マルチプレイβテストをひと足先にプレイ
2014年12月29日から2015年1月14日にかけて行われる、『Halo 5: Guardians』のマルチプレイβテスト。アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで行われたプレスイベントでひと足先にプレイしてきたので、開発陣へのショートインタビューとまとめてお届けする。
と、その前に一応おさらいしておくと、本作のマルチプレイβに参加するには、先日プレビューをお届けしたXbox One用ソフト『Halo: The Master Chief Collection』が必要。
また、今回のβテストは4対4のアリーナタイプの対戦にフォーカスしたものとなっており、ある程度5のマルチプレイの方向性を示しているとは思われるが、製品版のマルチプレイすべてに共通する仕様とは限らない(というか多分違う)のでご注意あれ。
新たなスーツの兵装が高機動なプレイをもたらす
今回はアリーナということで装備のロードアウトなどは存在せず、同条件で出撃してバトルするという仕様だったのだが、驚いたのはその内容。
スプリントもスラスターもアリアリで、すべての武器は“スマートスコープ”を装備。スライディングやホバリングも出来るという、まさに超人兵士……なのはいいのだが、Haloファンがザワッとなるだろう思い切った方向性。
しかし、これはこれでオモロい! というわけで能力の特徴をまずはご紹介しよう。
■スプリント
スプリント(走り)ひとつとっても、「Haloらしくない」、「いやあっていいだろ」と議論のある要素だが、本作では検討の末、限界なしに走れるように。しかし走り回ってりゃ安定というわけではなく、シールド回復と結びついていて、走ってる間はシールドが回復しないので、リスクもちゃんと用意されている。
■スライディング
スプリント中にしゃがみ(デフォルトではRスティック)を入れることで、スライディングを発動可能。うまくやれば滑って懐に飛び込みながらショットガンをぶっ放すといったこともできるらしい(記者はなかなか狙えず。トホホ)。
■スラスターパック
恐らくβでのバトルの核となるだろう存在。Bボタンで平地でもジャンプ中でも発動可能で、横にスライドしたり、前方に勢い良く飛び出したり、ジャンプの方向をガッと変えたりできる。間合いを詰める飛び込み、緊急回避、膠着時に一瞬飛び出して先を覗いたり、使い方は幅広い。
■チャージ
スプリント中に打撃(RB)を入れると、スラスターで加速してショルダーチャージを行う。後ろから当たった場合は一撃死。
■ホバリング
ジャンプ中にLトリガーを引いて“スマートスコープ”を出すと、その間はスラスターを噴出して落下を止める。ちなみに、これでヘッドショットが決まると超気持ちいい。
■グラウンドパウンド
ジャンプ中にしゃがみを押すことで、チャージ後に急降下攻撃を繰り出せる。ただし発動すると音でバレるので、スラスターでうまく逃げられたりすると辛い。
■スマートスコープ
すべての武器がスコープやサイトの覗き込みに対応。バイザーと連動しており、武器によってさまざまな情報も表示される。しかし、スコープの導入によって覗き込まないと弾がバラけるとかいったことはない。そのほか、スコープ中の動作制限もなく、スラスターすら発動可能。撃たれた際のひるみ(フリンチ)もない。
No penalty to hip fire in H5, no movement penalty when scoping/zooming, no flinch. Tune in for the beta gameplay reveal at #HaloFest Monday.
— Josh Holmes (@JoshingtonState)
2014-11-10 05:20:25
■クランバー
足場のフチをよじ登る動作。ジャンプが微妙に届かなかった時、Aを押せばスッと登る。
とまぁこんな感じに、とにかく機動性が高いという印象。賛否はあると思うが、個人的にはすごく現代的なスポーツFPSになっていて大歓迎。特にスラスターまわりの機能をうまく使えてキルできた時は「うひょー俺SUGEEEEEE」と脳汁出まくりといった感じ。まぁその後すぐ死ぬんだけど、立ち回りが悪いだけだしね。
プレイヤーの投票により新コンテンツを導入
今回のプレビューイベントでは、“Truth”と“Empire”というマップでスレイヤーを、“Crossfire”というマップで“Breakout”というルールをプレイした。Breakoutは、全員がライフ1個でスタートし、相手を全員倒したチームがラウンドを取得。5ラウンド先取したチームが最終的に勝利するという、競技性の高いルールだ。
“Truth”と“Empire”はそれなりに高低差のあるマップで機動性を活かして戦えるし、Breakoutでもスラスターでの緊急回避が結構有効なので、βテストが始まったらぜひ新たな能力を試してバトルしてみてほしい。
また、マップ自体も強武器の場所がアイコン表示されていて、何秒後に出るかのアップデートがボイスで行われたりもするので、その辺も注目。
なお、3週にわたって行われるβテストでは毎週マップとモードをローテーションしていく予定で、第2週以降に入れる要素については入れるべきか入れるべきでないか投票も行うとのこと。
さぁ、戦いのダンスを踊ろう。
プレスイベントでは、スタジオヘッドとして開発を主導するJosh Holmes氏(以下、J)と、クリエイティブディレクターのTim Longo氏(以下、T)にショートインタビューをすることもできた。
――さて今回、ロードアウトはないんでしょうか?
