8ビットゲーム機に対応した新作カートリッジが発売された!」――近ごろネット界隈を駆け抜けゲームクラスタで話題となったニュースの発信源が、2016年1月30日にコロンバスサークルより発売となった『8BIT MUSIC POWER』。これは、イラストレーター・マンガ家のRIKI氏がプロデュースを手がけた新作ソフトで、まるでレコードやCDアルバムを聴くかのように、11人の選りすぐりのアーティストが手がけたチップチューン(レトロゲーム機に搭載された音源を使った楽曲)をゲーム機で楽しむことができるという内容となっている。
 そんないろんな意味で物珍しいタイトルは、どのようにして生まれたのだろうか。ここでは、プロデューサーのRIKI氏と、参加アーティストであるヨナオケイシ氏、塩田信之氏に、ソフト誕生までの経緯や楽曲制作におけるエピソード、そして2016年2月13日にAKIBAPOP:DOJO 秋葉原スタジオにて開催される発売記念イベント“『8BIT MUSIC POWER』LIVE”についてたっぷりと語っていただいた。ゲーム音楽が大好きがゆえに“自分で新作カートリッジが作りたい”という夢を実現させてしまった、情熱にあふれる物語の一片を感じていただければ幸いだ。

※“8BIT MUSIC POWER LIVE”のチケットは完売しました。

『8BIT MUSIC POWER』開発者が開発秘話と2月13日開催のライブへの意気込みを語る 8ビットサウンドに込めた熱すぎる情熱_01
▲左から、作曲家のヨナオケイシ氏、プロデューサーのRIKI氏、作曲者の塩田信之氏。

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カートリッジを作れるノウハウがある。だったら作るでしょ!

――ほかに類を見ないこの『8BIT MUSIC POWER』ですが、いったいどのようにしてプロジェクトが立ち上がったのでしょうか?

RIKI氏(以下、RIKI) 2013年に『キラキラスターナイト』という同人ソフトを作ったのですが、そのことで8ビットゲーム機でゲームを作るノウハウが得られたんですね。その後も「何かを作りたいなぁ」という情熱がフツフツと滾っていてですね、そんなときにちょうど(制作を担当する)コロンバスサークルさんに「何か作ってみない?」と声をかけていただきました。そこで、以前から構想にあった“チップチューンによるカセットアルバム”というのを提案したところ、採用してもらって制作することになりました。

――新作ソフトとしてあえてカートリッジで音楽アルバムを作ろうという発想はどこから?

RIKI インターネットの世界で8ビットゲーム機を楽器に使ったコンテストが毎年のように行われていることを知って「こういう(チップチューンと呼ばれる)文化があるのか」と興味を持ったのがきっかけです。漫画家の仕事をしているときは目と手は原稿用紙に向かっているのでBGMが欠かせないんですけど、そこではもっぱら当時遊んだレトロゲームの楽曲や、チップチューン楽曲を流しているんです。さっきのコンテストの楽曲とかは、とてもゲーム機の非力な音源だけで演奏しているとは思えないようなクオリティーのものがあって、どうせなら本物のカセットで鳴らしたいなと思うようになって、だったら本当に作ってしまえと。

――プロデュースの方向性というのはどのように意識しましたか。懐かしのゲーム機で動作する新作ということでレトロさという部分をイメージしたりも?

RIKI 昔のものを使っていまの表現をしたいなという気持ちが一番大きかったですね。自分が大好きなものを使って遊び倒す。リアルタイムで当時を経験していない人からすると、パルス音源もFM音源も同じに聞こえるかもしれないけど、そういう方たちへも古臭いと思われないものにしたかったんです。中身を作っているのは、ほとんどが40代以降の素晴らしきおっさんたちですけど(笑)。

『8BIT MUSIC POWER』開発者が開発秘話と2月13日開催のライブへの意気込みを語る 8ビットサウンドに込めた熱すぎる情熱_08

RIKI氏
本職は漫画家・イラストレーターだが、2013年に同人ソフト『キラキラスターナイト』をプロデュースしたり、カードショップや8ビットバーをプロデュースしたりとマルチに活躍。デザイナーから漫画家へ転身というだけで異色だが、10代のころはパンクロックバンド・アナーキーと交流があったというからますます謎な経歴の持ち主。ゲーム好きが高じ過ぎて、ゲームショップをまるごと購入したという強者エピソードも。漫画家としての代表作は『アイドリズム de おうちイズム』『ラブラブ・ポンチ』ほか。

