そして、ソフトクリームがとてつもなく美味だった

 北海道・札幌随一の繁華街、すすきの。その中心地にある商業施設ノルベサの1階に、おしゃれなカフェがあります。その名も“MIRAI.ST cafe(ミライスト・カフェ)”。

 2014年10月にオープンしたこのカフェ、“初音ミク”を企画・開発したクリプトン・フューチャー・メディア(以下、クリプトン)が運営しているのです。音に関するソフトウェアやサービスを展開しているクリプトンが、なぜカフェ事業に乗り出したのか? その疑問を解くべく、ミライスト・カフェに取材に行ってきました!

初音ミクを手掛けたクリプトンが直営する“ミライスト・カフェ”は、創作活動を応援する素敵な場所だった【SNOW MIKU 2015】_02
初音ミクを手掛けたクリプトンが直営する“ミライスト・カフェ”は、創作活動を応援する素敵な場所だった【SNOW MIKU 2015】_03

 とても広く、開放感に溢れるミライスト・カフェ(敷地面積は約80坪!)は、3つのスペースに分かれています。

■ショップスペース
 北海道内外のクリエイターが手掛けたアイテムが揃うショップスペース。記者が訪れたのは、冬の北海道を応援するフェスティバル“SNOW MIKU 2015”の期間中だったため、SNOW MIKU 2015の関連グッズも販売されていました。
※SNOW MIKU 2015のそのほかの催しのリポートは→こちら

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▲バッグやアクセサリー、文具など、約300種類の商品が並んでいます。“ポップカルチャー”と“ものづくり”をテーマに、スタッフの服部さんがひとつひとつセレクト。

■フリースペース
 着席で約30人収容できるフリースペースでは、ワークショップや勉強会が行われます。このスペースは、レンタルすることも可能。

 2015年2月1日から2月11日までは、SNOW MIKU 2015とのコラボレーション企画“すずらんの窓”が実施中。フリースペースに設置してあるポストカードを、線に沿って切り抜いて、色を塗って指示通りに糊づけすると、かわいいデコレーションが完成! 表面は雪ミク(SNOW MIKU 2015のメインキャラクター)、裏面はすずらんになっていて、ミライストカフェの窓に張り付けられます。

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▲カフェの外側から見ると、すずらんの花が並んでいるよう。カフェの内側から見ると、かわいい雪ミクたちがほほ笑んでいます。
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▲SNOW MIKU 2015会期中は、来場者が自由に絵やメッセージを書ける“ピアプロの壁”も設置。もはや書くスペースがないほど大人気!

■カフェスペース
 窓から光が差し込むカフェスペース。北海道の食材を活かしたメニューが食べられます。クリエイターの活動を応援するため、Wi-Fiと電源が完備されているのもポイント。

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▲開店前に撮影させていただいた風景。開店後は、SNOW MIKU 2015会期中ということもあり、30分もすると満席に!
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▲あんなところにも、こんなところにも電源が。
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▲創作欲を刺激してくれる雑誌・書籍。自由に閲覧できます。
▲壁に飾られている絵は、“未来”をテーマにセレクトされたもの。

 2015年2月1日~2月15日の期間は、SNOW MIKU 2015とのスペシャルコラボメニューが登場。今回は特別に、コラボメニューの調理風景も撮影させてもらいました。

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▲2015年2月5日~11日にコラボメニューを注文した人には、先着でオリジナルバッジ(全5種)がプレゼントされました。
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▲雪ミクのシルエットがかわいい“雪ミクラテ”。
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▲雪ミクのペット“ラビット・ユキネ”のかわいいクッキーがのっている“ユキネ抹茶パフェ”。ユキネクッキーはひとつひとつ、丁寧に作られているんです。
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▲北海道産のそば粉を使っている“ねぎねぎチキンガレット”。スタッフさんが華麗なヘラさばきで、つぎつぎと焼き上げる!
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 記者は雪ミクラテとユキネ抹茶パフェをいただきましたが、どちらもおいしい! とくに、ユキネ抹茶パフェはソフトクリームがなんとも言えず美味です。このおいしさは、いったいどこから来たの!? 気になってしかたないので、ミライスト・カフェの広報を担当している、クリプトンの磯崎さんにお話を聞きました。(パフェがおいしすぎてちょっと忘れかけていましたが)取材の当初の目的である、「どうしてクリプトンがカフェを?」という疑問についても答えていただきましたよ!

