戦略性に富んだ戦いを表現することがいちばん難しかった

 日本国内でも2015年10月15日に発売が予定されている、PS4/XB One/PC向けのタクティカルFPS『レインボーシックス シージ』。今回のE3 2015では、“Terrohunt”モードのひとつがプレイアブルデモとして出展されていた。その内容は、5人の仲間と協力してテロリストに占拠されたフランス大使館に潜入し、爆弾を解除したのちにテロリストを倒すとというPvE戦。その詳細はこちらの記事を見ていただければわかる通り、仲間との連携と戦略が勝利の鍵を握る内容となっていた。

 極限まで突き詰められたリアリズム、戦略性の高い緊張感溢れる(むしろ緊張感しかない)戦闘を求めるこのシリーズ最新作は、どのようにして生まれたのか? 本作のゲーム・ディレクターであるAndrew Witts氏に話を訊くことができた。

シリーズ最高の緊張感! 『レインボーシックス シージ』開発者インタビュー【E3 2015】_01
Andrew Witts氏

――今回のE3ではさまざまなシューターが発表されていますが、この『シージ』がほかのゲームより優れていると思う点は?
Witts チームプレイに特化しているところでしょう。プレイの一瞬一瞬が緊張感に満ちていて、壁などのオブジェクトを破壊するなどして、戦略性の高い戦闘が楽しめますよ。

――壁を破壊したときに飛び散る破片や、空気中を漂う埃など、すべての環境がとても美しく描写されている印象を受けました。
Witts 新しい技術として採用した“Havok FX”はベストだね。爆破した後の部屋など、破壊を美しく表現できる点がすばらしい。

――シリーズでは初の新世代機タイトルになりますね。
Witts 新世代機での開発は、とてもエキサイティングだよ。新世代機によって可能になったことがたくさんある。オブジェクトの破壊のパターンもそうだし、AIを細かく設定できる。今回のハンズオンデモで楽しめる“Terrohunt”では、プレイヤーの行動に合わせてAIが毎回異なる反応を示す。これで、いろいろな戦略をプレイヤーが楽しめるようになったね。

――開発でもっともチャレンジした部分は?
Witts 新世代機のすぐれたエンジンで、オブジェクトの破壊を表現できることはわかった。では、その技術を使っていかに『レインボーシックス』らしさを生み出すか……そこは悩んだね。戦略性に富んだ戦いを表現することが、いちばん難しかった。

――今回プレイできた“Terrohunt”のミッションは、爆弾を解除する“Disarm Bombs”ですね。
Witts 全部で4つのミッションがある。大きく3つのアタッカーミッションとひとつのディフェンダーミッションに分けられるよ。ディフェンダーミッションはVIPなどをテロリストから守る内容になる。

――ちなみに“ホワイトマスク”の目的は?
Witts まったくの謎だね。世界のあちこちでいろいろな事件を起こしているテロリストの集団なんだ。そこで、アンジェラ・バセット演じる指揮官“シックス”がカウンターテロ特殊部隊をリクルートして集める。プレイヤーはその一員としてリクルートする側になるので、ストーリーはプレイヤー次第だよ。

――今回のマップは大使館が舞台でしたが、もっと複雑で大きなマップは?
Witts 『レインボーシックス』は近接戦闘に焦点を当てている作品なので、すぐ近くに敵がいるはずなのに、どこに誰がいるかわからないような状況を作りたいんだ。全体を見れば広いかもしれないけれど、プレイできるフィールドは限定的なものになる。緊張感のある戦いを楽しんでほしいね。

シリーズ最高の緊張感! 『レインボーシックス シージ』開発者インタビュー【E3 2015】_02
シリーズ最高の緊張感! 『レインボーシックス シージ』開発者インタビュー【E3 2015】_03

――プレイヤーはSWAT、スペツナズ、SAS、GSG-9、GIGNといった5ヵ国のカウンターテロ組織から好きな組織を選べるんですね。
Witts そうだね。各組織には4名のキャラクターがいるんだ。でも、SWATに属するプレイヤーはSWATが使用している武器しか使えない。スペツナズの武器をSWATは使えないよ。それがリアルだからね。ただ、SWATは突入作戦が得意など、それぞれのチームが持っている特性、戦略性が異なるんだ。

――ほかの組織に属するプレイヤーとはCO-OPが楽しめない?
Witts それはない。“レインボー”は多国籍の特殊部隊だからね。オペレーターをアンロックすればキャラクターが開放されて、自由に編成できるようになるよ。

――今回はテロリスト側になって戦えるようなサプライズは……?
Witts ないよ(笑)。シリーズを通してそこは変わらない。PvE戦での敵はテロリストで、PvP戦ではプレイヤーどうしが戦うことになる。

――シリーズではおなじみですが、ディフェンダー役が使えるセンサーがさらに進化していましたね。
Witts 鼓動センサーだね。『レインボーシックス』シリーズを代表するガジェットだから、軍がどのような技術を使っているのかを研究して作りあげたよ。いまは詳しく説明できないけれど、(腕を指しながら)スクリーンを使うガジェットも登場する予定だ。

――では、最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
Witts ハードな開発が続いているけれど、必ず最高のゲームをお届けするよ。皆さんにお願いがあって、このゲームに関してずっと話をしてほしいんだ。私たちは皆さんの意見を必ずチェックするから、意見や希望があったらその声を届けてほしい。ゲームにフィードバックするからね。

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シリーズ最高の緊張感! 『レインボーシックス シージ』開発者インタビュー【E3 2015】_05

※ファミ通.com特設サイト“E3 2015 記事まとめ”はこちら