日野氏「いまはどのコンテンツにも負ける気がしない」

 その年にもっともチームワークを発揮し、顕著な実績を残した“チーム”を表彰する“ベストチーム・オブ・ザ・イヤー”。2014年11月20日、東京・原宿クエストホールで2014年度の表彰式が行われ、最優秀賞受賞を果たした『妖怪ウォッチ』プロジェクトチームなどが登壇した。

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 “ベストチーム・オブ・ザ・イヤー”は、明治大学教授の齋藤孝氏、総合プロデューサーのおちまさと氏が審査員を務め、国内外で高い実績・評価を獲得した商品やサービスを作り上げた“チーム”が選出・表彰される式典。過去には“2020年東京オリンピック・パラリンピック招致チーム”や『パズル&ドラゴンズ』プロジェクトチームが受賞を果たしている。

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▲実行委員長を務める齋藤孝氏は、“ベストチーム・オブ・ザ・イヤー”を通して「日本全体にチームワークの大切さを浸透させていければ」とコメント。
▲『オーシャンズ11』や『仮面ライダー』のショッカーを例に挙げ、「仕事はすべてプロジェクト。プロデューサーはチームをどう引っ張るかも仕事のひとつ」と総合プロデューサーを務めるおちまさと氏。

 そして7回目の開催となる2014年の“ベストチーム・オブ・ザ・イヤー”として、ボランティア組織“ふんばろう東日本支援プロジェクトチーム”、パーソナルモビリティー“WHILL”プロジェクトチームが優秀賞を受賞。そしていまや社会現象と化した『妖怪ウォッチ』プロジェクトチームが、メディアミックスにより稀有な成果と話題を創出したとして、最優秀賞を受賞することが決定! 

 表彰式にはニンテンドー3DS用ソフト『妖怪ウォッチ』シリーズを手掛けるレベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏、同社執行役員で『妖怪ウォッチ』のゼネラルマネージャーを務める本村健氏などのチームメンバー、そして作中キャラクターのケータくんやジバニャンが登場。さらに『ようかい体操第一』の作詞&振り付けを手掛けたラッキィ池田氏、“妖怪ウォッチ大好きキッズ代表”として、“2代目こども店長”でおなじみのタレント・加藤憲史郎くんがスペシャルゲストとして登壇した。

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▲『妖怪ウォッチ』プロジェクトチーム
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▲生ジバニャンに笑顔を見せる加藤憲史郎くん。小学校でも『妖怪ウォッチ』は大人気だそう。

 一連の『妖怪ウォッチ』プロジェクトでクリエイティブプロデューサーを務める日野氏は、同プロジェクトについて「長く続いてみんなに愛される普遍的なコンテンツを、いまこの時代からスタートして作ってみたいということで企画をしました」と、始まりを振り返りつつコメント。ラッキィ池田氏は「(振り付けや『ようかい体操第一』の歌詞は)学校の子どもたちに踊ってもらおうと思って作ったので、子どもたちから火がついたことがうれしい。学校でケンカした友だちが踊ったり歌ったりすることでもう一度仲よくなったり、親御さんがそれを喜んでくれたり、そういったシーンを想像して作ってきました。これからも子どもたち、家族が楽しめるものをたくさん作っていきたいです」と喜びを語っていた。

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▲日野晃博氏
▲ラッキィ池田氏
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▲バンダイ・仲山拓也氏

 そして今回、最優秀賞の受賞を記念して、『ようかい体操第一』をこの表彰式のための“ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014Ver.”で披露! 『妖怪ウォッチ』プロジェクトチームはもちろん、プレゼンターや会場を訪れた関係者らが一体となり、おなじみのダンスを笑顔で踊った。

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▲「いま何時?」のあとは、“ベストチーム・オブ・ザ・イヤー”とかけて、みんなで手を繋いで「チームワークは大事ー!」と〆!

 日野氏は、続いて行われたトークセッションにも登壇。審査員のふたりから『妖怪ウォッチ』ブームに関してコメントを求められると、「こんなことになろうとは」と驚きつつも、「あらゆる部門(メディアミックス)が成功できているのは珍しい。幸せなことだなと思います」と、仕掛け人としての胸のうちを語っていた。

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▲日野氏は巷で大人気の“DX妖怪ウォッチ タイプ零式”を装着して登場。バンダイが展開するおもちゃに関しても「ものすごいノウハウと計算された戦略がある」と絶賛した。

 また、“妖怪”をモチーフにした理由については「ゲームの世界だとモンスターという言葉は多く、違うものでないとすでに先行しているプロジェクトに対しておもしろいものができない。“そろそろ妖怪イケるかな?”と直感的に思いまして」と、制作秘話を披露。また同プロジェクトは「会社を超えたチーム力が特別に強かった」(日野氏)とのことで、ゲームはもちろん、アニメ、映画、おもちゃなど、それぞれのチームメンバーが総力を結集して『妖怪ウォッチ』というコンテンツに取り組んでいることが語られた。

 さらに同プロジェクトに関して、「僕らは『妖怪ウォッチ』をファミリーのコンテンツにしたい。ある程度できあがった時点で、子ども向けというよりも家族みんなで楽しめるものにしようということで、アニメでも大人しかわからないようなギャグを入れたり、“家族に会話を生む”というコンセプトで作っています」と語ったうえで、「ひとつひとつをいろいろな分野の人が知恵を出し合ってやれたので、いまの『妖怪ウォッチ』チームではどのコンテンツにも負ける気がしない」と自信を覗かせた。

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▲会議風景を「居酒屋にいるみたいですね」と言われたこともあるという『妖怪ウォッチ』チーム。「すごい褒め言葉です」(日野氏)

 トークセッションでは、受賞チームの代表者がそれぞれ“チームとは○○”というモットーを発表。日野氏はこれを“悪ノリ仲間”だと回答した。聞けば、会議でも「みんなでおもしろいことを恥ずかしげもなく言える」のが『妖怪ウォッチ』チームだといい、「子どもが集まって悪だくみをしている感じ」だという。日野氏はさらに、「チームのみんなが『妖怪ウォッチ』を自分たちのものだと思ってくれている。愛をもってアイディアが出てくるので、そこが強みかなと思います」と『妖怪ウォッチ』、ひいてはプロジェクトチームの強みを分析。

 ゲーム最新作『妖怪ウォッチ2 真打』の発売(12月13日予定)も迫る中、今年の流行語大賞にもノミネートされた『妖怪ウォッチ』。果たして快進撃はどこまで続くのか、引き続き注目していきたい。

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▲革新性が評価された“WHILL”プロジェクトチーム
▲影響力が評価された“ふんばろう東日本支援”プロジェクトチーム
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