ベテランも新規もそれぞれの遊び方を見つけ出せる

『Halo: The Master Chief Collection』プレビュー――ここから振り返るのも、ここから始めるもよし。マスターチーフの戦いが詰まった本作で、Halo漬けの冬を始めよう_01
▲つーわけで海外メディアに混ざってマルチを遊んできました。

 日本でも11月13日に発売されるXbox One用ソフト『Halo: The Master Chief Collection』。サンフランシスコで行われた本作のメディア向けプレビューイベントに参加してきたので、その内容をお伝えしよう。

 なお、ファミ通.comでは元ファミ通Xbox 360編集長の松井ムネタツによるレビューも同時掲載しているので、シリーズをずっと見てきたムネタツならではのディープな内容はそちらを見て頂くとして、こちらではヌルゲーマーサイドとして、『Halo』シリーズの取材は松井班に譲ってきた洋ゲー記者(ファミ通.comマイナー洋ゲー担当)の感想を動画とともにお伝えしたい。

 さて、本作について一応おさらいしておくと、初代『Halo』である『Halo: Combat Evolved』(収録しているのはアニバーサリー版がベース)から、『Halo 4』まで、ナンバリング4作品を収録したタイトル。すべて1080p・秒間60フレームでの動作が可能で、共通メニューから作品を横断してのプレイが可能。しかもタイトルの垣根を超えたミッションや対戦モードを入れたプレイリストで遊ぶことも可能だ。

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▲タイトルを横断したプレイリストで遊んだり、画像のように「何作目かはともかくとりあえずスレイヤー」って感じにゲームを探せるのは、単なるタイトル別の移植やリマスターでは体験できない、全部入りの本作ならではの魅力。

 ハードコアな『Halo』プレイヤーにとっては、端的に以下のような魅力がある……というか、いまさら記者が説明しなくても、最初の2つだけでマストバイだという人がほとんどじゃないだろうか。実際、これらの目的に合致する人なら、間違いはないタイトルに仕上がっていると思う。

・『Halo 5: Guardians』のマルチプレイβテストに参加できる。(2014年12月29日から2015年1月18日まで実施予定)
・その5にも繋がる実写ドラマ「Halo: Nightfall」へのアクセス権がついてくる
・『Halo 2』がCEに続いてアニバーサリー版になり、グラフィックとサウンドがリマスターされて、BlurスタジオによるシネマティックカットシーンやForgeモードを追加して復活する
・シリーズのためにテレビから外せなかったXbox 360をXbox Oneに置き換えられる

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▲CE(初代。左画像)につづいて、2もアニバーサリーリマスターに(右画像)。ちなみに本作収録のCEもアニバーサリー版がベース。両方ともオリジナルとリマスターでグラフィックとサウンドを切り替えられる。

 ではそれ以外はというと、(スピンオフ作品は入っていないものの)ナンバリング全部入りということで、シリーズをちゃんと通しでやるのはいつとりかかればいいのか、機会を失っていた筆者のような人間には本当にありがたい。本作はリマスターとして正しく、いわゆる“エントリーポイント”(シリーズへの途中からの入り口)でもある。だがそれだけじゃない。

 今回のイベントではマルチプレイをCEから順にやっていったのだが、初期作品はゲームデザインやマップの設計が若干古いのは否めず、CEのクラシック版をやるとそれ自体は懐かしさ以外はないぐらいなのだが、2001年のゲームなので当たり前で、悪いことじゃない。むしろシリーズの歴史が凝縮されていることで、単に遊び直すのではない面白さがあると思う。
 単純に順番にプレイしてみるだけでも、Bungieが築いていったコンソールFPSとしてのゲームデザインや操作系の進化が如実にわかるし、それに対して343 Industriesが「自分たちが考える新たなHalo」を形にするにあたってどういう選択をしたのかも浮かび上がってくる。これはシリーズファンに独占させておくのは勿体無い、洋ゲー派にとっては見事な歴史書だ。

 そういうアーカイブや歴史的な価値以外でも、クロスタイトルなプレイリストのおかげで、ナンバリングの世界を縦横無尽に泳いでいく新たな体験ができる。2012年に発売された4から2001年に発売されたCEにぶっ飛ばされ、でも『Halo』としての核はどこか繋がってるというゲームプレイ体験は、単にリマスターと移植が4本並んでるだけではできない、カオスな楽しさがある。

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▲一方、『Halo 3』と『4』は1080p/60フレームでの移植版。描画の最適化などを行っているようだが、ベースは変わっていないので『3』より『2』アニバーサリーの方が綺麗に見えることも。ちなみに左が2のアニバーサリー版で右が3。

 さて、本作のローンチに合わせてHalo Channelが公開され、今年の冬は「Halo: Nightfall」の公開や、5のアリーナマルチプレイβなどが続き、Halo漬けで過ごせるのは間違いないだろう。本作はそうするととっくの昔に決めているファンだけでなく、今から列車に飛び乗ろうとする人への特急切符でもある。全部入りなだけに懐の深さはちゃんとあるし、ベテランから新兵まで、それぞれ違った価値が見いだせるんじゃないだろうか?