攻略情報を入れないで、ただ歩きまわってみるのを推奨!

美しき湖畔に潜む、禍々しい漆黒の闇。ミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売_03

 The Astronautsのミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売された。Steamでの価格は1980円。GOG.comでも数時間後に配信予定だ(公式サイトからHumble Store経由で購入した場合も、提供されるキーはGOG.comのもの)。対応言語は英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポーランド語。

 本作は『ペインキラー』や『バレットストーム』などを開発したPeople Can Fly(現Epic Games Poland)のコアメンバーが独立して立ち上げたスタジオAstronautsの処女作。プレイヤーは霊視能力を持つ探偵Paul Prosperoとして、彼に手紙で助けを求めてきた少年イーサン・カーターの行方を追っていく。

 記者は早速冒頭1時間ほどを遊んでみたのだが、本作の特筆すべき点は舞台となるレッドクリークバレーの美しさと、独特なゲームのテンポだと思う。
 ゲームは主人公の独白とともに湖近くの廃線の橋沿いからスタートするのだが、オープニング早々、チュートリアルやヒント的なものがまったくない。ひとまず先に歩いて行くと、公式コメンタリー動画に出てくる変死体があるので、周囲を調査して謎を解決することで、彼に起こった悲劇と、その場にイーサンが居合わせていたらしいことはわかる。しかし、そこからはまた歩きまわってみるしかないのだ。

美しき湖畔に潜む、禍々しい漆黒の闇。ミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売_02
美しき湖畔に潜む、禍々しい漆黒の闇。ミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売_06
▲穏やかな時間が流れるレッドクリークバレー。しかしその裏では、何かただならぬことが蠢いている。
美しき湖畔に潜む、禍々しい漆黒の闇。ミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売_01
▲主人公は死者の最期の時を視ることができる霊視探偵。現場で証拠を集めるに連れて具体的なビジョンが得られるようになり、さらにそのビジョンを時系列順に並べたりすることで全貌が見えてくる。

 だが、絶景のレッドクリークバレーを歩いて、「あ、あっちに家があるから行ってみよう」なんてフラフラ散策すると、どうやらこの土地で起こっているらしい何か大きな事件の別の側面にドンピシャで触れてしまったりする。テンポとしては次々と浮かび上がる謎を解決していく推理ゲームというよりも、むしろ『Dear Esther』のような一人称視点の探索ゲームに近い。

 時が止まったかのような絶景の中に、禍々しい何かが突如浮かび上がってくるコントラスト。これがなかなか素晴らしいので、仮にWikiなどが立ち上がっても、どうしようもなく詰まるまでは攻略的な情報を入れずに、焦らずゆっくりと歩いてみるのをオススメしたい。

美しき湖畔に潜む、禍々しい漆黒の闇。ミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売_05
美しき湖畔に潜む、禍々しい漆黒の闇。ミステリーアドベンチャー『The Vanishing of Ethan Carter』PC版が発売_04
▲ヒントらしきものは非常に少ないのだが、焦らずレッドクリークバレーを探索しよう。不意に何かが語りかけてきたり、廃屋でどうやら事件に関係するらしいビジョンを得ることもある。