――懐古趣味ではないということですね。ところでカートリッジを作るにあたって、当然苦労はあったかと思いますが。

RIKI 一番苦労したのはプログラムですね。アセンブラという人間の言葉とは遠くかけ離れたプログラム言語を使う必要があったのですが、それをわかっているプログラマーと知り合うのに苦労しました。『キラキラスターナイト』の時点では80年代当時にプログラムを手がけていた本職の方にお願いしたのですが、今回は当時のプロではないけれどレトロゲーム機のプログラムを極めたいと思っている若い方と組んでいます。その方はメガデモ(少ない容量で音楽やグラフィック表現をするプログラム)的な技術もすごいので、グラフィック面でもおもしろいことが実現できましたね。

――開発期間というのはどれくらい?

RIKI 開発期間はだいたい10ヵ月くらいだったんですけど、漫画家としての連載仕事と並行していたので、めっちゃ大変でしたよ。語ろうと思ったら、それこそインタビューの長さが倍になるくらい(笑)。

――主役ともいえる楽曲をお願いした作家さんの選定基準というのは? お名前からすると、年代やジャンルがかなり幅広い印象を受けますが。

RIKI やっぱり自分がプロデュースするものですから、趣味全開で大好きな人を集めたということですね。基本的には、過去に何かしら仕事をさせてもらった、大ファンの方々です。ヨナオさんは以前手がけたゲームであったり、塩田さんや『ゼビウス』の慶野由利子さんは『キラキラスターナイト』からのつながりであったり。Omodakaさんは個人的な趣味からだったり、佐野広明さんは「アニメの劇伴作家さんが8ビット機の曲を作ったらどうなるんだろう」という好奇心からだったり。KAJAさんこと梶原正裕さんは自分がよく行くスタジオのエンジニアさんとして会ったのが最初なんですが、今回は「ここだ!」とばかりにお願いしました。皆さん、こちらの依頼を快く受けてくれてうれしいです。
 ちょっとスペシャルなケースとしては、レトロゲームの楽曲をリアルタイムにキーボードを演奏するサカモト教授。僕が彼のライブを見て感動して「この人に頼めたらいいなあ!」とライブ後にダメ元で声をかけてみたら、「おもしろそうだね!」と即決してくれたんです。それが決まったのが開発の終盤ですでに容量がギリギリの状態だったんですが、なんとか収まりきりました。

――楽曲を発注する際に、RIKIさんからの注文はあったのでしょうか?

RIKI 今回は皆さんに「PCM音源を使ってください」というお題を出したんです。ターゲットとした8ビット機の音源仕様って矩形波2チャンネル+三角波1チャンネル+ノイズ1チャンネルに加えて、PCM音源が搭載されているんです。それを使ってくださいという“縛り”ですね。
 それともうひとつは、終わりと始まりのある1曲を作ってくださいと。レトロゲームの曲ってだいたいが数十秒程度でループをしますけど、今回はイントロとアウトロを用意して、ふつうの楽曲のように作ってくださいとお願いしました。楽曲をループさせるのは容量的な問題からなのですが、『8BIT MUSIC POWER』は音楽に特化したことで、カセットのほとんどの容量を音楽データに割くことができたんです。

――単なるゲームカセットではなく、音楽アルバムにしようというのがコンセプトだったわけですね。収録時間を見るとLPレコードと同じ約44分となっていますし。

RIKI そうです。自分がよく聴いている作曲者の方がいっぱいいるので、完成できたこと、それとわりかし低価格でみんなに提供できることがうれしいですね。

――ヨナオさんと塩田さんにお伺いしていきます。オファーがあったときはどんな様子でした?

ヨナオケイシ氏(以下、ヨナオ) 僕はふたつ返事で「やります!」でしたね。8ビットゲーム機の音源を触るのは初めてだったので、確かに自分の肌に合うというか、使いこなせるようになるまでは手こずりました。時間をかければもっと作り込めるんでしょうけど、今回はここまでにしようという範囲を自分で決めて、理解できている範囲内で作りましたね。なので、音色そのものはほとんど作っていないです。わからなくなった時点で作り込みを止めて、いまある音でどうにかしようというふうに作業を進めました。

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ヨナオケイシ氏
1969年生まれ。1989年に発売されたMSX2用『ハイディフォス』でデビュー。『ニューラルギア』『マッドストーカー』といったX68000タイトルで注目を集め、『あすか120%』シリーズのコンポーザーとしてその名を確かなものとする。現在はフリーのコンポーザーとして活躍中で、最新作はリメイク版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』。

