最新の話題作から、いにしえの名作まで勢ぞろい!

 ひとりないし少人数体制で開発された、エレクトロニクス使用の非商業系ゲーム全般を“自作ゲーム”と称し、以降のゲームシーンに多大な影響を及ぼしたタイトルの変遷を体感することを目的とした、自作ゲームエリア。壁面には、全長15メートルにおよぶ自作ゲーム大年表が展示され、スペース全体には、往年の実機で稼働する懐かしのゲームから、話題の最新自作ゲームまでが、プレイヤブル展示されていた。

自作ゲームの歴史を駆け足で体験せよ! 自作ゲームエリアの模様をリポート【闘会議2016】_01
▲前回(闘会議2015)展示時に、来場者が付箋で貼りつけた情報を中心に補いつつ、2015年ぶんの自作ゲーム事情が追加された、自作ゲーム年表。じっくり読み込むことで、自作ゲームが、ゲーム業界のメインストリームの裏側でひっそりと続いているものではなく、時に業界全体を突き動かす原動力になるほどパワフルな存在であることが、改めて伺える。

 自作ゲームの“いま“を体感できるスペースでは、ニコニコ自作ゲームフェスのエントリー作品や、ネット発の人気クリエイターの最新ゲームを無料で楽しめるサイト“ニコニコゲームマガジン”で公開されたタイトルが出展されていた。また、2015年12月にリリースされた、自作ゲームクリエイター御用達のRPG作成ソフト『RPGツクールMV』も、デモンストレーション展示されていた。

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 なかでも注目を集めていたのは、ニコニコゲームマガジンで好評連載中のサイコホラーアドベンチャーゲーム『殺戮の天使』の最新話(第四話)の、先行公開版。試遊スペースには、女性ファンを中心とした順番待ちの列ができていた。

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▲『殺戮の天使』の作者、真田まこと氏へのメッセージを書けるブースも盛況。1日目は、用意されていた色紙があっという間になくなった。

 その時代時代のエポックメイキングとなった往年の自作ゲームを当時の実機でプレイできるスペースも、充実。前回にも出展された東方旧作(PC-9801)や、『超連射68k』(X68000)、『ドアドア』(PC-8801)などが好評を博す中、今回初出展のレアなタイトルが、来場者の足を止めていた。

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ラブマッチテニス(PC-6001)
 エニックス(現スクウェア・エニックス)主催の第1回ゲーム・ホビープログラムコンテストの入賞作で、後にパッケージ販売されたテニスゲーム。制作者は、『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親・堀井雄二氏。プログラムを自身で組んでいた、という事実にも驚くが、ちょっとしたテキストの言い回しからすでにセンスが溢れていて、ただただ感服。

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平安京エイリアン(TK-80)
 東大生のグループが開発し、後にアーケードゲーム化されたアクションゲーム『平安京エイリアン』の、オリジナルに限りなく近い移植バージョン。グラフィックは英数記号のみのシンプル仕様で、キーレスポンスもかなり苦しいが、基本的なルールはすでに確立されている。展示機種のTK-80は、NECが1976年に発売したマイコンキット。会場にいた本体のオーナーによれば、ゲーム用コントローラーで遊べるよう、今回のためにわざわざ回路を自作してきたとのこと。

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