日本語音声への対応などフルローカライズを実現、日本市場に本気!

 2015年3月10日、東京・秋葉原UDXシアターにて、“ワーナーゲーム 2015ラインナップ発表会”が開催。同イベントにて、ワーナー エンターテイメント ジャパンが今後投入予定の7タイトルが明らかにされた。その詳細はリポート記事をご覧いただくとして、ここでは、『バットマン:アーカム・ナイト』の開発元であるロックステディ スタジオのマーケティング・ゲーム・マネージャーであるガイ・パーキンス氏へのメディア合同取材の模様をお届けしよう。

『バットマン:アーカム・ナイト』の開発を手掛けるロックステディ スタジオのキーパーソンを直撃 「まったく新しいゲーム体験を!」_06

 パーキンス氏はまず『バットマン:アーカム・ナイト』のゲーム内容に関して、「かなりストーリー重視の内容になっています。バットマンは自分の強さのピークを迎えている時期で、失うものも多い。そういった中で、プレイヤーはゴッサム・シティでいろいろな体験をしていきます。とはいえ、私たちはストーリーのみを楽しんでほしいわけではありません。ストーリーがあって、ときどきゲームが出てきて、またストーリーがあってということではなくて、ゲームをしながらストーリーも徐々に展開していく。そういう形を重視しています」とのこと。本作は、ストーリー重視でありながらも、あくまでプレイヤーがゲームをプレイして楽しむということに軸足が置かれているようだ。

 そしてゲームプレイに関しては、「プレイしていて何よりの楽しみは、プレイヤーがバットマンになりきれることです。ディレクターのセフトン・ヒルを筆頭に、開発陣は“バットマンだったらどうするだろうか?”と、つねに考えながら開発に取り組んでいます。本作では、A地点からB地点に行くという行為だけでも、いろいろな選択肢があって、プレイヤーが“やりたくない”と思うことを、強いてやらせるようなことはしたくないと考えています。バトルも密かに隠れながら進めるやりかたもありますし、アグレッシブに攻める方法もあります。それを選択できるようになっています」とのことだ。

『バットマン:アーカム・ナイト』の開発を手掛けるロックステディ スタジオのキーパーソンを直撃 「まったく新しいゲーム体験を!」_01
▲「パーキンス氏のお気に入りのゲームプレイは?」との質問には、「たくさんありますが、いろいろなコンボが戦略と組み合わせてできるようになったところですね。あとは、バットモービルの登場で、いろいろな選択肢が追加されました。セフトンはバットモービルから緊急脱出できる点がお気に入りのようですね」(パーキンス氏)。

 肝心のバットマンのアクションについては、動きや能力など、前作よりもさらに多彩に。相手の能力を奪って使うことも可能で、カウンターの動きも手直しされている。これらは「戦闘の体験をより自然に、流れのあるものにしよう」との配慮によるものらしい。追加アクションのひとつとしてピックアップされたのが、“フィアー・テイク・ダウン”で、3人の敵を一気に倒せる。一方で、プレイヤーに選択肢をもっと与えようということで、追加したものもある。ガジェットでは、グライディングをしながら、バットラングを投げるといったことも可能になるようだ。さらに、窓から侵入することもできるようになった。取材陣からの質問でも飛び出したが、本作では「プレイヤーの自由度を活かした部分での進化が大きい」と言えるだろう。

 バットマンといえば、ガジェットの種類の豊富さも魅力。本作では、バットマンのガジェットもいくつか追加されているとのこと。さらに、本作ではガジェットを使う方法にも変更がある。ふたつのガジェットを合体させたり、能力を追加させたり……といったことも可能になるようだ。そして、パーキンス氏いわく「究極のガジェットがバットモービルですね。バットマンの能力を広げられるので“ゲームチェンジャー”と言えるのではないでしょうか」とのことだ。

『バットマン:アーカム・ナイト』の開発を手掛けるロックステディ スタジオのキーパーソンを直撃 「まったく新しいゲーム体験を!」_02

 新世代機ならではの要素が盛り込まれている本作。「これまでできなかったことが実現できた」(パーキンス氏)とのことだが、その最大のフィーチャーが先述のバットモービル。本作では、マップも新世代機ならではの広さとなっているが(前作の5倍!)、それだけの広さがあるからこそ、バットモービルの操作もさらに快適になるとパーキンス氏は言う。「前作のマップの規模だったら、バットモービルは行ったり来たりするだけで、あまり快適ではなかったでしょうね」(パーキンス氏)とのこと。本作におけるゴッサム・シティの街は、ある意味でバットモービルを前提に設計されているようで、道路の幅はクルマが自由に自然に走れるようにデザインされているとのことだ。