塩田信之氏(以下、塩田) そんなこと言っておきながら、ほかの人とは全然違う音を作っていますからね(笑)。すごくノイジーかつ強い音で、あまり8ビット機では聴かない音なのでおもしろいですね。

――ヨナオさんといえば『KORG DS-10』で制作したデモ曲などもそうですが、音源を使い倒すイメージがあります。

ヨナオ レトロゲーム機全盛の80年代にはなかったジャンルの曲をあえて作ってみました。いわゆるダブステップの雰囲気ですね。僕の最近のトレンドとして、新しいシンセを取り入れたらとりあえずダブステップを作ってみるんです。

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▲トラックを個別にミュートすることも可能。

塩田 僕の場合は、以前に『キラキラスターナイト』で楽曲を作っていることもあって初期段階でオファーをもらいました。当然返事も即答でオッケーでしたね。

――塩田さんの場合は、ヨナオさんとは逆に8ビット機の音源に精通されているじゃないですか。『サマーカーニバル'92 烈火』の楽曲ではPCMでオケヒットを鳴らしたりですとか。そういった過去のテクニックは、今回の楽曲制作には活かされているのでしょうか?

『8BIT MUSIC POWER』開発者が開発秘話と2月13日開催のライブへの意気込みを語る 8ビットサウンドに込めた熱すぎる情熱_10

塩田信之氏
1967年生まれ。KIDに約10年間在籍し、ファミリーコンピューターやゲームボーイの楽曲を多数制作。中でもPCM音源をたくみに使った『サマーカーニバル92 烈火』の楽曲はゲーム音楽ファンに高く評価されている。現在はフリーのコンポーザーとして活躍中で、またシオタノブユキ名義でチップチューン方面での音楽活動も行っている。

塩田 『烈火』の音楽はPCM依存型でしたが、今回は逆にPCMに頼らない楽曲にしてみました。と言いつつPCM自体は容量ギリギリまで使っているんですけど、あくまで隠し味として“こっそり鳴らす”というところに徹底して、そのぶん矩形波や三角波をきれいに響かせるよう心掛けました。ほかの皆さんはPCMチャンネルをしっかり使ってくるだろうと勝手に思ってたので、そのほうが違いが出ておもしろいのかなと。

RIKI ほかの方が2~3分程度のところ、塩田さんの曲はすごい凝っていて7分オーバーもあるんですよ。なので、あえて最後のトラックとしました。

塩田 僕がゲームセンターに通うようになったのは『パックマン』とかの時代なんですけど、たまたま夜の誰もいないゲームセンターに入ってみたら、真っ暗闇の空間に並んだテーブル筐体の画面がボウッと光っていたのがとても幻想的だったんです。それが原体験として焼き付いていて、そんな美しい情景をイメージした曲にしようと思いました。なので、なるべく内蔵音源ならではの“ノスタルジックさ”を出したつもりです。

RIKI だんだんと音が重なり合って盛り上がっていく様がドラマチックなんですよ! しかも7分という当時では絶対にありえない超大作ですからね。

塩田 じつは制作途中に、容量が収まらなくて納期に間に合わないなと思っていたら、うっかり9分の曲を作っていたんです(苦笑)。それに気づいて一旦容量に収めるために曲を5分に縮めて、そこから切り詰めテクニックを駆使しながら時間を伸ばしていって、最終的に7分半という構成になりました。

――8ビットゲーム時代の開発にはよくあったと聞く“容量との戦い”があったわけですね!

RIKI ありましたね! 皆さんテクニシャンなので、いろいろやりたくてどんどん容量が膨らんでいって(笑)。

――それは、たとえばディレイであったりの表現を加えると、その分だけ容量が増えたりするということしょうか?