J βテストでは4v4のアリーナにフォーカスしているので、ロードアウトはありません。すべてのプレイヤーが同じ武器でスタートします。ただし、アリーナはマルチプレイの一部でしかありません。今言えるのはそれだけですね。
――スペクテーターモード(観戦者モード)やトーナメントモードなど、eスポーツコミュニティを支援するフィーチャーはありますか?
T スペクテーターモードは組み込んであります。マスターチーフ・コレクションと同時に開始するTwitchや新しいHalo Channelを使ってコンテンツをストリーミング出来るようにしました。
また、eスポーツという点では、ゲーム中にCSR(コンペティティブ・スキル・レーティング)を取り入れたので、プレイヤーはゲームをしながら自分のスキルをチェックできます。キャリアを通じて自分のやっていることが把握出来るわけですね。7つのTierシステムがあり、上位2つのTierはセミプロ、プロと呼ばれ、世界のトップ200人はプロの枠に入ります。
――βに入っているんですか? 友人はそういうイベントのオーガナイザーをしているので、多分それを聞いたら喜ぶでしょう。
J 入っています。
T 自分たちにとっても大事なことですからね。
――さて、スプリントをなくしてほしいというファンもいますね。今回取り入れることにした理由は?
J スプリント大賛成の人もいれば理屈に合わないと思う人もいます。我々としてはスパルタンがスプリント出来るのは納得出来ることでした。ただ、バランス調整にフォーカスすることが大事でした。
T そのためにスプリントとシールドを一緒にしたんです。走っていても、いつどこでシールドをリチャージするかどうか決めなくてはいけない。マップ上での機動性を与えたかったけど、リスクもあるようにしたかった。戦略を考えながら使う必要があります。
――今日のイベントで初代『Halo』から順番にプレイして、5はとてもモダンで動きのあるゲームになっていると思いました。いろいろ挑戦的なこともしていますが、それでも変えないHaloのコアの部分とは何でしょうか?
J 我々はダンスと呼んでいるんですが、ムーブとカウンタームーブのあり方ですね。Halo特有のプレイヤーと相手プレイヤーのダンスがあります。自分が動き、相手が動きに反応し、またそれに自分が反応する。いきなり死ぬのではなく、判断して反応する時間がある。このダンスが継続するようにバランスを取っています。
T 同じ答えですね。Halo独特のダンスであり、すべてのメカニックがうまく動くためにはこれが必要です。バランスが取れていれば、プレイヤーが反応しあって賢さとスキルを競う時間がある。これはずっと維持されるべきだと思っています。
――ハードコアなファンはXbox Oneを用意して待っている状態だと思います。ベータは3週間で終わってしまうがセカンド・ベータの可能性は? その後ローンチまで時間がありますけども……。
J いやぁ、我々にとっては時間がないですよ!(笑)。
T もっと時間が欲しいね(笑)。今回のベータではアリーナ、つまり戦闘のコアを中心にしていますが、これはゲーム全体に通じるものなので、我々にとってはこの部分を早くからテストできるのはとても価値のあることです。その後のことは色々計画していますが、今話せるのは今回のベータについてのみです。
――これまでのHaloファン、そして他のFPSをやってきて今作をプレイする人たちにそれぞれ何を見て欲しいと思いますか?
T 自分としては両者は同じだと思います。これまでのファンには、フェアなスタート、競技性、バランスの取れた経験が大きなフォーカスになっています。クラシックなHalo感覚があるけど、それを新しいツールを使ってプレイ出来るという感じですね。スパルタンの能力をツールボックスとして、それを味わえる。4v4というバランスの取れた経験は、Haloファンが共鳴してくれるものだと思います。
また同じコインの反対側として、初めてHaloに触れる人たちにも、我々が維持するように努力している、このバランスの取れた経験を楽しんでもらえるはずです。これまで必ずしもそうではありませんでしたが、今回はアーマー・アビリティにより全員が同じアビリティを持つので、アリーナ経験をたっぷり楽しんでもらえるはずです。最近こうした経験はあまり提供されていないので、そこがこのゲームの優位性だと思います。
J 自分もそれは同じことを2つの面から見ているのだと思います。ゲームの中でスパルタンとしてプレイする意味を感じて欲しいです。兵士がテクノロジーに支えられた驚くべきアーマースーツに身を包んで戦う、戦場における歩くジェットファイターのようなものです。このファンタジーを、これまで長年ストーリーを追ってきたHaloファンに今までより一層高めた形で届けることが大事ですし、またHaloをプレイしたことのない人たちにも、没入感に優れた、他のゲームと一線を画すものを提供出来ると思います。これは我々の大きなゴールです。