――初めに、音に関する事業を展開しているクリプトンが、なぜカフェをオープンしたのかを教えてください。
磯崎 弊社の代表である伊藤(伊藤博之氏)が、ずいぶん前から、「クリエイターをサポートしたい」、「クリエイターをサポートする場所を作りたい」と構想を温めていたんです。さらに伊藤は、「北海道にはいい素材がいろいろとあるのに、もったいない」という考えも持っていました。

――もったいない、と言いますと?
磯崎 北海道には本当にいろいろなお土産があるのですが、パッケージを裏返して“販売元”の欄を見ると、道外にある会社の名前が書いてあったりするんです。伊藤は北海道愛が強いので、常日頃このことについて悶々としていたんですよ。「どうして北海道内で、この素材を活かして、いいものを作れないのか」って。その気持ちもあって、“クリエイターを育成できる場所”、“クリエイターのコミュニケーションの場所”、“北海道の食材を使ったものを提供できる場所”として、このミライスト・カフェを作ったんです。

――“すすきの”という場所を選んだ理由は?
磯崎 すすきのに強いこだわりがあったわけではないのですが、駅から近い場所で、十分なスペースがある場所を探していたところ、このノルベサが見つかりました。ノルベサは“ポップカルチャーの発信地”を目指していて、まんだらけさんが入っていたり、コスプレスタジオがあったりするんですね。ノルベサの方向性と私たちの意向がマッチしていたこともあり、こちらに決めました。

――3つのスペースが用意されていますが、フリースペースはレンタルすることができるんですよね。
磯崎 フリースペースは、ご相談に応じてお貸し出ししています。現在は月に3回、定期的に音楽イベントが行われています。ミライスト・カフェ主催のイベントを行うこともありますよ。11月には、アイシング・クッキーのワークショップを開催しました。先月には、“人狼”のイベントをやったり。“狼追放宣言 すすきの村 第一夜”っていうタイトルをつけて、専用のビジュアルやカードを作りました。オリジナルで、赤い色の“生き血”ショットを作って、参加者全員に飲んでもらったり(笑)。ふつうに人狼をやるのではなくて、ものづくりのおもしろさも織り交ぜていきたいな、って。

――カフェスペースでは、いまはSNOW MIKU 2015とのコラボメニューを展開されていますが、今後もコラボを行う予定はありますか?
磯崎 コラボメニューをご提供するのはSNOW MIKU 2015が初めてだったのですが、とても評判がよくて。とくにユキネ抹茶パフェは、ファンの方に「これまでのミクのコラボメニューの中で、第1位」と言っていただけたんですよ。試作を重ねた甲斐がありました。最初、ユキネ抹茶パフェは“ロバパフェ”と呼ばれていたくらいで……。

――ウサギではなくて、ロバに見えたということですか?(笑)
磯崎 そうなんです(笑)。何度も作り直して完成させて、ご好評いただけたので、スタッフも自信がつきました。また機会があれば、コラボメニューを作りたいですね。

――このパフェ、とってもおいしいです。
磯崎 パフェに使っているソフトクリームは、ここでしか食べられないんですよ。伊藤は北海道の東側にある標茶(しべちゃ)という地域の出身で、ご縁があって、標茶の牧場の方と知り合ったんです。その方に、伊藤が「世界一おいしいソフトクリームを作って」とお願いして、作ってもらいました。その方が育てているのはブラウンスイス牛という、牛乳の乳脂肪分がすごく高い牛なんですよ。そのソフトクリーム、バターのような舌触りがしませんか?

――言われてみれば、確かにします。
磯崎 それは乳脂肪分が高いからなんです。標茶はすごく寒い地域で、寒さゆえに牛が脂肪をため込むそうで。この牛乳は、ソフトクリームに加工するのは難しいものらしいのですが、試行錯誤して作ってくださいました。

――牧場の皆さんの苦労の末に生まれたパフェだったんですね!
磯崎 札幌って、締めパフェ文化があるんですよ。お酒を飲んだ後に、締めでラーメンを食べるように、締めでパフェを食べる文化が。そこでミライスト・カフェでも、21時以降に“締めのパフェセット”をご提供することにしました。パフェとアルコールドリンクのお得なセットになっていますので、札幌の夜はぜひミライスト・カフェのパフェで締めてください!
※締めのパフェセットの詳細は→こちら
※ユキネ抹茶パフェは“締めのパフェセット”対象外です。

――今後は、ミライスト・カフェでどのような催しが行われる予定ですか?
磯崎 2015年2月15日に、北海道で活動しているミュージシャンの方のCDを集めて、即売会を行う予定です。ほかにも進行中の企画はいろいろとありますので、決まり次第、ミライスト通信で告知していきます。楽しみにしていてください。


 “未来に繋がるストリート”という意味を込めて名付けられたという“ミライスト・カフェ”と“ミライスト通信”。カフェとウェブサイト、ふたつのメディアを通じて、クリエイターの活動を応援していくとのことです。札幌にお住まいの方、もしくは出張や旅行で札幌を訪れた方、ミライスト・カフェに立ち寄って、食事に舌鼓を打ちながら、さまざまな創作の形に触れてみては?

<MIRAI.ST cafe(ミライスト・カフェ) 店舗概要>
■所在地
〒060-0063
北海道札幌市中央区南3条西5丁目1-1 ノルベサ1F
地下鉄南北線“すすきの駅”2番出口から徒歩2分
■電話番号
011-251-0390
■営業時間
・カフェスペース
11:00~23:00(ラストオーダー22:30) ※17:00からはバータイム
日曜のみ~21:00 ※但し、祝前日の場合は23:00まで営業
・ショップスペース
11:00~21:00
・フリースペース
11:00~23:00(応相談)

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