塩田 そういうことです。その表現が衰えないように、どう容量を減らしていくかもテクニックということです。今回の曲はPCMで8KB(キロバイト)、それ以外の4チャンネルで8KB使っています。ですが、当時はゲーム1タイトルのBGMや効果音といったサウンドすべてで8KBだといえば、その贅沢さがわかってもらえるでしょうか。

RIKI すげえ、初めて聴きました! さっきカートリッジにサインをもらった『マックスウォーリアー 惑星戒厳令』がたったの8KBだったとは。

塩田 (笑)。なので、アセンブルをかましたあとの容量が8193バイトとかになってしまうとプログラマーから怒られてしまう。休符って音楽表現ではとても大切な要素なのですが、それをひとつ削って8192バイトにしたりとか、そういう1バイトを削るための戦いはつねにありましたねえ。当時は苦労しました。

RIKI ヨナオさんに聞きたいんですけど、X68000のときだってフロッピーディスク1枚が1.44MBだから、曲の容量制限ってありましたよね? MIDIにも対応しないといけないし。

ヨナオ ……僕は(容量制限があったことが)記憶にないですね(笑)。

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▲ヨナオ氏と塩田氏が当時手がけたタイトルを前に熱っぽく語るRIKI氏。ゲームに関するエピソードが盛り上がりすぎて脱線することもしばしばだったが、それだけの情熱を持ちあわせているという証拠。

ネット通販でランクイン! そのおかげでライブ開催も実現

――発表後の反響はいかがですか?

RIKI 景気が悪い時代とか言われてますけど、これがなんとAmazonのゲームランキングで一時的に上位に食い込めたんですよ。予約の受付が年明けからだったんですが、数日間とはいえ「正月から景気がいい話ができたぞ!」とテンションあがりましたね。

――販売価格が4000円を切るというわりと抑えめな価格設定にできたのは。

RIKI これもまたすごいことなんですよ。RIKIの所で開発していたカートリッジは再現性が高いのですが、原価が高くなり過ぎちゃって販売は諦めていたんですよね。最終的にはコロンバスサークルさんがいちから制作に入ってくださったことで、低コストで量産することができたというワケです。ただ、在庫リスクがあるのでたくさんは作れないですし、おそらく増産も難しいです。なので、購入できる方は限られていると思うので、興味を持った方は見かけたら購入してもらったほうがいいと思います!

ヨナオ そもそもが前例のないアイテムだし、どういう層がどういう価値観で買うのかもわからないでしょうから、読めないですよね。

RIKI そうなんですよ! だからこそランキング入りしたのは奇跡的な出来事だと思うんですよね。レトロを好んでくれて気軽に遊んでくれる層は見えますけど、いまでも本気でレトロゲームを遊んでいる人は“変態”だと思いますもん、自分を含めて(笑)。で、これが売れてくれたおかげでライブができるようになったんです。

――というと、ライブは最初から計画されていたわけではなかったんですか。

RIKI じつはそうなんです。これだけすごい人たちが集まったので自分としては当然やりたかったのでいろんな人に持ちかけたんですが、誰に聞いても「ライブは儲からない」と(苦笑)。それで半ば諦めていたところに、ユメノソラホールディングスさんの運営するAKIBAPOP:DOJOさんから「発売記念のトークショーをやってくれないか」という依頼をくださって、そこでライブの構想を話したところイベントの後援や会場提供をしてくれたんです! ありがたいですねえ。でもじつは、それでも資金がショートしてしまって「これは自己負担か!?」となりかけたのですが、コロンバスサークルさんに相談したところ、ランキング入りしたことのご祝儀という感じで協賛をしてくださって、胸を張って開催することができるようになりました。

――開発だけでなくライブ開催に至るまでもドラマチックだったと(笑)。ライブはどのようなものになる予定ですか?

RIKI こんなに楽しい方たちが一斉に集まるのはめったにないことです! しかも、カートリッジに収録されたのとは違ったこのライブでしか聴けないアレンジをしてくれるかもしれないんですよ。好きな人にはたまらない、というか俺が聴きたくてしょうがないんですよねぇ(満面の笑顔で)。ライブではどんなパフォーマンスになるんですか?

ヨナオ まだ仕込中なんですが、今回作らせてもらった楽曲をベースに、リアルタイムでエフェクトをかけてのPCプレイをする予定です。もしかしたら、当日だけの曲構成にするかもしれません。

塩田 ……じつはあまり詰めてなくて(苦笑)。

RIKI これ塩田さんにいうと嫌がるかもしれないけど、『烈火』の曲を聴きたがってる人はいると思うんですよね。

塩田 うーん、だが断る(笑)。

――では、ライブでは『8BIT MUSIC POWER』以外の楽曲が流れる可能性も?