 ちなみに、マップに関しては、広さが5倍になったばかりでなく、高さもかなりあるとのこと。そのために、バットマンがビルなどの高所から飛び降りる“グライディング”もかなり爽快になるようだ。「“より高く、より速く、より深く”移動することができます」(パーキンス氏)というから楽しみだ。

 いずれにせよ、「次世代機ということで、パワーアップしています。前作の小手先だけを変えるのではなくて、まったく新しい体験をということで、きちんと注意を払って研究・開発しています」とパーキンス氏は力強く語る。

『バットマン:アーカム・ナイト』の開発を手掛けるロックステディ スタジオのキーパーソンを直撃 「まったく新しいゲーム体験を!」_03
▲『バットマン』愛に溢れる本作。開発陣は、『バットマン』関連のさまざまなコンテンツからインスピレーションを受けており、敬意を払いつつも、“アーカム”バージョンとして作っているとのことだ。

 さて、気になるストーリーに関しては、本作で描かれるのは、『バットマン:アーカム・シティ』から12ヵ月後。ジョーカーの死後、アーカム・シティには権力の空白が生まれ、新たなヴィランたちが集まってくることになる。そんな中、『バットマン:アーカム・アサイラム』に次いでスケアクロウが再登場する。ハロウィンの夜、スケアクロウは有毒ガスの起爆装置を持って、アーカム・シティの破壊を目論むが……バットマンがこの危機を救うべく立ち上がるという内容だ。

 『バットマン』シリーズの魅力といえば、何といっても魅力的なヴィランだが、本作では、おなじみのヴィランとしては、スケアクロウのほかに、ハーレークィン、リドラー、トゥーフェイス、ペンギン、ポイズン・アイビー、ファイアフライ、そしてアーカム・ナイトなどが登場するとのこと。ファイアフライは、いわゆるロックステディ開発による“アーカム三部作”では初登場。そして、アーカム・ナイトは初登場となる。

 登場キャラクターの中でもひときわ気になるのが、タイトルにもなっている“アーカム・ナイト”。「アーカム・ナイトは何者か?」という質問が寄せられとパーキンス氏は、「彼は非常に興味深いキャラクターですね。DCと協力して登場させられた点は、私たちとしても光栄に思います。彼は、手強い敵ということになります。アグレッシブですし、プライベート軍隊も持っています。身体的にもそうですが、テクノロジーの面でもバットマンに匹敵する存在だと言えます」という。さらに、「彼の正体は?」という問いかけには、「彼は、アーカム・ナイトです(笑)。彼とバットマンとの対決をプレイヤーの皆さんは楽しんでいただければと思います」とのことだ。

『バットマン:アーカム・ナイト』の開発を手掛けるロックステディ スタジオのキーパーソンを直撃 「まったく新しいゲーム体験を!」_04
▲バットマン最大のライバル!? アーカム・ナイト。

 本作では、初回限定特典として“ハーレークィン パック”が同梱されている。どうやら本作では、本編とは別にサイドクエストとして、ハーレークィンが使用可能になる模様だ。限定されたシチュエーションになるようだが、バットマンとはひと味違ったゲームプレイが楽しめそうだ。

 アメコミに詳しいライターさんからは、「バットマンというと“探偵”というところでフィーチャーされるべきだと本当は思っています。シリーズではそれが再現されているので、僕のようなファンはうれしいのですが、本作でもその要素は再現されていますか?」という突っ込んだ質問も。こちらに対してパーキンス氏は、「おっしゃるとおり、探偵性がなければ『バットマン』は成り立たないと思っています。今回のところでも、パズルを解く要素は入ってきます。プレイヤーも、“自分がバットマン”ということで、探偵であるというところが大きいので、“ダークナイト”、“クルセイダー”であると同時に“探偵”でもありますねとのことだ。

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▲ちなみに、ロビンなどのバットファミリーの登場については、「今後の発表にご期待ください」とのことだ。

 最後にパーキンス氏は、「『バットマン:アーカム・ナイト』を日本のゲームファンにお届けできることをうれしく思います。重要なポイントはフルローカライズ、完全な日本語版ということです。皆さんに喜んでいただけるのではないでしょうか」と日本のファンにメッセージを送ってくれた。

 『バットマン:アーカム・ナイト』は2015年7月2日発売予定。ゲームファン期待の1作であることは間違いない。今後の続報にご期待を!

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