日本語にローカライズされた『ウィッチャー3』をひと足先にプレイ
ポーランドに拠点を置くCD PROJEKT REDが制作し、海外で爆発的な人気を誇るシングルプレイ専用ダークファンタジーRPG『ウィッチャー』シリーズ。その最新作『ウィッチャー3 ワイルドハント』(以下、『ウィッチャー3』)が、2015年5月21日に発売される。これまでのシリーズと同様に、“ウィッチャー”である主人公のゲラルトを操作しながらクエストをこなし、物語を進めていく。
今回は、発売前にCD PROJEKT REDの開発者の方々と対話をしながら、プレイステーション4版『ウィッチャー3』をプレイする機会を得たので、そのリポートをお届けしていく。なお、開発者の方々にはインタビューも敢行。その模様はコチラの記事でチェックしてほしい。
まずはストレスフリーの親切なゲーム設定に注目
まずはゲームを始めるときに、4つの難易度から自分に合ったものを選択。「難易度を変更するとどのような部分が変化するのか?」と尋ねてみると、「難易度を上げると敵が強くなるので、より濃いバトルが体験できます。ほかにも、瞑想というアクションを使えば体力が回復しますが、難易度を上げていくと回復効果のアイテムを使わないと体力が回復できないというように、ゲームの細かい部分まで変化していきます」とのこと。
さらに、続けて『ウィッチャー2』のデータをシミュレートするかどうかが選択できる。これはXbox One版やPC版をプレイした人向けの機能で、“オン”に設定すると、前作でどのような決断をしたかを問われるインタラクティブな会話シーンがゲーム序盤に追加される。そこでの返答が、『ウィッチャー3』の展開に変化を及ぼすという。
本作とこれまでのシリーズ作品とで大きく異なる部分は、フィールドがオープンワールドになったという点。さらに、マップサイズが前作と比べると35倍以上と飛躍的に拡張されている。
まずは序盤のクエストをこなしながら、建物のテラスからふと外の景色を覗いてみると、遠方に見える雪山から、少し歩けば到着できそうな巨大な塔など、細部まで美麗なグラフィックで表現されていることに驚いた。「いま見ている場所は、実際に探索することができます。巨大な塔には敵が待ち受けていたりと、訪れる場所ごとにさまざまな体験が待っていますよ」と、冒険心をくすぐられる仕様。なお、チュートリアル終了後にすぐに愛馬と行動をともにするようになるので、移動に時間がかかるという心配もなし。さらに、馬を走らせるボタンを押し続けることによって整備された道を自動的に移動できる機能もあり、ストレスなく広大な世界を冒険できるといった印象を受けた。
自分の決断が世界に影響を与えるという感覚が味わえる
本作では、日本語字幕はもちろん、日本語音声にも完全対応。それを実際に体験するために、最初に訪れた村でさまざまな人物との会話をしたのだが、どのキャラクターも味があって、会話をしているだけで楽しい。海外作品ならではのブラックジョークが飛び交う会話は、洋画のワンシーンを見ている気持ちになるほどに心地がいい。月並みな言葉だが「会話がすんなりと頭に入ってくる」という表現が真っ先に思い浮かぶほど、ローカライズが素晴らしいと感じられた。
また、物語の至る部分で会話中に選択肢が現れるのだが、物語の本筋となるメインクエストだけでなく、何気ない村の人との会話や、サブクエスト中にも多数の選択肢が用意されている。用意されている選択肢には、会話の返しが変わるだけというものもあれば、後のストーリーに影響を及ぼすものもあるという。
放火犯を捕まえるというサブクエストをこなしていたのだが、事件がようやく解決できそうという場面で、犯人から「金を渡すから見逃してくれ」という提案がなされた。筆者はその提案を断ったのだが、そのままクエストを進めると、放火犯が処刑されるという展開に。自分の選択によってひとりの人間の命を断たせてしまい、「もし提案に乗っていればあの人の命は助かったかも……」と後悔の念が襲い掛かってきたのだが、このあたりも本作の魅力だろう。このように、ひょんなことから自分の決断が世界の住民に影響を及ぼすものが、多数用意されているという。それを想像するだけでも、かなりの遊び応えがありそうだと感じられた。