RIKI 出演者ひとりの持ち時間が15分程度なので、原曲だけだと途中で終わってしまうので、その可能性はあると思います。クラブでおこなわれるチップチューンライブだと夜通し演奏をしたりすることもあるのですが、今回のお客さんはおそらくそういうのに慣れてない方だと思ったんです。なので、イベント全体は3時間程度で終わる予定ですし、演奏の合間にトークコーナーを設けたりしています。国本(剛章)さんは自身の楽曲ができるまでの講座をYouTubeにアップしているんですけど、それの新作を生で初公開してくださるそうです!

ヨナオ 3分クッキングみたいな(笑)。

RIKI グラフィックを担当してくださった、元ナムコの小野浩さんなんかは、あまりにトークの引き出しが多過ぎて話を聞くたびに違うエピソードが飛び出ますからね。そういった話が聞けるのも楽しいと思います。慶野さんの「PCエンジンはねぇ、いい子なのよ」って発言にはシビれましたねえ!

――それはいいコメントです(笑)。

RIKI いまの時代ってネットだけの付き合いでリアルが希薄になっているじゃないですか。だからこそ、同じ空間で同じ体験ができるライブっていうものに参加してほしいですね。しかもそこには当時のレジェンドたちがそこにいる。そういった特別な空気を味わってもらえたらうれしいと思います。当日は、開発に関わった方が全員来場してくださる予定ですし、当日行ったという思い出を以って帰っていただけるよう、ポスターへのサインパフォーマンスを行う予定です!

――では最後に、『8BIT MUSIC POWER』を買ってくださったみなさん、そしてライブに興味を持った皆さんへのメッセージをお願いします。

RIKI ソフトを買ってくださった皆さんには、紙箱のパッケージを開けるときの「折れ曲がったらどうしよう」というドキドキ感をもう一度味わってほしいですね! その後は、部屋を暗くして気絶するほどの爆音で曲を聴いてもらいたいです。大人の楽しみかたですよね(笑)。ライブに向けては、クラブ慣れした人にもそうでない人にも、来てくださる皆さんを楽しませたいという一心ですね。そのために、いい音楽や楽しいトークを仕込んでいますので、ぜひ来てください!

塩田 久しぶりのライブではありますが、終わったあとの充実感も含めて楽しみですね。『烈火』の曲はたぶんやりません!

ヨナオ 今回作った曲は自宅でゆったりというよりはクラブで大音響で聴いてもらいたくて作ったので、こんな早いタイミングでそういう機会がもらえるのはうれしいので、ぜひ体験してもらいたいなと思います。

RIKI ヨナオさんの曲は爆音で聴いたら絶対にシビれますよ! 大声で「8bitが好きだ―!」と叫んでも許容される空間ですから、ぜひみなさんもその思いをぶつけに来てください。

――ありがとうございました。ライブにも期待しています!

『8BIT MUSIC POWER』開発者が開発秘話と2月13日開催のライブへの意気込みを語る 8ビットサウンドに込めた熱すぎる情熱_03
▲RIKIさん所有のヨナオ氏ゲームコレクション。一番古い『ニューラルギア』はメディアがフロッピーディスクだ。
『8BIT MUSIC POWER』開発者が開発秘話と2月13日開催のライブへの意気込みを語る 8ビットサウンドに込めた熱すぎる情熱_04
▲RIKIさん所有の塩田氏ゲームコレクション。ファミリーコンピューターいやゲームボーイはもちろん、NES(海外のファミリーコンピューター)のカートリッジまで所有している。

■<アルバム概要>
アルバム名:8BIT MUSIC POWER
【収録トラック数】 12トラック
【収録時間】 44分20秒
01 / 2:36 - BLACK CARTRIDGE : Hally
02 / 2:06 - PICO MY HEART : Takeaki Kunimoto(国本剛章)
03 / 2:16 - CIRCUS GAME : Hiroaki Sano(佐野広明)
04 / 3:46 - MASS PURPLE : Keishi Yonao(与猶啓至)
05 / 2:04 - NARU YONI NARU : Prof.Sakamoto(サカモト教授)
06 / 7:07 - PHASE OUT(0.8) : Saitone
07 / 3:12 - ORIENTAL MYSTIQUE : Masahiro Kajihara (梶原正裕)
08 / 3:51 - EIGHT BIT JUNGLE : Yuriko Keino (慶野由利子)
09 / 2:53 - TIP-TRACK 303 : Tappy
10 / 4:46 - KIRAKIRA BUSHI : Omodaka
11 / 7:23 - TESTPATTERN : Nobuyuki Shioda (塩田信之)
00 / 2:20 - SECRET

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